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人って、もともと曖昧なもの Curly Giraffeインタビュー

人って、もともと曖昧なもの Curly Giraffeインタビュー

インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:前田伊織
2012/03/06
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「生活に密着した音楽」。単なるキャッチコピーではなく、それを言葉そのままの意味として鳴らしているのが、Curly Giraffeというミュージシャンだ。

ギターやオルガンやドラムなど全ての楽器を演奏し、歌も含めた録音をすべて自宅スタジオで行う彼。ジャケットデザインも含め作詞以外のほぼ全てを1人で手掛けるDIYな制作スタイルから作り上げられた楽曲は、肩の力の抜けたナチュラルな心地よさに満ちている。ときに穏やかで、ときにソウルフルなそのサウンドは、聴き手の日常にぴったりとフィットする響きを持っている。

5枚目のアルバム『FLEHMEN』を、オリジナル作としては初のメジャーレーベルからリリースする彼。派手な宣伝にもわかりやすい共感にも頼らず徐々に支持の輪を広げてきたその音楽性は、どのようにして生み出されたものなのか? 独自の音楽哲学とライフスタイルについて、語ってもらった。

あえて色を全部塗りきらない。他人から見たら書きかけに見えるかもしれないけど、そこの気持ちよさは大事にしてますね。

―今回のアルバムはメジャーからのリリースとなるわけですけど、その経緯は?

Curly Giraffe(以下:C):単純にお話をいただいて、この機会にメジャーで出したいとシンプルに思って決めたというだけです。自分が難しいことをやってるとは決して思ってないし、むしろポピュラリティのあるものだと信じているので。僕としても、聴いてもらう間口を広げたいですからね。

―基本的にCurly Giraffeでは自分のために音楽を作っているということを、以前に聞いたことがあります。

C:そうです。

―ということは、売れるために作品性を変えるという発想はなかったわけですよね。

C:というより、もし自分にそういうものが作れるんだったらとっくに作ってると思うんですよね(笑)。僕はそういうタイプのアーティストではないから。自分が好きなものしか発信できない。今回も今までと作り方を変えてもいないし、自分が鳴らしたい音を作ってるというのは、インディーの時と全く同じです。

―アルバムは自宅スタジオで作られているんですよね。

C:全て自宅で作ってます。そういう制作方法も全く変わってないですよ。

―とすると、日々の暮らしの中で、曲作りと演奏とレコーディングは、どう位置づけられているんでしょうか? たとえばきちんとしたレコーディングスタジオで録音するのとは状況も、距離感も全く違うと思うんですが。

C:「さぁ、今から移動してレコーディングだ」みたいな、そういう意味での切り替えはないですね。制作自体が、もっと生活に密着しているというか。基本的に、あんまり時間はかけたくないタチなんです。昼に曲にとりかかったら、夕方にはオケができ上がっているくらいでいたい。今回の曲も、1日に1曲オケは作り終えるくらいの感覚で作ってました。

―それは手っ取り早いですね。

Curly Giraffe
Curly Giraffe

C:1人でやってますからね。ちゃんとしたスタジオに入っていろんな人と関わって作る方法もあると思うけれど、Curly Giraffeの場合は、頭の中に鳴ってるものと実際に鳴らすものの誤差を少なくしたいんですよ。自宅でやるという理由のひとつも、それなんです。外のスタジオに行くと、曲を思いついた時の気分が切り替わっちゃう。そうじゃなくて、思いついた時の純度100%のまま、音を録りたい。自宅と別の場所にスタジオを作る人もいるんですけど、僕の場合はそうしてしまうと、曲を思いついた時の気持ちが持続しない。記憶が無くなる前に音にしたいから、夕方くらいには全体が録れてるんですよ。

―そこから手直しをしたり、音を足したりはします?

C:あんまりしないですね。違う日に聞きなおしてやり直しても、最初のアイディアに勝てない。自分であざとく感じてしまう。そうすると、自分が聴きたい曲じゃなくなっていくんですよね。そこも含めて、あえて色を全部塗りきらない。他人から見たら書きかけに見えるかもしれないけど、そこの気持ちよさは大事にしてますね。

2/3ページ:見ようによってはウサギに見えるかもしれないけど、見ようによってはゴミに見えるかも知れない。その曖昧さが、僕の音楽にとっては意外と重要というか。

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リリース情報

Curly Giraffe『FLEHMEN』
Curly Giraffe
『FLEHMEN』

2012年3月7日発売
価格:3,045円(税込)
VICL-63852

1. VEDEM
2. Rose between two thorns
3. go now
4. Rootless wanderer
5. Enchanted road
6. Midnight explorers
7. Baron Nishi and Uranus
8. Necessary evil
9. Just barely
10. a week
11. seize and howl

プロフィール

Curly Giraffe

2005年10月にEP「Curly Giraffe e.p.」をリリース。翌2006年4月に1stアルバム「CURLY GIRAFFE」を発表し、ほぼノンプロモーションにもかかわらずロングヒットを記録。その後もコンスタントに作品をリリースし、高い評価を得る。作曲、演奏、録音、アートワークなどを一人で行うなど、その才能は多岐にわたる。2012年3月にSPEEDSTAR RECORDSよりアルバム「FLEHMEN」を発表。

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