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ネット時代に個性はどう表れる?tofubeats、tomadらの鼎談

ネット時代に個性はどう表れる?tofubeats、tomadらの鼎談

『MeCA | Media Culture in Asia: A Transnational Platform』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:馬込将充 編集:久野剛士

人って、モノを通じてしかコミュニケーションできないと思うんですよね。(tofubeats)

—流行りの音楽を探っていく中で、いつしか自分のアイデンティティーに向き合うようになるということですね。

tofubeats:そうですね。逆に言うと、流行りを追っていけば、そうならざるを得ない。流行りを追って、その中にある差を考えると、結局アイデンティティーになるんですよね。同じ機材で同じようなことをしているからこそ、それに気づくというか。画一化の先に、そういうことが起きていくっていうのが、いまなんじゃないですか。「同じ機械で同じような曲を作っているのに、何で自分と他の人は違うんや?」みたいな。

左からtofubeats、tomad、廣田ふみ

—なるほど。面白いですね。

tofubeats:まあ、結局人って、ものを通じてしかコミュニケーションできないと思うんですよね。その取っ掛かりになるものとして、音楽って、すごく面白いと思っていて。自分が作った曲って、ある意味自分を外部化したものじゃないですか。それは他人が作った曲も同じで、その人が外部化されたものなんですよね。それを知ったり比べたりするのは、かなり楽しいことなんじゃないかって思うんです。

tofubeats

—世界各国の人が作り続けているものだから、音楽はコミュニケーションの取っ掛かりにもちょうどいいんでしょうね。

tofubeats:そうですね。あと、音楽は結構遠くまで飛んでいきやすいんですよね。

廣田:そう、その「飛ぶ」っていう越境性の話は、限りなく音楽にしかないところですよね。特にインターネットの時代になって以降、音楽を作るのも聴くのもツールが一般化して、共通の感覚も大きくなるだろうし、その曲を作った人の個性も、以前よりも見えやすくなっているところがある。

その意味で、tomadさんがやっているプロジェクトは、美術とか他のものと比べても、人との関わり方の量が、極端に大きいんですよね。巻き込む人の数が違うというか。やっぱりそれは、音楽の越境性が関係しているのかなと思います。

イベントに出演するカナダのRyan HemsworthのMV

イベントに出演する台湾のMeuko! Meuko!のMV

—越境していくことによって、ローカル性も含めたその人のアイデンティティーが浮き彫りになっていくのは、非常に面白いですね。

tomad:むしろ、最近はその人のアイデンティティーが出ているものじゃないと、越えていかないのかなって感じますね。だから、そのバランス加減をどう調整していくかが、今後重要になってくるのかな。

—ことさらにローカル性や特殊性ばかりが強調されているのではない、画一性の先に表れる自然なアイデンティティーというバランスが重要であるというか。

tofubeats:そうですね。あと、アメリカやヨーロッパも、ちょっと心持ちが変わってきたところがあって。いたずらにオリエンタルみたいなことを言ったらアカンって、やっとなってきたというか。

—ああ、アジアに対する姿勢が変わってきたというか。

tofubeats:そうそう。「ようやくかい!」って思いますけど(笑)。もちろん、いまでもそういうことを感じるときはありますけどね。西欧の人と何かを一緒にやっても、やっぱり「アジアの人には、あんまりシリアスなものは求めないんや」みたいなことを感じたり。だからこそ、アジアの中でアジアの人たちと一緒に何かをやっていくのは、すごく意味があることのように思っています。今回のイベントは、そのきっかけになればうれしいですね。

左から廣田ふみ、tofubeats、tomad

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イベント情報

MeCAのポスター
『MeCA | Media Culture in Asia: A Transnational Platform』

2018年2月9日(金)~18日(日)
会場:東京都 表参道ヒルズ スペース オー、ラフォーレミュージアム原宿、Red Bull Studios Tokyo、WWW、WWW X

『MeCA | Media Culture in Asia: A Transnational Platform』音楽プログラム
『BORDERING PRACTICE at WWW X/Alternative SOUND + VISION at WWW』

2018年2月9日(金)
会場:東京都 渋谷 WWW、WWW X
『Alternative SOUND + VISION at WWW』出演:
Morton Subotnick
Lillevan
Alec Empire
Jacques
Young Juvenile Youth
Jean-Baptiste Cognet and Guillaume Marmin
X0809
『BORDERING PRACTICE at WWW X』出演:
tofubeats
KIMOKAL
Meishi Smile
Ryan Hemsworth
Meuko! Meuko!
PARKGOLF
similarobjects(The BuwanBuwan Collective)

プロフィール

tofubeats(とーふびーつ)

1990年生まれ、神戸在住。在学中からインターネット上で活動を行い、2013年にスマッシュヒットした“水星 feat.オノマトペ大臣”を収録したアルバム『lost decade』を自主制作で発売。同年『Don't Stop The Music』でメジャーデビュー。森高千里、藤井隆、DreamAmi等をゲストに迎えて楽曲を制作し、以降、アルバム『First Album』(14年)、『POSITIVE』(15年)をリリース。2017年には新曲“SHOPPINGMALL”“BABY”を連続配信し、アルバム『FANTASY CLUB』をリリース。SMAP、平井堅、Crystal Kayのリミックスやゆずのサウンドプロデュースのほか、BGM制作、CM音楽等のクライアントワークや数誌でのコラム連載等、活動は多岐にわたる。

tomad(とまど)

2005年、当時15歳でインターネットレーベル「Maltine Records」を開始して以降、これまでに150タイトルをリリース。ダンス・ポップ・ミュージックの新しいシーンと東京の同時代のイメージを象徴する存在として国内外のメディアで紹介され、注目される。2015年にはレーベル設立10周年を記念し、活動をまとめた『Maltine Book』(スイッチパブリッシング)を刊行した。また近年はロンドンやニューヨークでのイベント開催、海外アーティストの楽曲リリース、アパレルやアイドルとのコラボレーションも手がけている。

廣田ふみ(ひろた ふみ)

情報科学芸術大学院大学[IAMAS]修了。IAMASメディア文化センター研究員を経て、2008年より山口情報芸術センター[YCAM]にてメディアアートをはじめとする作品のプロダクション・企画制作等に携わる。2012年より文化庁文化部芸術文化課の研究補佐員としてメディア芸術の振興施策に従事。文化庁メディア芸術祭の海外・地方展開を含む事業を担当。同時期にメディアアート作品の修復・保存に関するプロジェクトを立ち上げる。2015年より現職。現在は日本と東南アジアの文化交流事業の一環としてメディアカルチャーをテーマにしたプロジェクトに取り組む。二松学舎大学都市文化デザイン学科非常勤講師。

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