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古市コータローと『孤独のグルメ』久住、こだわる面白さを語る

古市コータローと『孤独のグルメ』久住、こだわる面白さを語る

古市コータロー『ピラニア通りのブルース』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:鈴木渉 編集:川浦慧、矢島由佳子

『孤独のグルメ』のドラマを作るのは、もうとにかく面倒くさいんですよ。(久住)

—それにしても、『孤独のグルメ』のドラマは、なぜこれほどまで人気が出たのでしょう?

久住:知りませんよ(笑)。みなさんが、どう面白いと思っているかなんて、僕は知りません。僕はただ、自分が面白いと思っているから、やっているだけであって。

ドラマ版は、いまある現役の店でやっているわけですけど、とくに古い店がいいとも別に言ってないですしね。まだ2年しか経ってないような新しい店も登場するし。

—お店はどういった基準で選ばれているんですか?

久住:あの話は、全部、主人公(井之頭五郎)が偶然入る店なんですよね。あらかじめ店を調べてから行くのではなく、どこかの町にいて、腹が減ってどうしようってなって、そのあたりの店を探すっていう。で、そうやって偶然入った店で、小さなドラマが生まれるわけじゃないですか。まあ、主に主人公の頭の中の話なんだけど(笑)。

いまは、みんな調べるでしょう。店があったら、入る前に「ここはどうかな?」ってスマホで検索したりして。僕に言わせたら、そんなの全然勝負じゃないですよ。保険を打って入っているわけだから。

古市:やっぱり、そういう思考に面白さがありますよね。前情報を入れずに、気になるお店に入ったりする「勝負」を面白がれるというか。個人的には、そこにすごく共感してしまうんです。ツアー中、それはもう、毎日のことですから。

左から:古市コータロー、久住昌之

久住:『孤独のグルメ』のドラマを作るのは、もうとにかく面倒くさいんですよ。まず店を見つけるのが、すごく大変なんです。スタッフには、「ネットに頼らずに」って言ってあるから、みんな歩き回って必死で探すんですよ。

—ドラマに登場するお店は、全部スタッフが自分たちの足で探しているんですね。

久住:そう、みんな「勝負」してるんですよ。放送が決まると、スタッフ全員でいろんな店を出し合って、よさそうだってなったら、今度はその店に行ったやつが、もうひとり連れて、その店に行くんです。で、またみんなで相談して、「ここはドラマにできそうだ」ってなったら、今度は4人とか5人で行って、いままで頼んでなかったメニューを、とにかく全部頼んで食べてみるんです。

それで、「絶対いける」ってなったら、そこで初めて「実は、『孤独のグルメ』というドラマを作っている者なんですけど……」って言って、お店の人に交渉を始めるんです。

—そんなに手間暇を掛けているんですね。

久住:そうやって店が決まったら、そこに役者を連れて行って撮影をする。普通のグルメ番組だったら、出してくれるものを「うまい!」とか言って食べて終わりなんだけど、『孤独のグルメ』は最後に松重(豊)さんのモノローグを録る。松重さんの台詞だけは、僕が全部直すんです。もう、ほとんど真っ赤になるぐらいに。

久住昌之

古市:へー!

久住:肉が「ジューシー」とか「柔らかい」とか、そういう言い回しは全部ダメ。で、最後にそのモノローグをのっけて、ようやく完成するっていう。そうやって、毎回何重にも、時間と手間を掛けて作っているんです。

古市:そういうのが、見ている側にも、きっと伝わってくるんでしょうね。

久住:そう。そこには流行りとか、昔を懐かしむとかは、まったくないんです。いま面白いものを、みんなで真剣に探しているし、できたらそれが普遍的なものであってほしい。いま面白いとか美味しいと思ったものが、10年経ってもそう見えるようなものを作りたいと思ってやっているんですよね。

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リリース情報

『ピラニア通りのブルース』
『ピラニア通りのブルース』

2017年12月20日(水)発売
価格:3,240円
COCP-40209

1.悪魔のベイビー / 寺内 タケシ&バニーズ
2.風とオトコのコ / 弘田三枝子
3.サイケな街 / 万里れい子
4.人生は気まぐれ / ザ・ゴールデン・カップス
5.サイケデリック・マン / ジャッキー吉川とブル・ーコメッツ
6.KISS ~K・I・ダブルS~ / 万里れい子
7.ブラインド・バード / ザ・モップス
8.ラスト・チャンス / 内田裕也とザ・フラワーズ
9.スネイク・ヒップ / 日野皓正クインテット
10.クールな恋 / ザ・ゴールデン・カップス
11.欲ばりな恋 / ザ・モージョ
12.ロンリーガール / ザ・サマーズ
13.イエス・ノー・イエス / ザ・クラックナッツ
14.クレイジー・ミッドナイト / ザ・モージョ
15.電話でいいから / アウト・キャスト

番組情報

ドラマ24『孤独のグルメ Season7』

2018年4月6日(金)から毎週金曜深夜0:12~テレビ東京などで放送

原作:久住昌之原作、谷口ジロー作画『孤独のグルメ』(扶桑社)
出演:
松重豊
ほか

プロフィール

古市コータロー
古市コータロー(ふるいち こーたろー)

THE COLLECTORSのギタリストとして1987年『僕はコレクター』でメジャーデビュー。以来THE COLLECTORSとして22枚のオリジナルアルバムをリリース。2017年3月1日に行われた初の日本武道館ワンマンライブも大成功を収める。同6月よりキャリア最長となる全国32ヵ所に渡るツアーを行う等、デビュー30周年も精力的に活動。2018年は1月から12ヶ月間渋谷CLUB QUATTROでのマンスリーライブが決定している。

久住昌之(くすみ まさゆき)

1958年7月15日、東京・三鷹生まれ。法政大学社会学部卒。美學校・絵文字工房で、赤瀬川原平に師事。1981年、泉晴紀と組んで「泉昌之」名でマンガ家としてデビュー。泉昌之名義では、デビュー作にしてロングセラーの単行本「かっこいいスキヤキ」他、「ダンドリくん」「豪快さんだ!」など単行本多数。谷口ジローと組んで描いたマンガ「孤独のグルメ」は、2012年にTVドラマ化され、season7決定。劇中全ての音楽の制作演奏、脚本監修、最後にレポーターとして出演もしている。

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