ポレポレ東中野で3月11日からロードショーされるドキュメンタリー映画『新地町の漁師たち』。3月3日にプレイベントとして、詩人・和合亮一さんと、映画の音楽を担当した3日満月による、朗読と音楽のセッションを開催します。
『新地町の漁師たち』の山田監督は、東日本大震災時、東京の映画製作会社で働く27歳でした。この出来事を自分の言葉で語れるようにならないといけないと思いながらも、自分と災害の地との関係性が見出せず、現地に行く決心がなかなかつきませんでした。
そんなとき、山田監督は被災地の詩の礫を投げかける詩人・和合亮一さんの存在を知ります。和合さんの詩によって被災地の出来事が自分事に思えるようになった山田監督は、詩の中で描かれた新地町へと向かいました。『新地町の漁師たち』は、山田監督が記録者としての当事者性をもって漁師たちと関わることができるようになった3年半の記録でもあります。
震災から6年が経とうする今、私たちの足元はどこに根ざしているでしょうか。震災時の山田監督のように、自分と被災地との関係性がいまだ見出せない方も多いかもしれません。その関係性を、距離を、あらためて見つめ直すひとつのきっかけに『新地町の漁師たち』はなると思います。
そして、今回のプレイベントでは、山田監督と新地町を繋げた詩人・和合亮一さんの詩の朗読と、映画の音楽を担当した3日満月の音楽によるセッションを行います。被災地を生きる人々の物語を詩によって私たちに伝えてくれる和合亮一さん。現実の記録としての映像に音楽をつけることで現地と私たちを繋ぐ架け橋となる3日満月。3月3日、ひとつの空間で、朗読と音楽による震えを体験することで、私たちの足元は繋がっていることを実感することができたら。
“一本の中に時の全てが詰まっている。映画の光と闇の中で、無数のさざなみの音に耳を傾けてほしい。
震災があったから願うのではないのだ。
私たちはみな、いつも波と共に生きているのだ。”
(和合亮一)
セッション終了後には交流会も予定しています。ぜひ足をお運びください。(ignition galleryウェブサイトより)
和合亮一×3日満月
『新地町の漁師たち』
2017年3月3日(金)
会場:東京都 東中野 ポレポレ坐
出演:
和合亮一
3日満月
山田徹
古川麦
料金:2,000円(ドリンク別)