「狼煙を上げろ!」北海道在住・THE BOYS&GIRLSが見せたメジャーデビュー直前の覚悟

メジャーデビュー直前、北海道のバンドが下北沢で狼煙を上げた

都内の桜がいよいよ見頃を迎えようとしていた頃、THE BOYS&GIRLS(以下、ボイガル)の四人は下北沢にいた。結成からここまでの4年間、地元の北海道を中心にライブを重ねてきた彼らはこの日、東京で初の自主企画イベントを開催する。企画名はずばり、『ノロシヲアゲロ3』。

名前にも表れているように、彼らがこのイベントを主催するのは、これが3度目のことだ。第1回目は2012年4月に札幌モールにて、第2回目は2012年8月に札幌コロニーで開催されている。その2度の開催において、彼らと同じく札幌で活動するバンドが数多く招聘されていたことを振り返ると、THE BOYS&GIRLSがこのイベントを通して、札幌シーンの一翼を担ってきたことがうかがえる。ただ、この日、下北沢BASEMENT BARにて開催される東京編に関しては、やはり過去2回の自主企画とは意味合いが違う。つい先日メジャーデビューを発表したばかりのボイガルにとって、いわば『ノロシヲアゲロ3』は全国区のロックバンドとして名乗りを上げるための第一歩となる。その言葉通り、彼らは下北沢から狼煙を上げようとしているのだ。

ボイガルを食わんばかりのゲストバンドの熱演

その記念すべき東京初開催の『ノロシヲアゲロ』に、ボイガルは2組のゲストバンドを招いた。まず一番手として登場したのは、昨年に活動拠点を仙台から東京へ移し、新体制で動き出したばかりの雨先案内人。虹柄のド派手な格好をした雨ノ地晴太郎の歌声が、底抜けな明るさを感じさせるバンドで、1曲目を歌い終えた時点ですでに声を枯らしてしまうような熱さがとても清々しい。続いて登場した最終少女ひかさは、ボイガルと同じく札幌発のロックバンド。この5人組も全国進出に向けて今まさに狼煙を上げようとしているところで、クセのあるバンド名とは裏腹のささくれ立ったガレージサウンドがじつに痛快だ。主役を食わんばかりの熱演を見せつけた両バンドに、開演した時点ですでに満員状態のフロアも大きな喝采で応えていた。

雨先案内人 撮影:YURI
雨先案内人 撮影:YURI

最終少女ひかさ 撮影:YURI
最終少女ひかさ 撮影:YURI

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パンツ一丁のドラムと、噛みつかんばかりの姿勢で届ける情熱的な歌

盟友2組の演奏が終わり、いよいよボイガルが登場。ボクサーパンツ一丁で登場したカネコトモヤにこちらの目が奪われているうちに、四人はすぐさま演奏をスタート。ボーカルのワタナベシンゴが宣言した、「今日は涙なし。楽しい曲しかやらないから!」という言葉通り、“ハローグッバイサンキュー”“せーので歌うバラード”“ライク・ア・ローリング・ソング”と、パワフルな楽曲が立て続けに披露されていく。金髪を振り乱しながらも堅実なベースラインでアンサンブルを支えるソトムラカイト。ガツガツとコードを掻き鳴らす直情的なギタープレイが印象的なケントボーイズ。ステージ上の誰よりも表情豊かにドラムを叩く姿がやはり目を引くカネコ。そして聴衆に噛みつかんばかりの前のめりな姿勢で、ひたすら情熱的に声を放ち続けるワタナベ。カネコとワタナベのちょっとした掛け合いで笑いが起こる場面もありつつ、演奏が弛緩する瞬間は一切なし。アンコールも含めて11曲。まさに疾風怒濤の50分間だった。

THE BOYS&GIRLS 撮影:YURI

THE BOYS&GIRLS 撮影:YURI
THE BOYS&GIRLS 撮影:YURI

しかし、これで終わりかと思いきや、ステージ上のワタナベからこんなことが告げられた。「今からここで、さっき演奏した“パレードは続く”のミュージックビデオをみんなで見たいと思います!」。そして、札幌の街で撮影されたMVが、会場内の壁面に大きく映し出された。この時点でMVはまだ一般公開される前(現在は公開中)。これもまた、このバンドにとってはひとつの節目である『ノロシヲアゲロ3』に集まった面々で、もうひとつ大切な瞬間を共有しようという、彼らなりの計らいだったのだろう。そして、7月にはこの日と同じ会場で、今度はワンマン公演を行うことを発表。3月28日の下北沢BASEMENT BAR。たしかにここで狼煙は上がった。


THE BOYS&GIRLS 撮影:YURI
撮影:YURI

イベント情報
『THE BOYS&GIRLS企画「ノロシヲアゲロ3」~東京編~』

2015年3月28日(土)
会場:東京都 下北沢 BASEMENT BAR

リリース情報
THE BOYS&GIRLS
『バックグラウンドミュージック』通常盤(CD)

2015年4月22日(水)発売
価格:2,916円(税込)
VICL-64189

1. せーので歌うバラード
2. すべてはここから
3. 歩く日々ソング
4. 錆びないダイヤ
5. 二子玉川ゴーイングアンダーグラウンド
6. メル
7. 今日のうた
8. 24
9. ライク・ア・ローリング・ソング
10. あすなろたち
11. パレードは続く

THE BOYS&GIRLS
『バックグラウンドミュージック』完全生産限定盤(CD)

2015年4月22日(水)から北海道限定発売
価格:2,916円(税込)
NCS-10094

1. せーので歌うバラード
2. すべてはここから
3. 歩く日々ソング
4. 錆びないダイヤ
5. 二子玉川ゴーイングアンダーグラウンド
6. メル
7. 今日のうた
8. 24
9. ライク・ア・ローリング・ソング
10. あすなろたち
11. パレードは続く
12. BGM

リリース情報
『THE BOYS&GIRLS ワンマン『少年少女のBGM』』

2015年6月26日(金)OPEN 19:00 / START 19:30
会場:北海道 札幌 COLONY

2015年7月5日(日)OPEN 18:00 / START 18:30
会場:東京都 下北沢 BASEMENT BAR

プロフィール
THE BOYS&GIRLS
THE BOYS&GIRLS (ざ ぼーいず あんど がーるず)

2011年3月結成。北海道出身・札幌在住、ワタナベシンゴ(歌)、ケントボーイズ(ギター)、ソトムラカイト(ベース)、カネコトモヤ(ドラムス)による、4人組のロックバンド。彼らがその日々の暮らしの中で紡ぎだしたリアルな言葉たちとわかりやすいメロディーラインは、いったいどこまで歩いていくのだろう。4人の熱い熱いライブパフォーマンスはとにかく必見。そのほとばしる汗と、シャウトと、笑顔が、きっといつかの自分たちを、あの瞬間を、何度だって思い出させてくれる。だれもみな、少年少女なんだ。



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