「演劇が面白い」と言ったところで、世間一般で流行っているわけではありません。でも、その理由は「ツマラナイ」からではないんです。
このページで紹介する劇団「快快」(ファイファイと読む)は、そんな演劇界の“ポップ化”に一役買ってくれるであろう期待のホープ。彼らの舞台には、なんといっても「驚き」があるんです。突然ダンスが始まったり、映像と音楽が組み合わさってきたり、公演の後に食べ物を出してくれたり…。他のグループがやっていないことをしてお客さんを楽しませたい! そんな「おもてなし」の精神が、きっと人一倍、いや十倍も強いんだろう。そんな快快から、とびぬけた発想が光る仕掛け人・篠田(千明)さんと、かなりの戦略家!? ストーリーを作る北川(陽子)さん、そしてキュートな演技が魅力の大道寺(梨乃)さんにお話を伺った。きっとまだまだこれからだ。劇場は楽しくなる。
(取材・文:小林宏彰)快快プロフィール
2008年4月1日東京で結成。10人組の演劇制作チーム。同メンバーで2004年12月〜2008年3月末日まで、小指値(コユビチ・koyubichi)として活動する。演劇のみならず、ダンス、映像、パーティ、イベント等、ジャンルを問わず精力的に活動していたが、新たなムーブメントを求めて改名に至る。「ポップ化する演劇」をテーマに、常に新しい表現を模索。2009年、代表作「MY NAME IS I LOVE YOU」で海外公演を予定している。http://faifai.tv/
―快快の公演はどれも面白くて、観に来た人はきっと楽しんで帰ってくれると思います。普段は舞台演劇などを観に来ないようなお客さんも増えているんでしょうか?

篠田千明(演出)
篠田:増えてるとは思うけど、やっぱり難しい部分はあるんだよね。まず演劇って、絶対に劇場まで来なきゃいけない。どこかから劇場まで移動してきて、チケット代を払ってやっと客席にたどり着く。それだけのことをするには、お客さんがやる側に期待とか信頼をしてないと難しいから。
―信頼関係を築くにも、一度は劇場まで来てもらわないと難しいですもんね。
篠田:そうそう。音楽も同じだと思うけど、CDは聴いてもライブまでは行かない人って多いでしょ? ライブという現場にまで足を運ぶ人はそのアーティストのことが相当好きなんじゃないかな。
―音楽の場合、音源を聴くことで最初の信頼関係を築くことができるので、舞台芸術より有利かもしれません。
篠田:だから舞台をやってる人も、音楽でいうところのCDの役割として、映像をどんどん出していこうとしてて。それをきっかけに観に来てくれる人がいるかもしれないからね。快快も今年は映像に力をいれようと思ってるんだ。

―快快は「演劇のポップ化を目指す」と発言していますよね。
北川:どんな作品を作ったら、普段芝居を観にこない人にも届くのか、そういうことは常に考えてますよ。雑誌「小悪魔ageha」が売れに売れているけど、ああいう要素を取り込めたら更に面白い客層が見に来るようになるかもしれない、とか。
―快快の前身「小指値」のころから、演劇外の客層に向かっていく姿勢は強かったんでしょうか?
北川:うん、それは昔からずっとあると思う。劇場は舞台と客席に分かれているけど、必ずしもそういう区別の仕方をする必要はないと思うんですよね。たとえば歌舞伎もプロレスも地下アイドルのイベントですら、役者の動きにお客さんが反応して一緒に楽しんでるじゃないですか。そういうのはすごくイイなと思っているから、私たちも舞台と客席の隔たりをなくしてフラットにしたいと思ってます。
―そもそもの話ですが、初めて舞台芸術を観に行こうと思ったきっかけはなんだったんですか?
篠田:高校時代にパパ・タラフマラ(1982年から活動を続ける日本のパフォーミングアーツカンパニー)を観に行ったのが最初だったかな。それはパパ・タラフマラに知り合いがいたからだったんだけど。大学時代は友達に誘われて毛皮族(2000年から活動している劇団)を観に行って。
―それが面白くて舞台の世界に引き込まれた?

大道寺梨乃(アクトレス)
篠田:いや、そういうことじゃないと思うんだよね。
北川:うん、そういうことじゃない。未だに演劇に引き込まれるってことがないんだよね。
―あれ?(笑) それじゃあ、舞台芸術をやり続けている原動力はなんでしょう?
北川:なにも演劇じゃなくても(笑)。
篠田:う〜ん。舞台をやってる理由って、1人で完結できないからだと思うな。私は今でも映像作品を作ったりするんだけど、映像は1人で完結できちゃう。映像を撮って、編集して、音楽をつけるのも1人できるし、それを誰かに見せたいとも思わないし。だけど舞台は、誰かに観てもらわないと完結しないでしょ。
北川:そうだね。だから観てる人の反応もすごく重要になるし。私は舞台を観て、自分の思考を広げてもらえるものとか、見終わっても自分の中に残ってるものが面白いと思うんだけど、なぜかそういう作品が一般の人に受け入れてもらえなかったりもする(笑)。











