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菅田将暉と渡辺大知が共鳴し合い語る、表現者としての葛藤と喜び

菅田将暉と渡辺大知が共鳴し合い語る、表現者としての葛藤と喜び

菅田将暉『PLAY』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:西田香織 編集:川浦慧

「どうやったら楽しめるか」とか「まず自分が楽しむ」ということが大事かなって。(渡辺)

—渡辺さんには、映画『勝手にふるえてろ』(2017年公開、大九明子監督作品)が公開されたときにも取材をさせていただいて、やはり一時期は芝居をすることに対する葛藤があったとおっしゃっていましたね。(参考記事:役者でも攻め続ける黒猫チェルシー渡辺大知、葛藤の10年を明かす

渡辺:自分はバンドっていう「家」みたいなものがある上で、芝居の仕事ももらえるようになって。それが自分にとって居心地良くなってきた中で、芝居を「たまにちょっとやる」みたいなことでいいのかっていう葛藤が出てきたんです。

それで、あるときバンドメンバーに初めてちゃんと相談をしたんですよ。そしたら、「自分がやっててワクワクするものをナシにしていくよりも、どうやったらアリにできるのかを考える方が絶対楽しい」って言ってくれて。そこから「自分だからできるやり方」みたいなのを探すようになったんです。無理をしてない人っていうか、自分に合ったことができる人ってかっこいいと思うんですよね。

菅田:めっちゃいいですね。

左から:渡辺大知、菅田将暉

渡辺:そこで自分の向かう先が決まったというか、「見え方」は自分にとってどうでもいいことだと思い始めて。自分にとって大事なのは、かっこいいものが作れるかどうかだけ。

憧れのバンドマンはいっぱいいるけど、その人と同じやり方をしなくてもいいなって。自分の肌に合ったバランスのとり方を見つけたいというか、自分がやりたいことをどうやったら全部やれるかっていう、そういう欲の方が強くなっていきました。

—それこそ能動的に、自分の興味・関心に対しては真っ直ぐ進むようになったと。

渡辺:「どうやったら楽しめるか」とか「まず自分が楽しむ」ということが大事かなって。

—そこは菅田さんも同じなのではないでしょうか?

菅田:「自分が歌う」ってなったときに思ったことが、菅田将暉としての人生の中で、もちろんこれまでは俳優業が一番でっかいものとしてあったんですけど、もう少し広く見たときに、僕は役者である前に、普通に生きてる人間なわけで。そう考えたときに、「俳優業だけじゃないかも」って思ったというか。

別に、芸能界にいなくたっていいし、海外に行ったっていいし、20年後には宇宙に行ってるかもしれない。目の前に広がっているものが面白そうであれば、失敗しても後で笑えるし、想像だけで否定してやらないよりマシだなって。それが「楽しむ」ということなのかなって思いますね。

初期The BeatlesとかThe Rolling Stonesの頃のロックンロールの感じを今、菅田将暉が歌ったらかっこいいんじゃないかなって。(渡辺)

—渡辺さんが作詞・作曲を手掛けたのが、アルバム5曲目の“風になってゆく”ですね。

『PLAY』通常盤
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菅田:“風になってゆく”は、こんなかっこいい曲なのに……「もっとできるな」って感じがあって、正直、今回のアルバムで一番悔しいというか……「これからどんどん歌っていきたい」って、一番強く思わされた曲で。

渡辺:結構地味な曲だけど、僕はそれがいいと思ったんです。その辺に落ちてる石みたいな、誰が作ったとか気にならない曲になればなって。

若いときって、「自分を出そう」みたいな気持ちが強くて、「自分っぽさって何だ?」ということばっかり考えてたんですけど、考えれば考えるほど自分から離れていく気がして、ホントの「自分っぽい」ってこういうことじゃないんだなと思って。で、今回初めて楽曲提供をさせていただいて、究極的に「自分」ってものがどうでもいいと思えながら作れたのがすごく嬉しかったし、ワクワクしました。

—さっきの渡辺さんの言葉を借りれば、「見え方」の問題ではなくて、「かっこいいかどうか」だけを考えて作ったと。

渡辺:日頃の曲作りからして、路傍の石じゃないですけど、「たまたまその曲がそこにあった」くらいの気張らない感じでできたらいいなと思っていて。僕がそれを歌うことで、自分のものにしていく、みたいな。“風になってゆく”は、その感じで作れた気がしてます。ただ、その分淡々とした曲なので、僕も仮歌を入れてみて、難しいと思いました(笑)。

菅田:絶妙な色気があって、それはきっと取り繕ったものじゃない何かで、僕のものにするにはこれからな感じがすごくします。

渡辺:ひとつ意識したのは、「菅田くんに合うのに、まだやってないやつ」がやりたくて、ロックンロールにしたんです。初期The BeatlesとかThe Rolling Stonesとか、その頃のロックンロールの感じを今、菅田将暉が歌ったらかっこいいんじゃないかなって。他に楽曲提供される方の中で、どシンプルなロックンロールは誰も出さないと思ったので。

左から:渡辺大知、菅田将暉

左から:渡辺大知、菅田将暉

—さきほど渡辺さんから「自分っぽさ」という話がありましたが、菅田さんは歌い手としての「自分っぽさ」をどのように捉えていますか?

