日本に限らず人々は古来から鋳物技術を使って、金属を生活の中に取り入れてきました。大きな物では神社仏閣などの建造物から、食器や文具、ジュエリーなどの小さなものまで、鋳物はいつも生活の中に溶け込み彩りを与えています。
富山県高岡市の「高岡銅器」は高岡開町より400年の間、伝承と技術革新によって歴史を積み重ね、現在ではその高い製品精度により全国的にも広く知られた鋳物の産地になっています。さらに歴史を積み重ね発展する為には、常に新鮮な息吹を取り込み人々の生活に則した意義あるものでなくてはならないと考えております。
この展覧会は「ALLOY & PEACE」(合金と平和)というタイトルのもとに、鋳物技術がこれから人々とどう関係していくべきか?金属彫刻の先にあるものは何か?をテーマに、従来イメージされている「鋳物」表現の領域を開拓し、金属造形の新しい価値観を発見、考察する試みとして企画されました。
出品にあたり世界で活躍するジャンルを超えたトップクリエイター6人にご協力いただき、彼らの感性で作られた美しくも先進的な鋳物彫刻を展示いたします。参加アーティストの従来と異なる表現を見ることのできる貴重な展示会でもあります。様々なアプローチの立体作品を中心にドローイングや絵画作品などを織り交ぜた本展は、コアなアートファンはもとよりご家族連れや今まで関心の薄かった方にも楽しめる内容になっております。(spiral ウェブサイトより)