インタビュー

ネットで話題の宅録女子、ラブリーサマーちゃんの実態が明らかに

ネットで話題の宅録女子、ラブリーサマーちゃんの実態が明らかに

インタビュー・テキスト
小田部仁

Computer MagicやGrimesは言うに及ばず、今、宅録の世界で「ガールズパワー」の台頭が全世界的に著しい。ここ日本には、東京都内在住の女子大生、ラブリーサマーちゃんがいる。筆者が気持ち悪く勝手に「ちゃん」付けしているわけでなく、正式名称が「ラブリーサマーちゃん」なのだ。本名である「愛夏」を英語読みしたという、とてつもなくガーリーなセンスにクラクラくる。

2013年、18歳の夏から音楽制作を開始したという彼女。当初は「バンド仲間を見つけるためのデモ作り」だったそうだが、完成度の高い楽曲は感度の高いリスナーの耳に止まり、いつしか活動は本格化。その後もMaltine Recordsからのリリースやtofubeats“ディスコの神様 feat.藤井隆”へのコーラス参加など精力的に活動を続け、今年11月、満を持してアルバム『#ラブリーミュージック』をリリースした。

やたら完成度が高いのにめちゃくちゃパーソナルで切ない――音楽好きな女の子の日常を覗き見しているかのような背徳感にも満ちた、この傑作はどのようにして生まれたのか? そして、ラブリーサマーちゃんとは何者なのか? 新世代宅録女子、ラブリーサマーちゃんが赤裸々に語りつくす。

中学の頃は、とにかくインターネットが楽しくて。でも、お父さんが厳しかったのであんまりパソコンは使わせてもらえなかったな。

―今日は、ラブリーサマーちゃんを解き明かすという企画です。どうぞよろしくお願いします。

ラブリーサマーちゃん:えー、ヤダ! 恥ずかしい。大丈夫ですかね……。

―さっそくなんですけど、今年20歳になられたと伺っているんですが。普段は大学に通われているんですか?

ラブサマ:そうです。現役の大学2年生で、日本文学を専攻しています。午前中は学校に行って、午後は自由に音楽作ったり、友達とご飯食べに行ったり、好きなことをするような毎日を送ってます。

―バイトとかはしてるんですか?

ラブサマ:今はやってないです。昔はティッシュ配りとかやってたんですけど……。

―ご実家も都内だと伺っているんですが、今は一人暮らしをされてるそうですね。

ラブサマ:ずっと自分が子どものままでいるのが嫌だなと思って、一人暮らしを始めたんです。お父さんとの関係があまりよくなくて、父に嫌がらせみたいなイタズラばっかりしていたので、「このままだと私ダメだな」って。外に出たら、自分と家族の関係とかを客観的に見られるようになって、最近はすごくいい関係です。こういうのってありません?

―わかります。実家を出ると、妙に仲よくなったりしますよね。ラブリーサマーちゃんって、上品なご家庭で可愛がられて育ったというイメージを勝手に抱いていたんですけど、反抗期とかってあったんですか?

ラブサマ:可愛がられて育ったとは思うんですけど、反抗期はめちゃくちゃありました。家出したり、ずっと言うこと聞かないで音楽作ってたり。ぐれてた時期は好き勝手やってました。

―お祖父様が作曲家のいずみたくさん(代表作に“見上げてごらん夜の星を”“夜明けのスキャット”“いい湯だな”など)だと伺っているんですが、音楽面においてご家族からの影響を自覚しているところはありますか?

ラブサマ:どうだろう……祖父は私が生まれる前に亡くなってしまったので、特に影響はないってずっと思ってたんですよ。でもよく考えたら、自分で音楽を作るようになったのも、家に置いてあったアコースティックギターを弾き始めたのが始まりだし、ピアノも小さい頃から習わせてもらっていたので、影響は受けてるのかもしれない。でも、妹は全然音楽に興味ないしなあ(笑)。

―家に置いてあったギターを弾き始めたのは、なにかきっかけがあったんですか?

