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表現って人に力を与えるものだと思う。計算してやってたらつまんないですよ。

『五人姉妹』で手を携えたこの二人 トークの行き着く先は一体どこだ!?

STAGE

中原昌也×矢内原美邦 対談

中原昌也×矢内原美邦 対談をdel.icio.usに追加 このエントリーをはてなブックマークに追加 中原昌也×矢内原美邦 対談をlivedoorクリップに追加 中原昌也×矢内原美邦 対談をlivedoorクリップに追加 (2009/06/26)

ダンス、衣装、映像、音楽、照明、美術など、各分野をディレクションするアーティストの複合体として97年に結成されたニブロールは、マルチ・メディア的発想を核に有機生命体のように自然成長/生長を遂げてきたカンパニーだ。その中心人物である振付家・矢内原美邦が06年に立ち上げたソロ・プロジェクトが、ミクニヤナイハラプロジェクト。『3年2組』、『さよなら』、『青ノ鳥』、『五人姉妹』と、ニブロールでの活動と並行しつつも定期的に作品を発表してきた。過剰なスピードで無数の情報が乱反射する躁病的な作風は、作品を追う毎に尖鋭性を増し、08年の岸田戯曲賞では最終候補にまで残った。つまり、「ダンスの人」と認知されてきた矢内原も、もはや演劇ファンにとっても見過ごせない存在となりつつあるわけだ。

そして、ただいま吉祥寺シアターで行われるているのが、昨年プレビュー公演が好評を博した『五人姉妹』。昨今、矢内原が関わってきた舞台の音楽は主にミュージシャンのスカンクが手掛けてきたが、今回は矢内原の希望により、ヘア・スタイリスティックスとして12ヶ月連続アルバム・リリースという快挙も成し遂げた中原昌也が担当。ここにお届けするふたりによる対談は、本筋に亀裂を入れ、ノイズを注入し続ける中原の本領発揮と相成った……、のだが、余りにも長文のテキストゆえ、脱線部分はたたんでおいた。脱線、と書いたが、むしろ脱線が本筋で本筋が脱線かもしれないわけで、そこはあえて読者の判断に委ねることにしよう。

(インタビュー・テキスト:土佐有明)

profile

中原昌也
88年頃よりmtrやサンプラーを用いて音楽制作を開始。90年、アメリカのインディペンデントレーベルから「暴力温泉芸者」名義でリリース。ソニック・ユース、ベック、ジョン・スペンサー・ブルース・エクスプロージョンらの来日公演でオープニング・アクトに指名され、95年のアメリカ・ツアーを皮切りに海外公演を重ねるなど、国外での評価も高い。97年からユニット名を「hair stylistics」に改め活動。音楽活動と並行して映画評論や小説家としての活動を行うなど、作家としてもますます注目を集めている。


矢内原美邦
振付家/劇作家/ニブロール主宰 97年、各分野で活躍するアーティストを集めたパフォーミング・アーツカンパニー「ニブロール」を結成。代表兼振付家としての活動を始める。05 年、吉祥寺シアターのこけら落とし公演を契機に「ミクニヤナイハラプロジェクト」を始動、劇作・演出を手がける。第52回岸田國士戯曲賞最終候補作品となるなど、演劇/ダンスの両分野で高い評価を得ている。 舞台作品を平行してビデオアート作品の制作を始め、off nibroll 名義で映像作家の高橋啓祐とともに活動し、世界各地の美術展に招聘されている。
nibroll

─おふたりは以前から面識があったんですか?

中原:いや、これが会うのは二回目で。音楽のご依頼を受けて一度、打ち合わせで会っただけですよ。

矢内原:元々、暴力温泉芸者の頃から中原さんの音楽は好きだったんですよ。で、中原さんのお友達でダンサーの東野(祥子)さんとツアーを周った時に、中原さんが音楽を担当した舞台の映像を見せてもらって、おもしろいなと。あと、今回のお芝居はノイズ的なものがいいなと思ったこともあってお願いしました。

中原:ふたつ返事で、オッケー!って。やるよーって。もう本当に軽い感じですよ。

─今回の『五人姉妹』もですが、矢内原さんは最近、プレビュー公演があって間を置いてから本公演、という流れが多いですね。これは何故?

矢内原:忙しいというのもあるし、あとは脚本を書き直す時間がほしいので。元々私は振付家で、演劇は始めてまもないので、どうしても戯曲に関しては、細かいところを後々直したくなってくる。自分は演劇で何ができるのかを考えつつ、時間をかけて書いてますね。

─ミクニヤナイハラプロジェクトは戯曲を書くことが大前提だと思いますが、『青ノ鳥』は08年度の岸田戯曲賞の最終候補に残りましたね。戯曲家として認知された、という思いは?

矢内原:あれは、正直全然予想してなかったですね。だから、選考委員の人たちも全く公演とかにも招待してなくて。でも、ああ良かったなっていうのはあります。ほっとしたというか(笑)。「これは演劇じゃない!」みたいなことをよく言われるので。


中原昌也×矢内原美邦 対談

中原:演劇じゃなかったら、なんだって言われるんですか?

矢内原:いや、ただ喚いてるだけだとか、ただ動き回ってるだけだとか。一応台詞はあるんですけど、その台詞が速すぎて聞こえなかったりするみたいで。

中原:耳の悪い人は来ちゃいけないんですか! あと、お年寄りも駄目とか!?

矢内原:どうなんですかね(笑)。でも、子供は逆に喜ぶんですよね。

中原:一緒にキャッキャ騒ぐんだ?

矢内原:そう、キャッキャキャッキャはしゃいでますよ。反応が素直なんです。

中原:そうなんだ。……託児所みたいのはないんですか?

矢内原:託児所、劇場にありますよ。でも、微妙ですよね。ネットに慣れていたりゲームをたくさんやってる子は速いものにもついて来られるんですけど、演劇の好きなお客さんって丁寧に物語を追う人が多くて、筋が分からないのがすごく嫌みたいです。だから、はっきり分かれますよ。「嫌い!」っていう人と「好き!」っていう人に。「もう二度と見に来ません」ってアンケートに書かれたりとかするし。

2/4ページ:ホント、予習もしないで酒飲んできちゃって! 駄目ですねえ、本当に!

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