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凛として時雨が語る、結成から15年。なぜ確固たる地位を築けた?

凛として時雨が語る、結成から15年。なぜ確固たる地位を築けた?

凛として時雨『#5』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:中野敬久 編集:矢島由佳子、柏井万作

自分の感覚としては、アルバムのインタビューで、「最高傑作です」って言える気がまったくしないんです。(TK)

―「歌詞も瞬間瞬間でしか書いてない」という話でしたが、ラストに収録されている“#5”は表現することそのものに向き合った歌詞のように感じられます。「果たして、これがいつまで続くのか? 苦しさもあるけど、でも作らずにはいられない」という。最後に<鮮やかな夕景達よ>というフレーズが出てくるのにもグッときました。

TK:自分は手の届かないものでしか自分を覚醒することができないところがあって、そういうものを掴もうとするんですけど、掴んだらまた離れていってしまう、みたいなことの連続なんです。しかも、掴んだら自分が強くなるように思ってたけど、よく考えたら逆に弱くなってる気もして。

でも、もしそこで自分が弱くなっていたとしても、またそこで自分が作れるものを作り出さなきゃいけない。そういうジレンマを言葉にしたいなと思って、言葉先行で書いた曲です。

―言葉先行で書くことは珍しい?

TK:あんまりそういう書き方はしないんですけど、今回で言うと“ten to ten”と“#5”、まさにおっしゃっていただいた2曲に関しては言葉先行で、わりと明確な意志を持って書きました。

今の自分とシンクロする部分を等身大で書いてる歌詞ではあったりするので、オブラートに包まず出してるっていうのは、『#4』には少なかった要素かもしれないです。こういう剥き出しな部分があるのは、時雨としては新しい……ってほどではないにしろ、昔は見せられなかった部分が出てきているのかな。

左から:ピエール中野、345、TK

―前のアルバムタイトルが『i’mperfect』(2013年4月)だったのは、自分の理想に到達できない、未完成の辛さが常にあるということが背景にあったと思いますが、それは今でも変わらない?

TK:結局自分が追い越せるものには興奮しないんだと思うんです。掴みきれないからこそ続けられる。自分の感覚としては、アルバムのインタビューで、「最高傑作です」って言える気がまったくしないんです。決して「駄作を作ってしまった」ということではなくて、「まだ届かない」という印象が常にあるから。

なかなか超えられないからこそ作ってるというのもわかってますし、でも超えたい、掴みたいと思ってるのもわかってる。その苦しさはやっぱりありますね。そういう苦しさって、自分が自分に対して作り出してるものだと思うんですけど、逆に言えば、その苦しさがなくなってしまうと、人に届くものも届かなくなってしまうのかなとも思うんです。

死ぬときパッと後ろを向いて、それが一本の道になってたらいいなって。(TK)

―最後に改めて、「バンドを続けること」についてお伺いしたいです。今日最初に話したように、15年前と音楽を取り巻く環境が大きく変わって、最近だとフェスだストリーミングだという話題も多い。そういうなかで、ただ「曲を作って、ライブをやる」ということを続けているバンドの尊さを改めて感じていて、時雨はまさにそういうバンドだと思っています。なので、時代の変化も踏まえつつ、「バンドを続けること」をどのように考えているか、一人ずつ話していただけますか?

345:バンドを続けること……先々のことを私はなにも考えていなくて。そのときにかっこいい音楽ができればいいっていうだけのことを、15年間続けてきている感じで……。

中野:先のことはわかんないですよね。結局今の自分になにができるかに向かっていくのが、続けていくことにつながるんじゃないかなと思う。なにが起こるかなんて誰からないから、そこを考えてもしょうがないっていうのが、持論としてずっとあります。

あとはどれだけ執着を持っているか。TKの場合は自分の表現にものすごい執着があるからこそ、こういう作品になってるし、それに対して僕ら二人は、TKの出してきたものに対してどういうアプローチをしていくのかに執着がある。「続けていきたいから」っていうよりは、執着ありきで、後付けで「続けるべき」になっているんだと思います。

