ろう者・難聴者を対象にした俳優養成講座『デフアクターズ・コース2022』開講

2022. 08.09

ろう者・難聴者を対象にした俳優養成講座『デフアクターズ・コース2022』全20回が10月4日に大崎・トット文化館で開講する。

映画『コーダ あいのうた』『エターナルズ』『サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~』など、ろう者・難聴者の当事者俳優による演技の評価が高まる現在。日本では、演技を学ぶ場が少ないことが以前から課題とされてきた。

ろう者・難聴者の表現者育成の場を提供する『育成×手話×芸術プロジェクト』による同講座は、手話で進行。映像、舞台など多様なメディアでの演技の技術と知識を育成すると共に、ろう者・難聴者ならではの演技表現を議論しながら共有していく。映画美学校アクターズ・コースが協力。

講師は近藤強(青年団)、兵藤公美(青年団)、深田晃司、今井彰人、今井ミカ、雫境、江副悟史。

受講資格は、高校生を除く18才以上のろう者・難聴者。学歴、経験の有無は不問。申込締切は9月16日となる。定員は10人程度。参加費は7万円。詳細は特設ページで確認しよう。

【深田晃司のコメント】
表現とは「私にとっての世界」を他者に向けてフィードバックすることだと思います。その小さな積み重ねによって世界は少しづつ相互理解を獲得してきました。だから、誰もが当たり前のように表現の当事者になれることはとても切実で大切なことです。
残念ながら、これまでその「当たり前」は映画の世界では実現していませんでした。「ろう者の役はろう者が演じる」。これからはそれが当たり前の社会になっていくでしょう。デフアクターズ・コースはそのための重要な、何よりとても楽しい第一歩となるはずです。

【牧原依里(『東京国際ろう映画祭』)のコメント】
これまでろう者と聴者が協働して、ろう者・難聴者が持つ表現力に注目する長期的な講座はありませんでした。本講座では、俳優としての「演技」とともに、ろう者・難聴者が「自身の身体性」を知覚して「手話での演技」をブラッシュアップできるようにしたいと思っています。そして、ろう者・難聴者ならではの演技表現をみんなで議論しながら共有していくことも目標の一つとしています。本講座が、芸術の各分野とろう者・難聴者俳優をつなぐキャスティングの架け橋となり、ろう者・難聴者からみたこの世界が映画や舞台により反映されるための後押しになることを願っています。

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