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MUSIC

破天荒で真面目な面白ガール bómiインタビュー

インタビュー・テキスト:金子厚武 撮影:田中慎一郎(2012/02/06)

海外のインディロック/エレクトロポップに通じる、カラフルでキャッチーな楽曲を詰め込んだミニアルバム『Gyao! Gyappy!! Gyapping!!!』で昨年より活動をスタートさせた期待の新星、bómi。しかし、彼女はつい一昨年前まで本名の「宝美」名義で活動し、シンプルで力強いメロディに乗せて、自らの悲しみや寂しさを歌っていた。その姿は、現在の彼女からはとても想像できないものだったと言っていいだろう。果たして、この1年で彼女に何が起こったのか? 前作からの連作のような意味合いのあるミニアルバム『OH MY POOKY!!!』の発表に合わせ、彼女にその変化の経緯と、現在のスタンスについてじっくりと話をしてもらった。そこから見えたのは、自分の感情をそのまま吐き出していた1人の少女が、それを表現として昇華する道を選び取るまでの、とても軽やかな成長の物語だった。

PROFILE

bómi
ハロー まいどー アニョハセヨ〜。1987年、アメリカ生まれ、大阪育ちのK系ガール。早大中退。デモ音源をMySpaceにて公開したところわずか1年間で10万アクセスを突破し話題に。2011年、新鋭プロデューサー"wtf"と出会い、bomi始動。両者の起こす超キケンな化学反応は、ただの「はなうた」をブッ飛びのロックンロールに昇華させる。2011年7月6日にはTOWER RECORDS限定ミニアルバム『Gyao!Gyappy!!Gyapping!!!』をリリース。2012年2月8日にはTOWER RECORDS限定ミニアルバム『OH MY POOKY!!!』をリリースし、2月10日(金)にリリースパーティーを渋谷CHELSEA HOTELで開催。ガーリーロックのニューフェイスに要注目!
bomi Official Website

「この寂しさみたいなものは歌にしなくても、みんなが持ってるものだ」って思ったんです。

― bómiさんは以前「宝美」という名義で活動されていて、その頃は「私を必要として!」と訴える音楽だったそうですね。そこから、どのように今のbómiへと変わっていったのでしょう?

bómi:「いつまでも尾崎豊じゃいられない」みたいな感じが近いと思うんですけど、当時の叫びって、10〜20年って持続するものではなかったと思うんです。どこかで無理が生じるというか、嘘が生まれてきちゃうと思って。もちろん、そのときは自分の中に切実な思いがあったんだと思うんですけど、それを人前で歌っていくうちに、寂しさとかが消化されていったんですね。最終的には、「この寂しさみたいなものは歌にしなくても、みんなが持ってるものだ」って思ったんです。だったら、もっと楽しいことがしたいなって思ったのが、bómiを始めるきっかけですね。

―今振り返ると、当時はどうして「宝美」としての表現が必要だったんだと思いますか?

bómi:難しい質問ですね…ただそれを訴えたかったんじゃないですか? 自分は人間ってだけで全然何者でもないんですけど、「何者かだ」って自分を確かにしたい時期で、それが極端な形で出たのが以前の自分の音楽だったのかなって。

bómi
bómi

―アメリカ生まれの日本育ちで、ご両親が韓国の方という出自による、アイデンティティの揺らぎみたいなものがあったのでしょうか?

bómi:埋まらない寂しさみたいなものはあったんだと思うんですけど、今思うと何ってわけじゃないんですよね。幸せな家庭に育ったら幸せな人かっていうとそれも違うと思うし、別に誰でも同じだなって。だったら、悲しいことを「悲しい」って表現するよりも、それをどれだけプラスに転換できるか考えて…よりひねた方向に行ったというか(笑)。悲しいことを「悲しい」と言わずにどう表現するかって、表現の本質的な部分だと思うんですよね。

―でも、それまでの「宝美」を好きでいてくれる人もたくさんいたでしょうから、そこを大きく切り替えるっていうのはやっぱり不安や迷いもあったと思うんですけど。

bómi:ありましたね。「宝美」として2年間ぐらいライブ活動をしてて、そのときの音源をせめてライブに来てる人だけにでもあげたいと思ったんですけど、結局いろんな都合で出せなかったんです。でも、だったら前転びに、もし離れていく人がいたとしてもそれはそれで仕方ないって思うようにして。新しいことをやるんだったら、しっかりやり切った方がいいなって。

―どっちつかずになるよりは。

bómi:そうそう。それに、プロデューサーのwtfと出会って、曲を聴いたときに、直感的に「あ、いいかも」って思ったんです。だから、紹介されてすぐに「一緒にやりたい」って話になって。

―即決だったんですね。

bómi:結構ノリで決まったんです(笑)。でも、「(真顔で)やります!」とかいうんじゃなくて、「楽しいことやんない?」「あ、いいですよ」で始められた感じがいいなと思って。その気軽な感じは忘れないでいたい感覚です。

2/3ページ:どうしても主義・主張を追いがちだけど、もっとそういうのを取っ払って、ただ楽しいだけでいいんじゃないかって。

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