TK:自分のなかに「続ける」という概念がそもそもなくて。楽曲でいったら5分、アルバムでいったら40何分とか、その時間をバンドで共有してるだけ。そのなかにそれ以外の意図はないですし、その「時間を共有する」ということが、このバンドにとって一番重要なことなんです。僕が「共有したい」っていう時間を二人に聴かせることができるかどうか。

そういう自分の姿勢に対して、二人とも「続ける / 続けない」という意識がないのは、一番健全な状態だと思います。「続ける」という概念がないから、「終わる」と思ったこともないですし。

―なるほど。

TK:僕たちは瞬間の連続のなかでしか曲を作ったり、ライブをしたりしていなくて、それを人が見たら、結果的に「続けてる」って見えるだけ。僕らの感覚としては、ただそのとき「鳴ってる」というだけで、後ろを振り返ってみたら、15年鳴ってたんだなっていうくらいなんです。

ずっと目の前に道がないようなところを、なんとなくしがみつきながら走ってきたので、死ぬときパッと後ろを向いて、それが一本の道になってたらいいなって。本当に、それくらいにしか思ってないんですよね。

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リリース情報

凛として時雨『#5』初回生産限定盤
凛として時雨
『#5』初回生産限定盤(CD+DVD)

2018年2月14日(水)発売
価格:4,212円(税込)
AICL-3479/80
※トールサイズ、デジパック仕様

[CD]
1. Ultra Overcorrection
2. Chocolate Passion
3. Tornado Minority
4. Who's WhoFO
5. EneMe
6. ten to ten
7. Serial Number Of Turbo
8. DIE meets HARD
9. High Energy Vacuum
10. #5

[DVD]
“Chocolate Passion” Music Video with Making Passion
“#5” Music Video
DIE HARD RADIO Season 2

凛として時雨『#5』通常盤
凛として時雨
『#5』通常盤(CD)

2018年2月14日(水)発売
価格:3,240円(税込)
AICL-3481

1. Ultra Overcorrection
2. Chocolate Passion
3. Tornado Minority
4. Who's WhoFO
5. EneMe
6. ten to ten
7. Serial Number Of Turbo
8. DIE meets HARD
9. High Energy Vacuum
10. #5

イベント情報

凛として時雨
『Tour 2018“Five For You”』

2018年3月3日(土)
会場:石川県 金沢 EIGHT HALL

2018年3月4日(日)
会場:新潟県 LOTS

2018年3月11日(日)
会場:東京都 Zepp DiverCity

2018年3月17日(土)
会場:宮城県 仙台 GIGS

2018年3月21日(水・祝)
会場:北海道 サッポロファクトリーホール

2018年3月25日(日)
会場:大阪府 Zepp Osaka Bayside

2018年4月7日(土)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2018年4月8日(日)
会場:香川県 高松 festhalle

2018年4月14日(土)
会場:福岡県 DRUM LOGOS

2018年4月15日(日)
会場:熊本県 B.9 V1

2018年4月21日(土)
会場:愛知県 Zepp Nagoya

2018年4月30日(月・祝)
会場:東京都 Zepp Tokyo

料金:立見4,860円 2階席5,400円(共にドリンク別)
※新潟公演、札幌公演はドリンク代なし
※2階席は東京2公演、宮城公演、大阪公演のみ
※高校生以下は学生証など提示で500円割引

凛として時雨
『Tour 2018 “Five For You ~Vacuum The Hall Edition~』

2018年6月1日(金)
会場:大阪府 フェスティバルホール
2018年6月11日(月)
会場:東京都 東京国際フォーラム ホールA

料金:各公演 全席指定 5,400円
※高校生以下は学生証など提示で500円割引

プロフィール

凛として時雨
凛として時雨(りんとしてしぐれ)

TK(Vocal&Guitar)、345(Vocal&Bass)、ピエール中野(Dr)。2002年、埼玉にて結成。男女ツインボーカルから生まれるせつなく冷たいメロディーと、鋭く変幻自在な曲展開は唯一無二。プログレッシブな轟音からなるそのライブパフォーマンスは、冷めた激情を現実の音にする。

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