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ピアノミュージックの未来を探すSchroeder-Headzの軌跡

ピアノミュージックの未来を探すSchroeder-Headzの軌跡

インタビュー・テキスト
渡辺裕也
撮影:豊島望
2013/12/04

大ヒットを記録した2010年のデビュー作『NEWDAYS』、その翌年のカバーアルバム『PIANO à la carte feat.Schroeder-Headz』以降、次の動向が待たれていたSchroeder-Headzから、ついに新しい作品『Sleepin' Bird』が届いた。SerphやShing02、NUMB、L.E.D.による表題曲のリミックスを交えつつも、これまでのピアノトリオ形態からいったん離れて、渡辺シュンスケというアーティスト個人の秘めた内省にフォーカスした、とても繊細で美しい作品だ。

エレクトロニックサウンドを織り交ぜることでオーソドックスなトリオスタイルに新しい風を吹き込もうと果敢に挑んできた渡辺だが、ここでは彼のパーソナルな心情をピアノの音色によって、素直に表しているのがとても興味深い。そこで今回は渡辺シュンスケというアーティストの背景とピアノトリオへのこだわりに迫りつつ、現在の彼がどこに向かっていこうとしているのかをじっくりと紐解いてみることにした。

僕はSchroeder-Headzを「ピアノトリオの未来型」として見てほしいと思っているところがあって。

―今回のタイトル曲でもある“Sleepin' Bird”って、2009年にはすでに映像付きのデモバージョンがYouTubeで公開されていたんですよね。

渡辺:そうなんです。アップしたのは、ちょうどSchroeder-Headzを立ち上げた時期で。つまり、最初に出した『NEWDAYS』というアルバムの曲とほぼ同時期に作っていたものなんです。あの映像も実験的に自分で作ったものなんですけど、実はアップしてから、全然ああいうものをやっていなくて(笑)。

『Sleepin' Bird』デモバーション(2009年)

―たしかに、あのYouTubeアカウントで公開されている動画はあの曲だけでしたね。

渡辺:もちろん忘れていたわけではないんです(笑)。ただ、『NEWDAYS』に入れる曲としてはちょっと違うかなと思って。で、そのままアップしておいたんですけど、気づいたらけっこうたくさんの人があれを見てくれていて。で、今回の作品に関してはピアノトリオという形にあまりこだわらずにやってみようと思ったんです。僕の中にある少し内省的な部分をテーマにして、1つ作品を出しておきたいなって。

―では、まず『NEWDAYS』のことを振り返ってみましょう。あの作品では、Schroeder-Headzがピアノトリオだと提示することが重要だったんですね。

渡辺:そうです。あれは曲をバンドメンバーに生演奏してもらって、そこから面白くなったものをピックアップして入れた作品で、とにかくトリオにこだわりたかった。で、そのときに“Sleepin' Bird”も演奏してはいるんですよ。でも、あまりうまくいかなくて。

―挑戦はされていたんですね。

渡辺:ライブでもやってました。でも“Sleepin' Bird”に関しては、しっかり自分で打ち込んだバージョンのほうが、世界観が出ると思ったんです。それを『NEWDAYS』に入れると無理が出ちゃうので、そのときは入れられなくて。

―なるほど。その『NEWDAYS』がリリースされて大きな反響を呼んでから、だいたい3年が経ちましたけど、その間にSchroeder-Headzの在り方はいくらか変化されたんでしょうか。

渡辺:たくさんの人にSchroeder-Headzを認識してもらえたなっていう実感はあります。それもあって、今作は自分がずっと大好きでこだわってきたピアノにフォーカスしようかなと。単純に“Sleepin' Bird”はすごくシンプルで綺麗な曲だと思っていたし。

―それはシュンスケさんの興味が、今はバンドじゃないところに向かっているということ?

渡辺:常に興味はいろんなところに向いていて。その中でバンド演奏だけでは表現しきれない曲もたまってきたので、今回はそこに特化させてみました。うまく伝えるのが難しいんですけど、僕はSchroeder-Headzを「ピアノトリオの未来型」として見てほしいと思っているところがあって。だから、本当にまだまだ実験中なんです。いわゆるジャズトリオでは括れない、かといってエレクトロニカとも言い切れない。そんな最新型のトリオにしたいという思いが大前提としてまずあるというか。

渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)
渡辺シュンスケ(Schroeder-Headz)

―「未来型」ですか。ある種ピアノトリオって古典的な形態だし、そこは面白いポイントですね。ちなみにそれってどのくらい先を見据えた未来なんですか。

渡辺:そうだなあ、1000年くらい先なのかな?(笑) でも、そこまで行くと、耳で音楽を聴いていない時代になっているかもしれませんね。僕、そういうことを考えるのも好きなんです。音楽ってジャンルごとにいろんなマナーがあるじゃないですか? そういうものを知った上で、あえて新しいやり方を楽しんでいるようなところもあって。それに人間の演奏が再評価される時代はこれからもさらに続いていくと思っていて。

―それも未来を予見しているわけですね。

渡辺:だから、その生演奏と今のテクノロジーをうまく融合したくて。たとえば、昔のジャズの名盤とかって今でもみんな好きじゃないですか。あの良さと今のグリッドミュージックみたいな打ち込みの音楽をうまく融合させたら、ものすごく面白いものができるんじゃないか。そういうアイデアはずっと考えてるんです。

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リリース情報

Schroeder-Headz<br>
『Sleepin' Bird』(CD)
Schroeder-Headz
『Sleepin' Bird』(CD)

2013年12月4日発売
価格:1,890円(税込)
VITO-119

1. Sleepin' Bird
2. Sleepin' Bird - remixed by Serph
3. Sleepin' Bird feat. Shing02 - remixed by NUMB
4. Sleepin' Bird - remixed by L.E.D.
5. Sky
6. Hidden View
7. Harusame

Schroeder-Headz<br>
『Sleepin' Bird』先行配信シングル
Schroeder-Headz
『Sleepin' Bird』先行配信シングル

2013年11月6日からiTunes Store、Amazon MP3ほかで配信リリース
1. Sleepin' Bird
2. Sleepin_Bass(stem)
3. Sleepin_Clap(stem)
4. Sleepin_Hat(stem)
5. Sleepin_Kick1(stem)
6. Sleepin_Kick2(stem)
7. Sleepin_Loop(stem)
8. Sleepin_Pad(stem)
9. Sleepin_Perc(stem)
10. Sleepin_Pf(stem)
11. Sleepin_Snare(stem)
12. Sleepin_Synth(stem)
13. Sleepin_Wind(stem)

プロフィール

Schroeder-Headz(しゅろーだー へっず)

クラブ・ジャズとオーガニック・グルーヴを繋ぐオルタナ・ピアノ・トリオ「シュローダーヘッズ」は DE DE MOUSE のライヴ・ キーボーディストとしも知られる渡辺シュンスケによるソロ・プロジェクト。Jazzの世界でよく見られる「ピアノトリオ」という、もっともシンプルかつベーシックなアンサンブルスタイルを使い、ジャンルにカテゴライズされた、さまざまな音楽フォーマットの枠組から「抜け出してみたい」という試みの実験場。2010年にアルバム『ニューデイズ』でデビュー。2011年には、スヌーピーでお馴染みのコミック "PEANUTS"に登場するトイピアノを弾く男の子シュローダーとコラボしたカバー・ミニアルバム『ピアノ・ア・ラ・カルト・フィーチャリング・シュローダーヘッズ』をリリースしている。

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