でんぱ組.inc 夢眠ねむと行く『見えない世界のみつめ方』展

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テキスト:タナカヒロシ 撮影:菱沼勇夫

2. 天動説と地動説のぶつかり合い

「あっ、ギリシャきてぁ!」。

第2章「世界像のパラダイムシフト」のコーナーに足を踏み入れるなり、また一段とテンションの上がったねむきゅん。ここには、天文や地理に関する15〜18世紀のヨーロッパの書物が多数展示されており、天動説から地動説への転換をはじめ、世界像の考え方に大きな影響を与えた当時の空気感を貴重な資料で味わうことができます。

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15〜16世紀頃までの世論を支配していたのは、古代ギリシャ・ローマ時代にアリストテレスやプトレマイオスなどが唱えた天動説。ここには、1500年前後にプトレマイオスの天文学や地理学を抄訳した書物が展示されていて、現在とはまるで違う世界地図や惑星の配置図を見ることができます。

「わたし、ディズニーシーでいちばん好きな場所があるんですけど、この絵がそこにそっくり!」と、この時代の世界観に興奮を隠せないねむきゅん。500年以上前の書物ながら、その印刷の美しさや洗練されたレイアウトも、ねむきゅんのハートを掴んだようです。

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「わたし、ギリシャ神話とかめっちゃ好きなんです。ギリシャの神様って、なんか人間的でいいですよね。高校生のときは、付き合うならアポロンで、結婚するならバッカスかなとか考えてたんです」というねむきゅんは、貴重な書物を前に「高まるっ!」を連発。

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そして、この時代の世界像の考え方にもっとも大きな変化を与えたものといえば、やはり天動説から地動説への転換。17世紀にガリレオが地動説を唱えたことで異端とされ、宗教裁判にかけられたことは有名ですが、ここにはその原因となった『天文対話』をはじめ、時代の変化を感じさせる書物を一挙に見ることができます。

『天文対話』 ガリレオ・ガリレイ著 1632年 初版(大阪市立科学博物館所蔵)『天文対話』 ガリレオ・ガリレイ著 1632年 初版(大阪市立科学博物館所蔵)

地動説を主張した前述のガリレオ。地動説を論理的に体系だてたものの、その影響を恐れて自身の死期まで発表を控えたというコペルニクス。ガリレオと深い親交を持ちながらも天動説を支持したクラヴィウス。地球を中心に据えながらも実質的に地動説とほぼ変わらない説を唱えたプラーエ。そのプラーエの助手を務め、後に惑星の軌道が楕円形であるという法則を生み出したケプラー。ここに展示されている彼らの書物を目の当たりにすると、世界像のパラダイムシフトが起こる当時の空気がよみがえってくるようで、ねむきゅんも「天才同士の絆みたいなものを感じて熱くなりますね」と大きな感慨に浸っていました。

タナカヒロシ

1980年生まれの松坂世代。横浜市出身。いまはなき音楽フリーマガジン「BG MAGAZINE」で、立ち上げから数年間、編集・ライターをしたのち、フリーランスに。主に邦楽全般、K-POP、なぜかクレジットカードについての記事も執筆。最近はアイドルを中心としたアジア全般の音楽についても研究中。おもしろいと思ったことは ノンジャンルでいろいろやってますので、やさしくしてください。



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