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空中ループが恥じらいを捨てて見つけた、「自由と解放」の産物
インタビュー・テキスト:田山雄士 撮影:柏井万作(2011/10/06)
解放――その意味を辞書で引くと、「身体や心の束縛、制限を取り除いて自由にすること」とある。これはあくまで文字列としての意味合いでしかない。生々しさなどはほとんどないし、ましてやその文字列を眺めたところで解放の核心に触れられるわけもない。果敢な野心性で困難に立ち向かったり、飽くなき探究心で個を追求したり、恥じらいを捨てたりすることで、初めて解放は得られるのだ。
京都在住の4人組バンド、空中ループは解放を求め続けてきた。結成当初よりDIY活動を続け、CDのリリースやエンジニアリングなどのすべてを自分たちの手でこなし、その道を切り拓いてきた。ライブハウスやCDショップでの評判も上々。そんな彼らが2010年にワンダーグラウンド・ミュージックと契約。今年からはプロデューサーに大谷友介(SPENCER、Polaris、ohana)、エンジニアに益子樹(ROVO)を迎え、新プロジェクト「Walk across the universe」を始動させた。その最中で彼らは多くの試練を乗り越え、いよいよ真に解放と呼べる境地に到達。その引き金となったのが会心のファースト・フルアルバム『空中ループ』だ。松井省悟と和田直樹、バンドの中心人物2人の語り口は実に清々しく、そこからは生き方のヒントが見えてきたりもした。
空中ループ
2005年結成。メンバーは松井省悟(vo、g)、和田直樹(g)、森勇太(b)、さとうかおり(ds)の4人。2008年、ファースト・ミニ・アルバム『LOOP ON LIFE』でデビューし、その伸びやかで心地よいメロディ、ギター・ポップ・サウンドが注目を集める。2011年からは大谷友介、益子樹とタッグを組み、新プロジェクト「Walk across the universe」を始動させた。
‖空中ループ Official web ‖
モチベーションはあったんですけど、次の手がわからなくなったときがありました。(松井)
―空中ループは結成からずっと自主レーベルで活動してきたバンドですが、2010年にワンダーグラウンド・ミュージックに所属しましたよね。そのきっかけは何ですか?
松井:一番大きいのはプロデューサーの大谷友介さんの存在ですね。僕らの音を気に入ってくれてて、「プロデュースしたい」とかなり前から言ってくれてたんです。
―大谷さんとの出会いは、京都でのライブでしたっけ?
松井:はい。2007年の8月だから、まだファースト・ミニアルバムの『LOOP ON LIFE』が出る前ですね。そのときは緊張して全然話せなかったんですよ。音源をなんとか渡して、ギターの裏にサインしてもらうので精一杯で(笑)。結局、打ち上げも行けなかったんですけど、大谷さんがその年にまた京都に来てくれはって、再会できたんですよ。僕のことをちゃんと覚えててくれて。

松井省悟
―それは嬉しいですね。2008年、2009年と自主レーベルからミニアルバムをリリースして、いい状況を作り上げてきた空中ループでしたが、それからちょっと間が空きましたよね。苦難の時期だったんでしょうか?
松井:モチベーションはあったんですけど、次の手がわからなくなったときがありました。リリースしてからちょっとずつライブのオファーも増えたんですけど、それを全部受けてたらいつの間にかライブ過多になってて、自分たちの活動が点になっちゃったんです。
和田:受け身になって、曲もできてなかったですね。すべて自主でやってたし、時間もどんどんなくなっちゃって。
―レーベルに所属することは考えなかったんですか?
和田:うーん……。実は以前、レーベルを探したこともあったんですよ。でも探すうちに、レーベルに所属することで逆に不自由になる部分が出てくるんじゃないかっていう考えに戻っちゃって。
松井:レーベルに所属している友達のバンドから色んな話も聞いていたんですけど、僕たちはなんでも自分たちでやってたので、数字を聞けば違いもわかるじゃないですか。だから、悩んじゃいましたよね。なんとなく所属して、制作費をもらうだけで終わっちゃうなら何も意味がないし、僕らは制作費だって自分らで作ったものを売って生み出してたから。結局は「この人とやりたい」とかがない限りはナシかなって。


































