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GWの京都で開催するアートフェア『ART KYOTO 2012』

GWの京都で開催するアートフェア『ART KYOTO 2012』

インタビュー・テキスト
佐々木鋼平
撮影:越間有紀子
2012/04/02
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「京都」という場所でアートフェアをやる意味

―では何故そこで京都なのか、というところなんですが。人口も経済の規模も、東京とは全く比べものにならないくらい小さい都市です。

石橋:東京は、僕が何かをするまでもなく、ここ何百年か日本の文化発信の中心になってきましたよね。ただどうしても、あらゆるメディアや物事が集中しているので、アートだけを際立たせる事がやりにくい。実際先輩方が何十年もそういう取り組みをされてきているはずだけども、なかなか東京の中でも現在、アートが際立っているかというと、僕はまだまだそうとはいえないと思うんですよ。国際的な活動をされているギャラリーや作家は沢山いますけど、でも国内にそれが浸透しているか? というと浸透しきっていないんですよね、残念ながら。

―アートという産業が本当に根付いていないという状況は、東京であっても特別変わらないですね。

石橋:京都という街は非常に小さい規模ですけど、何百年も日本の中心だったので、大抵のものは揃ってるんですよ。歴史や風土に支えられてきた、脈々とした日本のものづくりの文化があり、さらには世界的な観光都市で、国内外を問わず年間に数千万人規模の人々が訪れるので、人の動きも活発です。そして街中に溢れかえっている芸術や文化、歴史の記憶、そして自然が東京との大きな違いです。

国立京都国際会館 空からの全景
国立京都国際会館 空からの全景

―日本美術史に刻まれている、国宝、重要文化財のほとんどのものは、京都・奈良を中心とした西日本に残っていますね。

石橋:京都は芸術・文化という切り口で見ると、ありとあらゆるものが既にあるんですよ。街全体がひとつのテーマパークなんですよね。だから京都でアートフェアをやるということは、ディズニーランドが「今シーズンはこういうイベントをやりますよ」といっているようなものなんですね。これは京都の圧倒的な強みだと思うんです。僕が何も用意しなくても既にそこにあるんです。僕はそこの一部としてアートフェアをやらせて頂くわけです。

昨年の「アートフェア京都」開催風景・会場受付 ©「アートフェア京都」実行委員会 / ホテルモントレ京都 / 2011-2012 撮影:表恒匡・石橋圭吾\
昨年の「アートフェア京都」開催風景・会場受付 ©「アートフェア京都」実行委員会 / ホテルモントレ京都 / 2011-2012 撮影:表恒匡・石橋圭吾

―アートという産業を目立たせて、育てることの出来る可能性があるということですね。

石橋:そうです。さらに僕の考え方としては、その「京都」と言う狭いフィールドの中で試して、もしなにか形にすることが出来た物事は、今度は「日本」と言うフィールドでも通用させることが出来ると思うんですね。

―京都発祥の大企業って多いんですよね。

石橋:「任天堂」しかり「ワコール」しかり、「京セラ」もありますよね。もともとは京都発祥だから小さい工場だとか、色々な発端があるでしょうけど、必ずといっていい程、まずそこで苦労するんですよね。だけどそこで宣伝されて、叩かれて、を繰り返しながら確固たるものが出来た時に、京都は人口も少ないし、経済としても乏しいんだけれども、その環境で自然にブラッシュアップされて、それが日本全国にワッと一気に展開出来る力に繋がるわけなんですね。

中西夏之 NAKANISHI Natsuyuki 「日射の中で」 1987年 / h61.0 × w73.0cm(F20号)/ 油彩 (gallery 21yo-j 出展/ホテルモントレ会場)
中西夏之 NAKANISHI Natsuyuki 「日射の中で」 1987年 / h61.0 × w73.0cm(F20号)/ 油彩 (gallery 21yo-j 出展/ホテルモントレ会場)

―街の規模は小さくても、基本的に全てが揃っているから、そこで通用したものは、他の大きな都市や世界に通用することにも繋がっていくと。

石橋:そうです。だから僕自身もそういうことはもちろん考えています。京都だけの為にやっているわけじゃなくて、ゆくゆくは日本の為に。そしていつか日本発の新しいアートシーンが生まれたら、今度は世界の中で堂々とシェアを広げて行きたいという考え方です。その為の10年間。まあ10年間で全て達成出来る訳ではないんですけど、とても重要な準備期間だと思っています。

―そんな大きな計画の流れの中での、今回はまだ3年目の試みだということですね。

石橋:NHKの『平清盛』見てます? あれ見た方が良いですよ。もう燃えちゃってしょうがないんですよ(笑)。

―どの辺りにですか?

