2013年にPATinKyoto京都版画トリエンナーレが京都市美術館で開催、好評のうちに幕を閉じてから3年、あらたな推薦者によって選ばれた作家20名と、陣容を改め場所も階上に移し第二回PATinKyoto京都版画トリエンナーレ2016が開かれます。(以下「PATinKyoto」)
この展覧会は、一般公募方式のコンクールとは異なり、鋭い批評眼と豊富な情報を持った複数のコミッショナーが一名一作家を推薦、今、もっとも注目される若手から中堅の作家を紹介します。それぞれの作家には、インスタレーションや大作、シリーズ作品を展開できるほどのスペースが与えられ、版画展としては従来にないような展覧会を目指しています。また、現在では作家達の中にある種の棲み分けとも言える状況があるのかもしれませんが、推薦という方法をとることで、自らコンペティションに出品しない作家を探し出すこともできるのではないでしょうか。
選ばれた20名の作家達の作品は、ヨーロッパの伝統を受け継ぐ銅版画から、写真や映像インスタレーションまで幅広く、この豊富なバリエーションは「版画」という表現ならではのものだと思っています。
PATinKyotoをご覧になればおのずとお判りいただける筈ですが、私達は決して伝統的な版画表現への「反旗」を掲げているわけではなく、創作版画にも充分の賞賛を忘れず、そこだけに捕らわれない自由さを大事にしたいと思っています。
2016年3月、進化を続ける版画表現の「今」を一望できる現代美術、そして日本の伝統を受け継ぐ版画が、京都から世界に向けて改めて発信されることになるはずです。(プレスリリースより)