コラム

2016年に一番愛された作品は? カルチャーランキングを発表

2016年に一番愛された作品は? カルチャーランキングを発表

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CINRA.NET編集部

【アート編】さらに注目を集める大規模芸術祭と、満を持して開催された大型個展

10位 ライアン・マッギンレー展『BODY LOUD!』(東京オペラシティアートギャラリー)

ライアン・マッギンレー『Taylor (Black & Blue)』Cプリント 2012 ©Ryan McGinley Courtesy the artist and Tomio Koyama Gallery
ライアン・マッギンレー『Taylor (Black & Blue)』Cプリント 2012 ©Ryan McGinley Courtesy the artist and Tomio Koyama Gallery

「アメリカでいま最も重要な写真家」と称されるスター写真家、ライアン・マッギンレーの日本の美術館では初めての個展。展示室の壁面一面を覆い尽くした『イヤーブック』と題されたインスタレーション作品はSNSでも多く共有されていました。

10位 『瀬戸内国際芸術祭 2016』

『瀬戸内国際芸術祭2016』メインビジュアル
『瀬戸内国際芸術祭2016』メインビジュアル

2010年にスタートして以降、3年に1回開催されている『瀬戸内国際芸術祭』。今回は会期を春、夏、秋の3期に分け、瀬戸内海に浮かぶ12の島と高松港周辺、宇野港周辺を舞台に広範にわたり開催されました。会期中にはアートに限らず『「円都空間 in 犬島」produced by Takeshi Kobayashi』などの音楽イベントが開催されたことでも話題を集めました。

特集:『瀬戸内国際芸術祭』で現実になったスワロウテイルの円都レポ

9位 『生誕300年記念 若冲展』(東京都美術館)

『生誕300年記念 若冲展』チラシビジュアル
『生誕300年記念 若冲展』チラシビジュアル

85歳で逝去するまでに、動植物を描いた作品をはじめ、水墨画、彩色画、木版画など、多岐にわたる作品を手掛けた伊藤若冲。その若冲の生誕300年を記念して、初期から晩年までの作品約80点が展示されました。また今年は京都府の細見美術館や京都市美術館でも展覧会が開催されるなど、伊藤若冲の一大ブームの年でもありました。

8位 『村上隆の五百羅漢図展』(森美術館)

村上隆『五百羅漢図』[白虎](部分)2012年 個人蔵© 2012 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.
村上隆『五百羅漢図』[白虎](部分)2012年 個人蔵© 2012 Takashi Murakami/Kaikai Kiki Co., Ltd. All Rights Reserved.

2001年以来、日本国内では実に14年ぶりとなった村上隆の大規模個展。東日本大震災を契機に制作された全長100メートルにおよぶ大作絵画『五百羅漢図』や、約10年の歳月をかけて制作された大型彫刻『宇宙の産声』などが展示されました。次いで会期を重複して横浜美術館にて『村上隆のスーパーフラット・コレクション』展も開催され、現代美術家・村上隆の世界に触れる機会が多かった年でもありました。

7位 『岡山芸術交流 2016』

リアム・ギリック《開発》2016 / Courtesy of the artist and TARO NASU, Tokyo / © Okayama Art Summit 2016 / Photo:Yasushi Ichikawa
リアム・ギリック《開発》2016 / Courtesy of the artist and TARO NASU, Tokyo / © Okayama Art Summit 2016 / Photo:Yasushi Ichikawa

昨年岡山市で行なわれた現代アート作品展『Imagineering OKAYAMA ART PROJECT』を規模・内容ともに進化させたものとして開催されました。アーティスティックディレクターをイギリス現代美術を代表するアーティスト、リアム・ギリックが務めたことでも注目を集めた本展。その展示作品のレベルの高さは大きな話題となりました。

特集: 芸術祭とは言いません。『岡山芸術交流』が独自路線をいく理由

6位 『あいちトリエンナーレ2016』

大巻伸嗣『Echoes-Infinity』「MOMENT AND ETERNITY」Third Floor-Hermès Singapore 2012 Created with the support of the Fondation d'entreprise Hermès for Third-Floor Hermès Gallery -Singapore 2012.
大巻伸嗣『Echoes-Infinity』「MOMENT AND ETERNITY」Third Floor-Hermès Singapore 2012 Created with the support of the Fondation d'entreprise Hermès for Third-Floor Hermès Gallery -Singapore 2012.

