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渋谷慶一郎×朝吹真理子「ロスト・イン・カンバセーション #2」

渋谷慶一郎×朝吹真理子「ロスト・イン・カンバセーション #2」

聴き手・構成
中島洋一
聴き手・構成:中島洋一

6月11日行われた震災復興イベント『SHARE FUKUSHIMA』への道行きを共にした、音楽家の渋谷慶一郎と作家の朝吹真理子。いまだかつて見たことのない荒涼とした風景について、それをインプットした創作活動に携わるものとしての逡巡を語り合い、話は流れて日々の暮らしにまで及ぶ。今宵も「Chat―雑談―」は、ゆるやかに脱線しながら、然るべきところへ舞い戻り、ふたりの創り手のタイピングは弾んだ。

ボランティアでもなく被災地に縁もゆかりもない人間が『みたい』という欲望のまま行って良いのかという逡巡はあったのですが、行ってから後悔しようと思い、一緒に行かせてくださいとご返事をしたのです (朝吹)

―こんばんは。

渋谷:ども。ちょっと待ってください

―はい~。

渋谷:すいません。

―朝吹さんは、今お口にご飯がついているそうです~(笑)。

渋谷:僕はキュウリ食ってます(笑)。

朝吹:もぐもぐ……。

朝吹:こんばんは。ごぶさたしております。

渋谷:おばんですー

渋谷:っていうかさ!!!

朝吹:なぁに?

渋谷:真理子ちゃん、

朝吹:はい。

渋谷:僕、新幹線のお金返してないよね(笑)。

朝吹:(笑)。あなたにいつ言おうか、迷っていたのですw。

渋谷:そんなのさっさと言ってくれ!

朝吹:新津保さんは即返却でしたよw。

渋谷:僕は遅刻のバタバタと鰻弁当で完全に飛んでた。。。責めないでw。

朝吹:あの渋谷さん喜悦の鰻弁当ね……。

―それは『SHARE FUKUSHIMA』のときですか?

渋谷:そうそう福島行くとき。

朝吹:渋谷先生遅刻なさった。

―(笑)。

渋谷:僕が遅刻して、真理子ちゃんに切符買っておいてもらったのを、お金返してなかったのです。。

朝吹:でも、すごくふしぎな一泊二日でしたね。

渋谷:そうだねー。

朝吹:誘ってくださってほんとうにありがとうございます。深く感謝です。

渋谷:それはよかった。しかしさ、

朝吹:うん。

渋谷:当然これの話題になるわけだけどさ。

朝吹:そうね、あれ以来お目にかかっていないしね。

渋谷:こういう場合、経緯からっていうのが普通なんだけど、それは言ってみればマクロな視点でしょ。そういうパブリックな話というのは、結構してるのね、他でも。だからミクロな視点で話せたらいいなと思ってます。

朝吹:そうですよね、きっと。ただ、私は直接『SHARE FUKUSHIMA』とは関係のない人としておじゃましていたので、存在の仕方が、至極あいまいです……。

渋谷:そうなんだよねー。所在なげでおもしろかったw。

朝吹:完全に寄る辺ないかんじでw。

―朝吹さんは『SHARE FUKUSHIMA』のために福島へ同行されたのですか?

朝吹:私は公で話したことがないので、私だけ、ここで経緯を簡単に……。

渋谷:そうだね。

朝吹:渋谷さんからSMSで、津波被害がもっとも甚大であったと言われる、宮城県の女川町に行きたいか? と問われたのです。

―はい。

朝吹:みなさまは仕事(ボランティア)で行きますが私は同行するだけです。ボランティアでもなく被災地に縁もゆかりもない人間が「みたい」という欲望のまま行って良いのかという逡巡があったのですが、行ってから後悔しようと思い、一緒に行かせてくださいとご返事をしました。

―ええ。

朝吹:ライブ前日(5月10日)に、写真家の新津保さんと渋谷さんといっしょに仙台までゆき、七尾旅人さん、津田大介さん、戸田誠司さん、ナタリー編集の方、津田さんの助手の小嶋さん、仙台で渋谷さんのドキュメンタリーを撮る映像班の方々、みなさんとご一緒して、宮城県の女川町まで行ったのです。どうしても外せない仕事があって、私は肝心のライブがはじまる寸前に東京に戻ったので、ほんとうに、謎の人のままおじゃましたのです。この場を借りて一言みなさまに御礼を。ほんとうにみなさまにはお世話になりました。ありがとうございます。……これが経緯です。

渋谷:なんだそりゃ。

朝吹:だってw。

渋谷:僕もさ、すごく深く考えて誘ったというよりは、

朝吹:突発的っぽかったですよね。

渋谷:まあ、深く考えるなんていうことがあるのかっていう話もあるのですがw。

朝吹:深く考えると行けなかったと思う。

渋谷:でしょ。

朝吹:即決したもの。

渋谷:なんか、結婚式の途中かなんかでレスしてたよねw。

朝吹:広尾の瀟洒な二次会会場でブーケトスとかビンゴとかしてたよ。

渋谷:ブーケトスのときに即レスか、アツイなw。

朝吹:未婚なのにソファ席の隅でひとり坐ったまま、

渋谷:ああ、暗示的だね。

朝吹:え?

朝吹:ちょっと待って。

渋谷:ん?

朝吹:「暗示的」?w

渋谷:いや、なんでもないですw。

朝吹:えー。

―そんなことないと思いますよ。

朝吹:ほら!

朝吹:ありがとうございます。

渋谷:編集者を味方につけてる時点で……。

―(フォローすると深みにはまる罠)

朝吹:!

朝吹:もうやだw。

2/8ページ:僕は音楽家だからさ、僕が『こんな音楽は聴いたことがなかった』、って言ったら聴いてみたいと思うでしょ?(渋谷)

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番組情報

NHK-FM
『エレクトロニカの世界2011 ~渋谷慶一郎の電子音楽マトリックス~』

2011年8月13日(土)23:15~1:00 出演: 渋谷慶一郎
高嶋政宏
朝吹真理子
evala
中村としまる

プロフィール

朝吹真理子

1984年、東京生まれ。慶應義塾大学前期博士課程修了(近世歌舞伎)。2009年、『流跡』でデビュー。2010年、同作で『第20回Bunkamuraドゥマゴ文学賞』を最年少受賞。2011年1月、『きことわ』で『第144回芥川賞』を受賞。

渋谷慶一郎

1973年生まれ、音楽家。東京芸術大学作曲科卒業。2002年に音楽レーベルATAKを設立。国内外の先鋭的な電子音響作品をCDリリースするだけではなく、デザイン、ネットワークテクノロジー、映像など多様なクリエーターを擁し、精力的な活動を展開する。2009年、初のピアノソロ・アルバム『ATAK015 for maria』を発表。2010年には『アワーミュージック 相対性理論+渋谷慶一郎』を発表し、TBSドラマ『Spec』の音楽を担当。2011年は、モスクワでのイベント『LEXUS HYBRID ART』のオープニングアクトを担当するなど、多彩な活動を続ける。

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RYOHEI KUBOTA “RISING”

ぼくのりりっくのぼうよみ、小山薫堂らからも注目される19歳のハンドパン奏者・久保田リョウヘイの“RISING”のPV。自然に溶け込むような佇まいから生み出される、まるみのある幽玄的なサウンドと情熱的なビートに身をもたげたくなる。演奏はYouTubeを見て独学で学んだらしい。圧巻です。(飯嶋)