石橋:当時の東アジア文化の最先端は宋(中国)で、当然日本にもその文化は西からもたらされて来るんですよね。平氏の一族はそんな貿易を勝手にやり始めたりして力を付けていくんですけど、そんな中で新しいもの、面白いものが持ち込まれたりするんですよ。それを「何で世の中の多くの人に行き渡らせないんだ」っていうのが、清盛の発想の根本なんですよ。その辺にね、単純ですけど、もう「ああ…」と思う訳です。

―その面白いものが、石橋さんにとっての「アート」なんですね。

石橋:「面白いものがある。でもそれを多くの人が知らなかったら意味が無いじゃん」っていうのが、僕の発想の根本なんですよ(笑)。

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イベント情報

『ART KYOTO 2012』

2012年4月27日(金)、4月28日(土)、4月29日(日)
会場:京都府 国立京都国際会館(国際会議場) アネックスホール、ホテルモントレ京都
時間:27日(金)11:00〜19:00、28日(土)11:00〜20:00、29日(日)11:00〜18:00(ホテルモントレ京都は19:00まで)
料金:1,500円(両会場入場可能な3日間通し券)

関連企画
映像芸術祭『MOVING 2012』

2012年4月20日(金)〜5月13日(日)
会場:京都府 京都芸術センター、京都シネマ、METROなど京都市内約7会場
詳細はウェブサイトにて

『ANTEROOM PROJECT』

2012年4月27日(金)〜6月29日(金)
会場:京都府 東九条 HOTEL ANTEROOM KYOTO
時間:12:00〜19:00

ART KYOTO meets FUJII DAIMARU
『Grassland』

2012年4月20日(金)〜5月6日(日)
会場:京都府 四条寺町 藤井大丸 3-7階特設会場

京芸TransmitProgram#3
『Mètis-戦う美術-』

2012年4月7日(土)〜5月20日(日)
会場:京都府 堀川御池 京都市立芸術大学ギャラリー@KCUA1,2(4月18日からGalleryABCも展示)
出展予定作家:伊東宣明・中田有美、佐藤雅晴、高須健市、ヒョン・ギョン、Weast

ウルトラファクトリー

会場:京都府 北白川 京都造形芸術大学 ファクトリー
時間:10:00〜20:00
休館日:日、月曜、祝日、29日(日)は休館

国立京都国際会館関連トークイベント

椿昇(現代美術家)×名和晃平(彫刻家)×ヤノベケンジ(美術作家/ウルトラファクトリー・ディレクター)
2012年4月27日(金)13:00〜14:30
会場:京都府 国際会館内 Room103

島敦彦(国立国際美術館 学芸課長)×森裕一(MORI YU GALLERY 代表)
2012年4月27日(金)15:00〜16:30
会場:京都府 国際会館内 Room103

トークイベント
『日本及びアジアのコレクションの現状と未来』
2012年4月28日(土)11:00〜12:30
会場:京都府 国際会館内 Room 103
司会:石橋圭吾(neutron)
パネリスト:
山口裕美(現代アートのチアリーダー)
奥野冨久子(MUSUBI/アートコーディネーター)

おかけんた(お笑いタレント・アート愛好家)
2012年4月28日(土)13:00〜14:00
会場:京都府 国際会館 ブース&会場内

橋爪彩(アーティスト)×青山七恵(小説家)
2012年4月28日(土)13:00〜14:30
会場:京都府 国際会館内 Room103

宮津大輔(現代アートコレクター)
2012年4月28日(土)15:00〜16:30
会場:京都府 国際会館内Room103

尾崎眞人(京都市美術館学芸課長)
2012年4月29日(日)11:30〜13:00
会場:国際会館内 Room103

建畠哲(京都市立芸術大学学長)×小崎哲哉(REAL TOKYO発行人兼編集長/京都造形芸術大学客員教授)
2012年4月29日(日)14:00〜15:30
会場:京都府 国際会館内 Room103

プロフィール

石橋圭吾

1973年東京生まれ。同志社大学卒業。2001年7月ニュートロンをオープン。有限会社ニュートロン代表取締役。京都アートフェア実行委員会代表。アート京都実行委員。

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