現代アートの展覧会や映像プログラムに加えて、ダンス、オペラなどの舞台芸術も楽しむことができるアートの祭典。今年で3回目を迎えた本展は「虹のキャラヴァンサライ 創造する人間の旅」というテーマのもと、前回よりも幅広い国や地域からアーティストが集結し、会期中盤からはパフォーミングアーツの公演を集中的に行なうなど、特色あるプログラムを展開しました。

5位 『KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭』

落合陽一(Yoichi OCHIAI)『コロイドディスプレイ』2012/2016
落合陽一(Yoichi OCHIAI)『コロイドディスプレイ』2012/2016

今年初開催となった茨城の県北にある6市町を舞台にした国際芸術祭。南條史生が総合ディレクターを務め「海か、山か、芸術か?」というテーマのもと広大な自然を舞台に、国内外約80組のアーティストがアートと科学・技術の実験を行ない、最先端の表現を鑑賞できる場となりました。

特集: 「人間らしさ」すら変わるかも。未来を示唆する芸術×科学最前線

4位 Chim↑Pom『「また明日も観てくれるかな?」~So see you again tomorrow, too?~』

『「また明日も観てくれるかな?」~So see you again tomorrow, too?~』フライヤービジュアル
『「また明日も観てくれるかな?」~So see you again tomorrow, too?~』フライヤービジュアル

国内では約3年ぶりのChim↑Pomの大規模な新作個展。解体が予定されている歌舞伎町のビルの地上4階から地下1階までを使用したプロジェクトは話題を集めました。会期終了後もChim↑Pomの展示作品群は撤去されずに、「全壊する展覧会」として現在も進んでいるビルの建て壊しに伴って破壊されています。解体後は作品の残骸を拾い集めて、プロジェクト第2弾となる個展を来年初頭に東京・高円寺のGarterで開催予定となっています。

特集:Chim↑Pomが熱弁する結成からの10年と「全壊する個展」の意義

3位 『ダリ展』(国立新美術館、京都市美術館)

サルバドール・ダリ『奇妙なものたち』 1935年頃 40.5×50.0cm 板に油彩、コラージュ ガラ=サルバドール・ダリ財団蔵 Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres © Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan,2016.
サルバドール・ダリ『奇妙なものたち』 1935年頃 40.5×50.0cm 板に油彩、コラージュ ガラ=サルバドール・ダリ財団蔵 Collection of the Fundació Gala-Salvador Dalí, Figueres © Salvador Dalí, Fundació Gala-Salvador Dalí, JASPAR, Japan,2016.

日本では約10年ぶりとなるダリの大規模な回顧展。1900年代前半の初期作やシュルレアリスム時代、アメリカ亡命時代から晩年の作品までを網羅した本展では、絵画や彫刻だけにとどまらず、宝飾品や書籍なども展示され、ダリの世界観が多角的に紹介されました。

2位 『トーマス・ルフ展』(東京国立近代美術館、金沢21世紀美術館)

トーマス・ルフ『cassini 10』2009年 ©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016
トーマス・ルフ『cassini 10』2009年 ©Thomas Ruff / VG Bild-Kunst, Bonn 2016

現代アートと写真の垣根を超え、世界的に評価されているアーティスト、トーマス・ルフの待望の日本初回顧展。友人を写した大判カラーのポートレートや建築写真、夜空を捉えた作品や、自身で撮影を行なわずに、インターネット上で収集した画像を再構築した近年の作品シリーズなど、初期作品から新作まで100点以上が展示されました。現在は金沢21世紀美術館にて2017年3月12日まで開催しているので、お見逃しなく。

1位 『杉本博司 ロスト・ヒューマン』(東京都写真美術館)

杉本博司『廃墟劇場』2015年(展示風景) ©Sugimoto Studio
杉本博司『廃墟劇場』2015年(展示風景) ©Sugimoto Studio

2014年9月から大規模改修に伴う約2年間の休館を経て、今年9月にリニューアルオープンした東京都写真美術館のこけら落としとなった『杉本博司 ロスト・ヒューマン』展。『ロスト・ヒューマン』『廃墟劇場』『仏の海』の3つの作品シリーズが展示されました。中でも作家の収集した物で構成された文明の廃墟のような『ロスト・ヒューマン』の展示空間は、本格的な写真展を期待した来場者に大きなインパクトを与えたのではないでしょうか。

特集:太賀がリニューアルした写真美術館へ。杉本博司展に圧倒される


総括
今年は3年に1度となる『瀬戸内国際芸術祭2016』と『あいちトリエンナーレ2016』の2大トリエンナーレが開催され、さらに『KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭』『岡山芸術交流』が加わって「芸術祭の年」といっても過言ではないほど、芸術祭でスケジュールが埋め尽くされた1年となりました。

そんな中でも、数年ぶりに日本で個展を開いた村上隆の『村上隆の五百羅漢図展』や、Chim↑Pomの『また明日も観てくれるかな?』がランクインしており、アーティストの注目度の大きさがうかがえます。

さらに今年は、杉本博司、トーマス・ルフ、ライアン・マッギンレーと、国際的に活躍する写真家の展覧会が開催されたことも特色となりました。他にも若手写真家・奥山由之が話題になるなど、日常生活の中で写真を撮ることが当たり前になった時代に、改めて「写真を通したイメージ」への注目度が高まっているのかもしれません。

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