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若い時は嫉妬しよう。石崎ひゅーいと松居大悟の「孤独」のススメ

若い時は嫉妬しよう。石崎ひゅーいと松居大悟の「孤独」のススメ

『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』
インタビュー・テキスト
柴那典
撮影:鈴木渉 編集:野村由芽、宮原朋之

孤独なんだけど、それでいいと思っています。だから、人との「出会い」を大事にできる。(松居)

―石崎ひゅーいさんは、自分の音楽が生まれる原動力はどういうものが一番大きいと思いますか?

石崎:そうだなあ……人との出会いですかね。

松居:それって、孤独を受け入れているからじゃない?

石崎:あ、そうかもしれない。

―孤独を受け入れている?

松居:僕もそうなんですよ。孤独だからこそ出会いが大事というか、出会った人によって影響を受けて作風が変わることを良しとする。自分の表現に、いい意味でこだわらない。蒼井優もそうなんだと思います。

石崎:そういうところはありますね。

―石崎ひゅーいさんも、蒼井優さんに自分と通じるところを感じていますか?

石崎:勝手にそう思ってます。自分がやっていることについて「これは素晴らしいんだ!」みたいな表現の仕方をしないところというか。どこか孤独な感じ、寂しい感じをずっと背負っているような。たまにそう思うことがあるという話を、撮影中に二人でしていましたね。

石崎ひゅーい

―今回『花瓶に花』は『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2016』のミュージックビデオ部門で優秀賞を受賞しました。まず、応募はどういうきっかけだったんでしょうか。

松居:年末に話をもらって、1~2月に作ってたんですけれど、絶対に『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』にハマるなと思っていたんです。ひゅーいに興味がある人が初回盤のDVDを買って見るのも大事だけど、興味がない人にも見てもらえたらすごく意味があると思いました。

―応募すると聞いて石崎ひゅーいさんはどう思いました?

石崎:「いけいけ!」って感じでした(笑)。そうしたら、受賞して「よっしゃ! すげえな」って思いました。

左から:石崎ひゅーい、松居大悟

―6月の映画祭では上映後に石崎ひゅーいさんのライブもありましたね。

石崎:みんな、泣いていたんですよ。ものすごく嗚咽してる人もいた。

松居:受賞作品の発表の時、「ダイゴ・マツイ!」って自分の名前を読み上げられた時の感じは新鮮でしたね(笑)。

『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』上映会場にて。上映後には石崎ひゅーいによる生演奏も実施された
『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』上映会場にて。上映後には石崎ひゅーいによる生演奏も実施された

ミュージックビデオ部門の優秀賞が発表された『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』クロージングセレモニー
ミュージックビデオ部門の優秀賞が発表された『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』クロージングセレモニー

自分の正義みたいなものを表現する。それが自分の原動力になったりする。(石崎)

―『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』をはじめ映画祭には、作家の登竜門的な意味合いがありますよね。松居さんは、国内でもすでに何本も映画やPVを撮られているわけですが、改めて映画祭に応募するのには、どういった理由があるのでしょう?

松居:次に繋がるというのが一番大きいです。参加すると、作品に対する客観的な評価が飛び交うし、海外の人から感想をもらったりする。そうすると、自分の作品を客観視できるし、そこで悔しい思いをすれば、次へのモチベーションにつながるというのはありますね。

左から:石崎ひゅーい、松居大悟

―映画祭への応募が次の制作のモチベーションになっていくんですね。最後に今までのご自身を振り返って、映像や音楽を志す10代、20代の若い世代の人たちへ向けて、表現を続けていくためのアドバイスをお願いします。

松居:映像は一人では作れないので、映像を作りたいと思ったら、自分にとって大事な人とか、好きな表現とか、好きな人を増やしたらいいと思います。そこと関わっていくことで、どんどん広がっていく。「孤独な仲間」を見つけるのが大事だと思う。

―石崎ひゅーいさんはどうですか?

