『イカリエ-XB1』は1963年に製作された映画で当時は共産党体制だったチェコスロバキア初の本格SF映画と呼ばれる先駆的な作品。スタニスワフ・レムの小説を翻案し、密室の中で狂気に汚染されていく乗組員たちの物語と、近未来のユートピア的世界を描いた内容は、1968年製作のスタンリー・キューブリック監督作『2001年宇宙の旅』にも影響を与えたと言われる。2016年に4K映像に修復されたデジタルリマスター版が『カンヌ国際映画祭』クラシック部門で上映された。デジタルリマスター版の日本上映は今回が初。
監督はインドゥジヒ・ポラーク。脚本は映画『ひなぎく』にも協力したパヴェル・ユラーチェク。音楽はヤン・シュヴァンクマイエルやカレル・ゼマンの作品に参加したズデニェク・リシュカ、衣装デザインは『ひなぎく』の共同脚本、美術、衣装などを手掛けたエステル・クルンバホヴァーが担当している。