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evening cinemaが現代に継ぐ、松本隆・渋谷系・椎名林檎らの功績

evening cinemaが現代に継ぐ、松本隆・渋谷系・椎名林檎らの功績

evening cinema『CONFESSION』
インタビュー・テキスト
矢島由佳子
撮影:西槇太一

evening cinemaって、僕一人のソロプロジェクトだと思われることも多いんですけど、「チームです」って言うようにしています。

—今回、ORIGINAL LOVEやオザケンさんのバックでギターを弾かれている木暮晋也さん(ヒックスヴィル)や、ホーン隊には在日ファンクの村上基さん、後関好宏さん(ex.在日ファンク)、さらには岡村靖幸さんやKinki Kidsなどのコーラスを務める小貫早智子さんなど、かなり豪華なミュージシャンが参加していますよね。そういったメンバーも、葛西さんと一緒に集められたんですか?

原田:そうですね。僕がやりたいことに対して、「そういうことをやりたいなら、絶対にこのミュージシャンがいいよ」って言ってくれて。

—実際にやってみて、どうでした?

原田:とにかく楽しかったです。デモの時点でけっこうがっつり作り込んでたんですけど、みなさん一流ミュージシャンなので、「こういう感じか」というのは当然掴みつつ、そのうえで自分を出してくださったところが、本当に楽しくて。

すごく嬉しかったのは、木暮さんなり、みなさんから、「いやー、やっぱり曲がいいよね」っていう一言を、何気なく言ってくれたことで。そういうことをサラっと言ってくださるんですけど、僕はあちらが発した以上に、その言葉を重く受け止めています(笑)。

原田夏樹

—面白いのは、木暮さんは50代で、葛西さんやホーン隊は30代で、原田さんとピアノの井上薫さん(ブルー・ペパーズ。矢沢永吉やchayのバックでも演奏)は20代前半と、ミュージシャンたちの年齢がばらばらで、そういった意味でも、日本のポップス史のいろんな年代の要素が入り込んでいるとも言えるのかなと。

原田:そうですね。evening cinemaって、僕一人でやってるソロプロジェクトだと思われることも多いんですけど、僕はそれに関して否定していて。実際、曲を書いて歌っているのはすべて自分なので、なんて返答したらいいか迷うんですけど、「チームです」って言うようにしています。そのときに関わってくれた人みんな含めて、このチームだったからこそ作れた作品だと思うから。

バレンタインのギフトと一緒に、合うと思いませんか?(笑)

—あと、ジャケットについてもぜひお伺いしたいのですが。

原田:これ、めっちゃ抵抗ありますよ(笑)。一回、冗談半分で「こういうのをやりたい」って言ったんですけど、話が進んでいくうちに、「やっべえ、僕、そんなことできるのかな」って思い始めて(笑)。

evening cinema『CONFESSION』
evening cinema『CONFESSION』(Amazonで見る

—最初に言った「こういうの」というのは?

原田:岡村(靖幸)さんの『DATE』(1988年発売、2枚目のアルバム)です。

—なるほど(笑)。

原田:「でも、待てよ。自分の顔がCDショップに並ぶのか?」と(笑)。ただ、これにしたことで、ある種の決意表明になったかなと思います。過去2作はイラストだったのに今回これを出したら、音を聴かなくても、「今まで通りのevening cinemaではないです」というのが伝わるかなって。過去2作とは違うという決意と、これだけの覚悟があるというのは、音以外にも残したかったんです。

Robert Indiana『LOVE』と原田夏樹
Robert Indiana『LOVE』と原田夏樹

—前のsui sui duckとの対談の際(2017年の注目バンドsui sui duckとevening cinemaが決意表明)、原田さんがオザケンさんのCDを買ったときに、「自分の音楽も聴く人の生活やストーリーのなかにどう組み込まれていくのか、というところまで考えたい」といったことを話してくれましたが、今回のアルバムは、どういうふうにリスナーの生活に組み込まれたら嬉しいなとイメージしていますか?

原田:せっかく2月14日に出すので、思い出になるようなバレンタインデーを過ごしてもらいたいですね。ギフトと一緒に、合うと思いませんか?(笑) 「そういえば2018年のバレンタインって、evening cinemaがアルバム出して、それもついでに買ったな」とか、5~6年後に思い出してくれれば嬉しいですよね。

これは常々言っていることなんですけど、作品というのは聴き手が加わって初めて成り立つので、この作品もまだ未完成だと思っていて。聴いてくれる人、お店で展開して売り出してくれる人、いろんな人が加わって、やっとこの作品ができるんだと思います。

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リリース情報

evening cinema『CONFESSION』
evening cinema
『CONFESSION』(CD)

2018年2月14日(水)発売
価格:2,916円(税込)
LUCK-3001

1. 告白
2. さよならは今度のために
3. ラストイニング
4. 忘れるまえに
5. サマータイム
6. can't do that
7. make it alright
8. jetcoaster ~ baby, I'm yours ~
9. 原色の街
10. わがまま

プロフィール

evening cinema
evening cinema(いゔにんぐ しねま)

フェイヴァリット・アーティストに大瀧詠一、岡村靖幸、小沢健二を挙げるボーカル兼コンポーザー原田夏樹を中心に結成。80年代ニューミュージックに影響を受けたメロディーセンスと現代の20代男子の瑞々しい感性で90年代初頭のPOPSを現代に再構築するAOR系POPSバンド。無名の新人ながらその作家能力に注目が集まり、2016年7月、1st mini AL『Almost Blue』でCDデビュー。以後他アーティストへの楽曲提供やコラムの執筆等、活動の幅を広げている。

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