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鏡よ鏡、滑稽なのはだあれ? 吉澤嘉代子インタビュー

鏡よ鏡、滑稽なのはだあれ? 吉澤嘉代子インタビュー

インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:田中一人
2013/05/31
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恋愛の曲を書くのって苦手なんですけど、でもせっかく女の人に生まれたから、自分なりの女の子の世界を100%で書いてみたいなって。

―学生時代の感覚を共有できないっていうのは、確かにある意味では弱みなのかもしれないけど、でも、誰もが抱えてる疎外感みたいなものは共有できるし、むしろそういう心の奥底でつながれるっていうのは、強みだって言えるかもしれないですよね。

吉澤:うーん、でも学校に行けなかったとか、人とコミュニケーションが上手くできなかったっていうのを、話していいのかっていうのはちょっと迷っていて。私のやりたい音楽は、自分の身を削って売っていくようなものというより、何か物語に投影できるようにしたいっていう気持ちがあるんです。「私を見てください」っていうような音楽をやろうとは思っていないので、「感傷的な幼少期」みたいにはしたくないんです。「暗い過去」みたいな感じにするのはすごくダサいなって思うから……。もちろんそういうやり方もあると思うんですけど、自分としては、もうそういう年でもないですし。

―自分の過去はちゃんと消化した上で、ワクワクするような妄想の世界や、ドキドキするような恋愛を描く、つまりポップスとして機能するものを作りたい?

吉澤:うん、そうですね。聴いてくれる人が入れる隙間を作っておきたいというか。恋愛の曲を書くのって苦手なんですけど、でもせっかく女の人に生まれたから、自分なりの女の子の世界を100%で書いてみたいなって気持ちがあります。それにすごく小さな世界を描きたいと思っているので、恋愛の曲、ラブソングっていうのはハマりやすいのかなって。

―歌いまわしもすごく可愛らしいけど、意図的にああいう歌い方をしてるんですか? それとも、自然にああいう風になる?

吉澤:自転車に乗りながら歌ったりしているうちに、自然にできたりします。“化粧落とし”の<きれいつるりんと>とかはちょっとふざけてたり、“恥ずかしい”の最後の叫びや、“らりるれりん”の「シー」も、「怒られるかな?」と思ってやってみたら、「オッケー出た」みたいな感じで。みんな最初笑ってくれるから、それも嬉しくて。“未成年の主張”も、どんどんそういう感じになっていきました。

―レトロな言葉遣いは、小説とかの影響が強いんですか?

吉澤:レトロっていうのはあんまり意識していなくて普通に書いていたんですけど、そういう風に言われることは多いですね。ただ、なるべく最近の「携帯」とか「メール」とか……「ポケベル」とか?

―それはちょっとレトロ(笑)。

吉澤:そっか(笑)。とにかく、そういう言葉は入れたくないと思って、「ベル」にしたり。

―“らりるれりん”に出てくる「電話のベル」って、完全に黒電話のイメージしか浮かばない(笑)。でも、特別昭和の世界観が好きとかっていうわけじゃないんですね?

吉澤:昭和の音楽はすごく好きですけど、だからと言ってものすごく昭和に憧れてるわけではないです。ただ、字面も響きもきれいなものを選びたいと思っていて、単語にはこだわってますね。あと、いつもタイトルから曲を作るんですけど、「こういうタイトルの曲を歌いたい」と思うところからストーリーを考えて、歌詞を書いて、メロディーを乗せてっていうパターンが一番多いです。

吉澤嘉代子

―“未成年の主張”だったら、まずこのタイトルが浮かんで、「じゃあ、何を主張するのか?」って考えるわけですね。

吉澤:そうです。最初は「頑張りたくない」みたいな曲を作ろうと思って(笑)、普段言えないことを言おうと思って作ってたんですけど、途中まで書いて、「ラブソングにしたらみんな喜ぶかな?」って思って、こうなりました(笑)。

―「みんなに喜んでもらいたい」っていう気持ちが強いんですね。

吉澤:はい、生産性のあるものを作りたいので(笑)。

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イベント情報

『インディーズ1st mini Album「魔女図鑑」リリースパーティー〜吉澤嘉代子、ただいま魔女修行中。〜』

2013年6月5日(水)OPEN 18:30 / START 19:00
会場:東京都 Shibuya duo MUSIC EXCHANGE
出演:
吉澤嘉代子
黒沼英之
関取花
野上智子
料金:前売2,500円(ドリンク別)

リリース情報

吉澤嘉代子<br>
『魔女図鑑』(CD)
吉澤嘉代子
『魔女図鑑』(CD)

2013年6月5日発売
価格:1,500円(税込)
YMPCD-6

1. 未成年の主張
2. 化粧落とし
3. 恥ずかしい
4. らりるれりん
5. 泣き虫ジュゴン
6. ぶらんこ乗り

プロフィール

吉澤嘉代子

1990年埼玉県川口市生まれ。鋳物工場街育ち。父の影響で井上陽水を聴いて育ち、16歳から作詞作曲を始める。2010年11月、ヤマハ主催のコンテスト“The 4th Music Revolution”JAPAN FINALに出場し、グランプリとオーディエンス賞をダブル受賞。2013年6月5日、インディーズ 1st mini Album「魔女図鑑」発売。

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