「フォントの良し悪しって、どうやって判断したらいいんだろう? 書体の制作背景や作り手の意図がわかったら、フォント選びがもっと楽しく豊かな時間になるかもしれない」そんな思いのもと、読者とともに約20人の書体デザイナーを訪ねて話を聞いた『デザインのひきだし』誌の好評連載「もじ部 ~フォントの目利きになる!」約5年分の記事を1冊にまとめたのが、書籍『もじ部 書体デザイナーに聞くデザインの背景・フォント選びと使い方のコツ』です。
今回は、その刊行を記念して、「もじ部 特別編」を開催。ゲストは、記念すべき第1回「もじ部長」を務めてくださった書体デザイナーの鳥海修さん、巻末小冊子「もじモジ座談会」で鋭くもあたたかい切り込みを見せてくださった書体史研究者/書体デザイナーの小宮山博史さん、そして、こだわりの書体づかいで書籍『もじ部』ブックデザインを手がけたデザイナーの川名潤さん。
第1回もじ部長の鳥海修さんに最近の書体制作についてお聞きするほか、書籍『もじ部』新規書き下ろし記事の取材で数十年ぶりに発掘された、駅の案内表示板などでよく見かけるかわいい丸ゴシック体「機械彫刻用標準書体」の原図(実物)を大公開。ゲストの皆さんと一緒に原図を見ながら、その書体デザインや原図制作についてあれこれトークします。ゲストの小宮山博史さんが主宰している佐藤タイポグラフィ研究所は、機械彫刻用標準書体の原図制作を請け負っていた故・佐藤敬之輔氏が創立した研究所。書体開発当時は小宮山さんの入所前だったと言いますが、原図を見ながら新しい推理が飛び出すかもしれません。原図が見られる、またとない機会です。(青山ブックセンターウェブサイトより)