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あらかじめ決められた恋人たちへ インタビュー

大阪ってね、みんな音楽をやめちゃうんですよ。でも東京って、案外やり続けている人が多いですよね。

MUSIC

あらかじめ決められた恋人たちへ インタビュー

あらかじめ決められた恋人たちへ インタビューをdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加 あらかじめ決められた恋人たちへ インタビューをlivedoorクリップに追加 あらかじめ決められた恋人たちへ インタビューをlivedoorクリップに追加 (2008/10/14)

歌の代わりにピアニカが鳴り響く「あらかじめ決められた恋人たちへ」の音楽は、ちょっとロマンチックなその名の通り、力強くもどこか儚げで、心を締めつける素敵なメロディーに溢れている。32歳になった今年、嫁を連れて大阪から上京してきた彼の言葉や人柄に触れるにつれ、どうして“あら恋”の音楽が心に響いてくるのか分ってくるのだ。こんなに面白くて、優しくて、本気な人もなかなかいない。こういう人じゃなきゃ作れない音楽が、確かにあると思わせられる。音楽だけではなく、大好きな映画のこと、そして関西から飛び出してきたワケなど、様々なお話を伺った。

(インタビュー・テキスト:柏井万作)

PROFILE

「あらかじめ決められた恋人たちへ」は、ピアニカ奏者、トラックメイカー池永正二によるソロユニット。哀愁の中に潜む狂気、猥雑さの中で輝くイノセンスという相反する要素が常に内包されているその作風は安易なカテゴライズ不可能な唯一無二の音風景を描き続けている。2008年10月15日、サードアルバム『カラ』をmaoよりリリース。
あらかじめ決められた恋人たちへ
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関ヶ原で負けてからですよ、
関西人がこんなにひねくれだしたの

─あらかじめ決められた恋人たちへ(以下、あら恋)の音楽って、メロディーが豊かでドラマチックですよね。

あらかじめ決められた恋人たちへ インタビュー

池永:映画が好きなんで、物語的で映像的な音楽が作りたいんです。実際には音は見えないのであくまで聴覚からのイメージの部分なのですが。音楽で映画を作ってるような感じですね。だから曲もそうだし、アルバム全体通しても流れを重視して考えてます。静かなところがあって、そこからドンっと大きく動き出す。うねりだす。そういう緩急が好きなんですよ。

─シーンが変わるみたいな。

池永:そうそう。歩いてるときとか、景色が変わったりするじゃないですか。街中のざわめきがコンビニに入った瞬間にパッと店内BGM音楽に変わったり。電車が急に通ったり、気づけば夕焼けだったとか。例えばそういう音楽がしたいです。

─音楽を作り始めたのはどういう経緯だったんですか?

池永:もともとラジカセを使って宅録してたんですけど、バイト代で手が届くような安い機材が出てきたから、機材を買って打ち込みとかやり始めるようになったんですよ。そしたら面白くて、どんどんのめり込んでいきましたね。それで今やってるようなダブみたいな音楽も作り始めて。ディレイ(反響音[エコー]を生み出すエフェクター)を使うと、ドバーっと音が広がっていって、ごまかせる感じがすごい好きだったんです。響くっていうかね。……ごまかせる、は違うな(笑)。

─ごまかせる、はちょっとネガティブですね(笑)。

池永:なんかね、大阪ではかっこつけるとバカにされるんですよ。カッコいいのと逆のこと言ったれ、それがかっこいいみたいな気持ちがあって(笑)。って、結局かっこつけたいんですが…。

─関西の人って、本当にそういうところありますよね。

池永:関ヶ原で負けてからですよ、関西人がこんなにひねくれだしたの。それまではずっと関西が日本の中心だったのに、東京に持っていかれちゃったから、ひねくれちゃったのか、いや元々か?(笑) 違うかな。

─でも、笑ってたほうが幸せですよね。

池永:そうですよ。なんだかんだ言っても笑えたらいい。そういえば自分も、曲を作るときにそういうオチをつけます。悲しくても最後にちょっと笑った、みたいなオチ。ピアニカをメインにしているのも同じようなことなのかもしれませんね。ピアニカが入ると重くならないんです。


あらかじめ決められた恋人たちへ インタビュー

─ユーモアを入れたい?

池永:それはすごいありますね。今回のアルバムタイトルも、こんだけ音を詰め込んで、しかも3年ぶりのアルバムで、『カラ』でしょ。カラかいな!って。

─今作はかなり音数が増えてますもんね。

池永:そうなんですよ。ダブって普通、音数を減らして隙間にディレイを響かせるんですけどね。だからエンジニアにも、「どこにディレイかけろって言うねん!」って怒られたんですけど、何とか両立してもらいました。だからこれまでにないダブアルバムになってると思いますね。

─これまでのアルバムに比べて、すごい勢いもありますよね

池永:ちょっとロックっぽくなったんですかね。バンド編成でライブをするようになったので、その勢いを出したいと思って。だからテンポとか勢いのある曲が増えたと思います。でも、音源でライブ感を出そうと思っても難しいじゃないですか。ライブは爆音だから音圧があるしお客さんや演奏者の動きや表情やその場の空気感や匂いがある。それを音源で出しても実際のライブには負けてします。それならライブのライブ感じゃなくて、アルバムとしてのライブ感を出したいと思って。だとしたら映画的な物語の緩急というのはアルバムとしてのライブ感として有効だと思いますし、クオリティーをあげるベクトルの方が良いと思いました。

─ライブは生で体感する楽しみがありますもんね。音源のほうは、作品としてすごい作りこまれていますね。

池永:自宅での作業がメインなので、どんどん詰め込めるんです。風呂入ってる時に思いついたアイデアをあがってそのまま入れ込めるので、終わりがないのですが。そうやって寝起きを共にしていくと最終的にはタイトルも決まってて、コンセプトみたいなのが最終的には出て来てたなあと。

2/3ページ:映画好きが語る、音楽と映画の関係

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