石崎:19才とか20才くらいの頃は、なりたいものを決めすぎず、適当に思うがままにやってた方がいいように思うんです。その勢いを続けたからこそ、気づけることもある。

石崎ひゅーい

松居:確かに。まずは自分が思うようにやってみて、仲間を見つけるのは、20代後半からでいいかもしれないね。

石崎:若い頃って、否定するパワーが強いと思うんです。たとえば、僕の曲を聴いて「だせえ、ムカつく!」って思って、そこから自分の正義みたいなものを表現する。それが自分の原動力になる人もいていいと思う。僕はあんまりそういうことをしなかったので、憧れがあるのかもしれない。

―「仲間を見つけるのは20代後半からでいい」という話がありましたけど、それは孤独に耐えて、自分を深める時期があったほうがいいとも言えそうですよね。

松居:僕は20代前半くらいに、すごくあがいてたんです。何者かになりたいと思って、追われるように全部の仕事を受けて、企画書をいろんなところに持ち込んだりしていました。20代中盤で、もうしんどい、こんなことするためのもの作りなら続けられない、だったら好きな人と好きなことをやろうと思った。

そうやって、共感する人の作品に関わるようになってから、すごく楽しくなってきたんです。そういう人たちって、みんな苦しい時期があって、それを乗り越えているから、一緒にいてもわかりあえる。孤独や苦しみを乗り越えたからこういう時間が過ごせるのかなって思います。

松居大悟

―だからこそ「孤独な仲間」を見つけることができたんですね。

松居:そうですね。映画『アズミ・ハルコは行方不明』の時も、最初はもっと正統派の映画を作るつもりでいたんです。でも、クランクイン前にいろいろあって、熱い奴らだけ残った。だったら尖るしかないな、と思っていろいろな表現方法に挑戦したんです。

石崎:松居くんは、人が好きでも作品が好きじゃなかったらどうするの?

松居:人が好きだったら、その人の作った作品も好きになれる。でも逆はないですね。作品は好きでも、「こいつは嫌い」ってなったら一緒にやらないです。

石崎:じゃあ、誰が嫌い?

松居:それを語ろうと思ったら飲みながら朝までかかるよ!(笑)

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公募情報

『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア2017』

ミュージックビデオ部門
国内外のアーティストによるオフィシャルミュージックビデオを紹介する部門

ミュージックショート部門
エントリー楽曲を使用して、クリエイターが自由にオリジナルのショートフィルムを制作する部門

応募締切:2017年3月15日(水)
賞金:30万円

『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』
『ショートショート フィルムフェスティバル & アジア』

俳優の別所哲也が代表をつとめる米国アカデミー賞公認の国際短編映画祭。1999年に東京・原宿で誕生し、2017年6月で19回目の開催を迎える。これまでに延べ34万人を動員。オフィシャルコンペティションをはじめ、「音楽」「環境」「CGアニメーション」など、様々なカテゴリーのプログラムで構成されており、グランプリ作品は、次年度のアカデミー賞短編部門のノミネート選考対象になる。

作品情報

『アズミ・ハルコは行方不明』

2016年12月3日(土)から新宿武蔵野館ほか全国で公開
監督:松居大悟
原作:山内マリコ『アズミ・ハルコは行方不明』(幻冬舎文庫)
主題歌:チャットモンチー“消えない星”
出演:
蒼井優
高畑充希
太賀
葉山奨之
石崎ひゅーい
菊池亜希子
山田真歩
落合モトキ
芹那
花影香音
柳憂怜
国広富之
加瀬亮
配給:ファントム・フィルム

プロフィール

松居大悟(まつい だいご)

1985年生まれ、福岡県出身。劇団ゴジゲン主宰。09年、NHK『ふたつのスピカ』で同局最年少のドラマ脚本家デビュー。12年2月、『アフロ田中』で長編映画初監督。以降、『自分の事ばかりで情けなくなるよ』『スイートプールサイド』など枠にとらわれない作品を発表し、『ワンダフルワールドエンド』は第65回ベルリン国際映画祭正式出品。『私たちのハァハァ』は『ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2015』2冠受賞。原作を手掛けた漫画『恋と罰』が連載中。

石崎ひゅーい(いしざき ひゅーい)

本名。母親がDavid Bowieのファンで、その息子がZowie(ゾーイ)という名前だったことから、もじって、Huwie(ひゅーい)と名付けた。2012年7月25日にミニアルバム「第三惑星交響曲」でデビュー。感情のままに歌うまっすぐな声と全てのエネルギーを爆発させるライブパフォーマンス。ソロアーティストとしてのスケールを無視する規格外なシンガーソングライター、石崎ひゅーいが出現した。松居大悟監督・蒼井優主演「アズミハルコは行方不明」にてスクリーンデビュー。

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RYOHEI KUBOTA “RISING”

ぼくのりりっくのぼうよみ、小山薫堂らからも注目される19歳のハンドパン奏者・久保田リョウヘイの“RISING”のPV。自然に溶け込むような佇まいから生み出される、まるみのある幽玄的なサウンドと情熱的なビートに身をもたげたくなる。演奏はYouTubeを見て独学で学んだらしい。圧巻です。(飯嶋)