菅田:まだ自分らしさもなにもない段階だし、コントロールできる技術や知識があるわけでもないので、わりと出たとこ勝負というか。ただ、今回のアルバムを作りながら、ある種お芝居に似てるなって思ったのは、それぞれの曲で脚本家と監督が違って、その中で演じる感覚がちょっとあって。

渡辺:確かに、『私立探偵 濱マイク』(2002年放送、日本テレビ系)みたいな、毎週監督と脚本家が違うみたいな感じはありますよね(笑)。

—実際に歌ってみることで、音楽と芝居の共通点も見えてきたと。

菅田:ありましたね。気づいたら、このアルバムの中で3回くらい「東京」って出てくるんです。僕は今までは基本的にお芝居でしか表に出てなくて、それは全部「役」なわけじゃないですか? でも、それを見てた人たちが僕に作ってくれた曲のベースが似てるというのは、「菅田将暉」という人の何かが積み上がっていて、みんなそこを見てくれたんだなって。それが今回一番の大発見だったし、嬉しかったところですね。

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リリース情報

菅田将暉『PLAY』完全生産限定盤
菅田将暉
『PLAY』完全生産限定盤(CD+Tシャツ)

2018年3月21日(水・祝)発売
価格:8,500円(税込)
ESCL 5037-8

1.さよならエレジー
2.いいんだよ、きっと
3.見たこともない景色
4.ピンクのアフロにカザールかけて
5.風になってゆく
6.台詞
7.スプリンター
8.ゆらゆら
9.呼吸
10.浅草キッド
11.灰色と青
12.茜色の夕日

菅田将暉『PLAY』初回生産限定盤
菅田将暉
『PLAY』初回生産限定盤(CD+DVD)

2018年3月21日(水・祝)発売
価格:3,900円(税込)
ESCL 5039-40

[CD]
1.さよならエレジー
2.いいんだよ、きっと
3.見たこともない景色
4.ピンクのアフロにカザールかけて
5.風になってゆく
6.台詞
7.スプリンター
8.ゆらゆら
9.呼吸
10.浅草キッド
11.灰色と青
12.茜色の夕日
[DVD]
『5年後の茜色の夕日』(北九州小旅行ドキュメント映像)

菅田将暉『PLAY』通常盤
菅田将暉
『PLAY』通常盤(CD)

2018年3月21日(水・祝)発売
価格:3,200円(税込)
ESCL-5041

1.さよならエレジー
2.いいんだよ、きっと
3.見たこともない景色
4.ピンクのアフロにカザールかけて
5.風になってゆく
6.台詞
7.スプリンター
8.ゆらゆら
9.呼吸
10.浅草キッド
11.灰色と青
12.茜色の夕日

  <p>黒猫チェルシー『ベイビーユー』通常盤

黒猫チェルシー
『ベイビーユー』通常盤(CD)

2017年12月13日(水)発売
価格:1,296円
SRCL-9616

1. ベイビーユー
2. ベイビーユー ―宮田岳ver.―
3. ベイビーユー ―澤竜次ver.―
4. ベイビーユー ―岡本啓佑ver.―
5. ベイビーユー ―渡辺大知ver.―

プロフィール

菅田将暉
菅田将暉(すだ まさき)

1993年2月21日大阪府生まれ。2009年『仮面ライダーW』でデビュー。2013年には、第37回日本アカデミー賞新人俳優賞を始め、数々の映画賞を受賞。2017年公開の「あゝ、荒野」で日本アカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞。公開待機作品に「となりの怪物くん」(4月27日公開)がある。今注目の実力派若手俳優。2017年6月7日「見たこともない景色」でCDデビュー。

渡辺大知(わたなべ だいち)

1990年8月8日生まれ、兵庫県神戸市出身。4人組ロックバンド【黒猫チェルシー】のボーカルを務める。2017年2月に3枚目のアルバム「LIFE IS A MIRACLE」を発売し全国ツアーを敢行。同年12月には渡辺自身も出演した映画『勝手にふるえてろ』の主題歌「ベイビーユー」をリリース。この春以降も各地にてワンマンLIVE等を予定している。俳優としても映画『色即ぜねれいしょん』で第33回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。多数のドラマ、CMにも出演し映画監督作品も公開されるなど、多彩な才能を開花させている。

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