ラブサマ:中3の夏に、「老後もやれる趣味がほしいな」と思って(笑)。毎年夏に親戚一同が別荘で集まるんですけど、同じくらいの歳の子どもたちはみんな、フルートとかダンスとかピアノとか釣りとか、なにかのめり込んでやっているものがあって。「私にはなにもない」と気づいてしまったんです。みんなはおじいちゃん、おばあちゃんになってもそれぞれの好きなことを続けてるんだろうなって思ったら、「なにもライフワークがない私、ヤバい!」と思って(笑)。

―それで家に置いてあったギターを弾くようになったと(笑)。中学、高校は女子校に通っていたそうですが、当時の学校生活はいかがでした?

ラブサマ:最近人から言われて思い出したんですけど、嫌なことが結構多かったですね。でも人ってすごいですよね、嫌なことをきちんと忘れるようにできている。中学は、お母さんに「運動しろ」って言われてテニス部に入ったんですけど、全然楽しめなくて。私のことをあんまり好きじゃない子たちが何人かいたので、その子たちに負けずに学校に行くことを必死に頑張ってました。その頃はとにかくインターネットが楽しくて。当時からTwitterとかも始めてたんですけど、お父さんが厳しかったのであんまりパソコンは使わせてもらえなかったな。

―高校3年生のときに宅録で音楽を作り始めたのは、なにがきっかけだったのでしょうか?

ラブサマ:高校では軽音部に入ってバンドをやっていて、学校外でもバンドを組んでたんですけど、高3になってバンドが全部解散したんです。それで次のバンドのメンバーを集めるために、デモ音源を作ろうと思って。私がやりたい音楽に賛同してくれる人とじゃないと組みたくなかったから、自分のイメージを提示できるものがなきゃ、と思って作り始めました。それで楽曲をネットにアップロードしたら、どんどん広がっていって、マルチネ(Maltine Records。tofubeatsなど国内外のアーティスト作品をリリースしているネットレーベル)からリリースすることにもつながっていったんです。

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リリース情報

ラブリーサマーちゃん『#ラブリーミュージック』
ラブリーサマーちゃん
『#ラブリーミュージック』(CD)

2015年11月11日(水)発売
価格:1,620円(税込)
バブリーサマー

1. Intro
2. はじめまして
3. ベッドルームの夢(L.p. edit)
4. 私の好きなもの
5. ルミネセンス
6. 笑い話(piano ver.)
7. mis
8. おやすみ

イベント情報

『新春ワンマン2016 -Band Set-』

2016年1月11日(月・祝)OPEN 17:00 / START 18:00
会場:東京都 渋谷 TSUTAYA O-nest
料金:前売2,800円(ドリンク別)

プロフィール

ラブリーサマーちゃん
ラブリーサマーちゃん

1995年生まれ 都内在住20歳の女子。2013年の夏より自宅での音楽制作を開始し、インターネット上に音源を公開。SoundCloudやTwitterを中心に話題を呼んだ。2015年9月9日には自身の単独名義で初となるCD『ベッドルームの夢e.p.』、11月11日にアルバム『#ラブリーミュージック』を発売。

関連チケット情報

2019年4月30日(火)
ラブリーサマーちゃん
会場:LIQUIDROOM(東京都)
2019年5月25日(土)〜5月25日(土)
Shimokitazawa SOUND CRUISING 2019
会場:東京・下北沢のライヴハウス(東京都)
2019年7月27日(土)
泉まくら×ラブリーサマーちゃん
会場:246 LIVEHOUSE GABU(大阪府)

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一聴・一見すると繊細に織られたアンサンブルに柔和な印象を抱く。が、極太のベースがリズムとメロディの両方を引っ張っていく様は超アグレッシヴでもある。観客も含めて会場に漂う空気は一貫して緩やかなものでありながら、なによりも3音の鋭い合気道を存分に楽しめるライブ映像だ。ビルドアップした低音に歌心を置くスタイルはまさに今だし、音の余白も心地いい。ポップとエッジィの両極をあくまで愛嬌たっぷりに鳴らす台湾出身の3ピースバンド、その魅力を1カット1カットが十二分に伝えている。(矢島大地)

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