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  • 2017年9月8日(金)〜2017年9月12日(火)

小田尚稔の演劇『悪について』

今回は、「悪(evil)」について自分なりに考えてみたいと思っています。アウグスティヌス(Aurelius Augustinus:354-430)は、その活動の初期に著したとされる『自由意志(De libero arbitrio)』において「悪」について次のように書いています。

「われわれはまた、悪をなすことはいかなることかの問いに続いて、どこから悪をなすかを問うことに決めましたが、これも同時に解決され明瞭になったと思います。私に間違いがなければ、これまでの論証が示すとおり、われわれは意志の自由な決定によって悪をなすのです。」アウグスティヌス『アウグスティヌス著作集 第三巻』(泉治典・原正幸訳、教文館、1989年、68頁。)

ちなみに、上記の作品はアウグスティヌスと、彼の友人であるエヴォディウスによる対話篇(ダイアローグ)のかたちで構成された著作で、私自身、学生のときに講読の授業でそれの一部を読んだことがあり、なんとなく引っ掛かるものを感じ、今回の作品の題材に取り入れてみたいな、と思ったのが作品をつくる動機となっています。

私自身、これまで上演台本を書いたり、作品を上演するなかで「よいとは何か」という問いに重きを置いて活動してきたように思います。ですので、今回は上記の問いの角度を変えて、「悪」について考えることで、逆接的に「善(good)」について考えることが出来ればと思っています。

十代後半の一時期、熱狂的に貪り読んだ馳星周氏や花村萬月氏のノワール小説のように、あるいは敬愛する古谷実氏の『ヒミズ』の単行本の帯に書かれた「笑いの時代は終わりました…。これより、不道徳の時間を始めます」の言明のように、人間が本質的に持っている「悪」の側面について描くことが出来たらと思っています(ちょっと自分があそこまで徹底出来る自信無いんですが。)

最後に、今回これらのことを考えるにあたって依拠させて頂いた中島義道氏の著作『悪について』から引用をさせて頂きます。「われわれは、たえず『善くあろう』と欲しながら、行為のたびごとにそれに挫折し、自分のうちにはびこる悪に両肩を落とし、自分自身に有罪宣告を下し、そして『なぜだ?』と問いつづけるほかはない。なぜなら、このことを全身で受け止めて悩み苦しむこと、それがとりもなおせず『善く生きること』なのであるから。」中島義道『悪について』(岩波書店、2005年、vi頁。)自信は無いですが、頑張ります。(小田尚稔ステートメント・新宿眼科画廊ウェブサイトより)

小田尚稔の演劇
『悪について』

2017年9月8日(金)~9月12日(火)全9公演
会場:東京都 新宿眼科画廊 スペース地下
脚本・演出:小田尚稔
出演:
伊藤拓
宇都有里紗
清水芽衣
金城裕磨
渡邊まな実
音楽:原田裕介
料金:一般前売2,400円 一般当日2,800円 学生2,000円

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