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  • 2018年7月21日(土)〜2018年7月22日(日)

『現代美術ヤミ市――限りなくゴミに近いマテリアルの市』

日本には現代美術のマーケットが無い、と言われる。そして、マーケットがないから現代美術が根付かないのだ、と。ほんとうにそうなのだろうか。

そもそも現代美術は、ゴミのようなものを芸術にする力を持っている。それは錬金術のようでもあり、詐欺のようでもある。だからこそ、同時に、多くの「不信」も招いてきた。「こんなゴミがなぜ芸術なのか」「ゴミで金儲けする詐欺」「なんでも現代美術になる」「現代美術は言った者勝ち」……

このような外部からの不信に対して、心あるインサイダーたちはまず、知識による啓蒙や教育によって対応しようとしてきた。アートのトレンドを追い、アートマーケットのイロハを教え、ついには、国際展やアートフェアの真似事をはじめた。

次に、ビジネスのロジックがやってきた。最初は「あえて露悪的にふるまう」ことのバリエーションだったはずが、いつの間にか、ビジネスのロジックが優越するようになった。明治以来の「殖産興業」がゾンビのように復活し、それに群がるギャラリストやキュレーターたちが、本物の詐欺師になった。

そして最初に戻る。「日本には現代美術のマーケットが無い」。

この国の現代美術において、啓蒙や教育も、ビジネスのロジックによる市場の活性化も、ひとつの同じ致命的な問題を抱えている。

それは、すべてが「伝聞」である、という点だ。確かに、優れた現代美術を見る機会は、以前より増えた。国際展もあるし、アートフェアもある、最新のトレンドもほとんど時差なく紹介されるようになってきた。

しかし、かつてゴミかもしれなかったそれらが、まさに現代美術に変わったその瞬間に、私たちはまだ立ち会っていない。それらは、遠く海の向こうのどこかで、誰かによって現代美術へと変えられ、その後に、私たちの前へ運ばれてきたのだ。

それらがまさに、ゴミから現代美術に変わる瞬間、その錬金術を、魔法を、私たちは目撃していない。現代美術を理解するには、その魔法の現場に居合わせること、あるいは「共犯」になるのが一番だ。

しかし、この国で「本場」のアートを語る者も、投機対象としての現代美術を説く者も、誰も魔法を使えない。誰かの魔法について語るだけであり、そのことによって、現代美術のプレイヤーたらんとしている。それこそ、本当の詐欺でなくてなんだろうか。

魔法を使えない人間が何を言おうと、何人集まろうと、現代美術は生まれない。既存の国際展やアートフェアを模倣しても、マーケットは生まれない。

まず、限りなくゴミに近いマテリアルがある。現代美術はそこからはじまる。どこからともなく集められたゴミが、アーティストによって魔法にかけられる。魔法が成功するものもあれば、失敗するものもある。成功すれば宝になるが、失敗すればゴミのままである。

しかし、重要なのは成功失敗ではなく、アーティストの使う魔法の多様さである。現代美術の魔法はひとつではない。その魔法の多様さこそ、現代美術の本質であり、それを目撃できる場所こそ、マーケットと呼ばれるべきなのだ。

そして、その魔法の現場に、プロセスに、立ち会うこと、「共犯」になること。それが可能な場所こそ、現代美術のマーケットであり、教育の現場であり、イベントであり、コミュニティなのではないか。

残念ながら、このような「現代美術マーケット論」は、この国ではまだ受け入れられそうにない。だから、ぼくたちは「ヤミ市」として、独自に立ち上げることにした(注)。

「現代美術ヤミ市 ――限りなくゴミに近いマテリアルの市」は、ゴミが現代美術になる、その魔法の現場として企画される。アーティストも、コレクターも、観客も、スタッフも、ゲストも、立ち会うすべての人たちが現代美術の「共犯」となる。

注)「ヤミ市」という言葉を使っているのは、IDPWが主催する「インターネットヤミ市」に影響を受けているからである。カオス*ラウンジのコアメンバーはかつて、インターネットヤミ市に参加したことがあり、その経験から本企画についての多くのヒントを得た。(黒瀬陽平コメント・現代美術ヤミ市ウェブサイトより)

『現代美術ヤミ市――限りなくゴミに近いマテリアルの市』

2018年7月21日(土)、7月22日(日)
会場:東京都 京浜島 BUCKLE KOBO
時間:13:00~21:00
出店作家:
アーギュメンツ
飯島モトハル
カオス*ラウンジ
カタルシスの岸辺
酒井貴史(物々交換所)
ソノアイダ(藤元明、中村壮志、相澤安嗣志、宮川貴光)
たかくらかずき
中央本線画廊
ハムスターの息子に産まれて良かった+カワイタケシ
パープルーム
柳本悠花
山形芸術界隈
弓指寛治
BIEN & 石毛健太
BLACK TOYS" "US (ADDICT3、成田輝)
HouxoQue
KOURYOU
Nampei Akaki
SAIAKU(NAZE、takuya watanabe takuya、森本悠生) × MES
SIDE CORE
and more
料金:ドネーション制(入場料金)

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