恩地孝四郎は、日本における抽象美術の先駆者であり、創作版画の大成者として知られるアーティスト。1914年に20代前半の美術学生だった田中恭吉、藤森静雄と共に雑誌『月映』を創刊、1955年に逝去するまでに油彩、水彩、素描、写真、装丁、詩など様々な領域で作品を発表した。
『恩地孝四郎展』は、日本では約20年ぶりとなる恩地の回顧展。大英博物館、シカゴ美術館、ボストン美術館、ホノルル美術館が所蔵する62点の作品や初期の代表作である『抒情』シリーズを含む計約400点の作品から恩地の生涯を紐解いていく。
展示作品は、木版画と詩の同人誌『月映』に始まる初期から、油彩画やペン画を経て木版に回帰した中期、外国人たちの評価を背景に抽象版画を探究した晩年の3部構成で紹介。