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CHAIが伝える「わがまま」の美しさ。ただの「自己中」とは違うよ

CHAIが伝える「わがまま」の美しさ。ただの「自己中」とは違うよ

CHAI『わがまマニア』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子
2018/05/11

「我がまま」であることって、「プライドが高い」とは違うんだよね。(マナ)

—2曲目の“アイム・ミー”は<わがままなわたしをみて>というラインもあるし、おそらく『わがまマニア』のタイトルのきっかけにもなっている曲だと思うんですけど、「わがまま」って、人によってはネガティブなイメージを持つ言葉だと思うんです。CHAIが提示したい「わがまま」って、どんなものなのでしょう?

マナ:それは、「我がまま」ということ。人って、誰しもが完璧じゃないけど、完璧じゃない人間がありのままで歩いている姿って、すごくキラキラしていて私は好きなんだよね。きっと、その人は自分のことが好きだし、そういう人を見ていると、こっちも幸せな気持ちになるから。私たちだって、4人とも全然完璧じゃない。でも、そういう自分を好きでありたいって思うからね。

左から:ユウキ、マナ、カナ、ユナ
左から:ユウキ、マナ、カナ、ユナ

ユウキ:この歌詞は、1回書き直したんだよね。最初は「いい言葉をはめなきゃいけない」っていう先入観が生まれちゃって、結局、マナの等身大の言葉にならなくて。綺麗すぎる上辺の言葉ばかりが並んで、嘘を言わせてる感じになっちゃった。でも、等身大の言葉のほうが絶対に伝わるし、裸足で走り回っている子どもみたいな言葉がいいなと思って、今思っている自分たちのことを書き直したの。「みんな、周りのことを気にしないで」ということを言いたかった。

CHAI“アイム・ミー”(Spotifyを開く

—実際、CHAIの4人って、それぞれがどういう「我がまま」さを持っていると思いますか?

マナ:私は、自分は「子ども」だなぁって思う。それが「我がまま」さかな。これは人から言われて気づいたんだけど、私はきっと、運動会で走っている子どもみたいな感じなんだよね。運動会に行くと、お父さんお母さんが子どもたちを見守っているでしょ? でも、私は大人になっても、見守る側ではないんだよね。ずっと走り続けたいし、リレーで1位を獲り続けようとする子どもでいたいの。それで、そんな私を見たみんなに、「あぁ、愛おしい!」って思われたい(笑)。

—ははははは(笑)。でも、マナさんらしいですよね。

マナ:うん(笑)。そういう人ってかわいいし、走りたいように走っている人は、心も笑顔もきれいだと思うから。

ユナ:マナは少女だよね。だからCHAIの原動力になっていて。マナ先導で瞬発的に選んでいくものを私たちは信じているし。

マナ:ありがとう~(笑)。

マナ
マナ

—じゃあ、カナさん、ユナさん、ユウキさんの3人は、どんな「我がまま」さを持っていると思いますか?

マナ:カナは、CHAIのなかで一番クールだよね。性格が男らしいし、真面目だし。でも、それがカナにとっての一番美しい姿なんじゃない?

カナ:そうかもね。マナがこんな感じだから、私は1歩引いているっていう、それが私の「我がまま」かもしれない。端から見たら、マナと私は一緒に見えるかもしれないけど、実は全然違うよっていう。マナがメインを歌って、私はそのハモリをずっとやり続けたいし、「双子だけど違うよ」ということはちゃんと出していきたい。私は、マナと一緒に少女になりたいとは思わないから(笑)。

マナ:わっはっは!(笑) でも、私もカナみたいにはなれないからね。

カナ
カナ

—ユウキさんはどう?

ユウキ:私もマナに近いんだけど、「子どもらしくいたい」とは思うかな。人は、みんな歳とるじゃん? でも、心は歳とらないじゃん?

—うん。「大人」や「子ども」というカテゴライズは、ちょっとやっかいなときがありますよね。

ユウキ:そう、やっかいだと思う。そこに心は関係ないと思うし。「大人」と「子ども」の狭間でいたいっていうのが、私の「我がまま」さかな。自分のことを大人とも子どもとも言い切りたくないし、年齢で自分を決められたらつまらないし。

ユウキ
ユウキ

—ユナさんは?

ユナ:私はドラマーだから、みんなが演奏しやすい、歌いやすいドラムを叩くことが大前提なんだけど、それでも、叩いていて自分が気持ちのいいポイントってあるんだよね。感覚のレベルの話なんだけど、「今、グルーヴのってる!」みたいな瞬間があって。そこを譲りたくないっていうのは、私の「我がまま」さが出ている瞬間かもしれない。「このグルーヴは譲れない!」っていう。もちろん、「曲がよくなる方向にいこう」というのは大前提にあるんだけどね。

マナ:うん、「我がまま」であることって、「プライドが高い」とはちょっと違うんだよね。たとえば、私たちはプレイヤーとして、プライドよりも「CHAIの曲のため」が大事だったりするから。

ユナ
ユナ

1個だけでも自信を持つことができれば、前を向いて歩いていけると思うから。(ユウキ)

—5曲目の“Center of the FACE!”は、すごくCHAIらしい曲ですよね。歌詞のモチーフは「鼻」だし。

ユウキ:鼻は、見れば見るほど歪な形をしているんだけど、それがみんなに1個ついているのがいいと思うんだよね。この曲で一番言いたいことは、自分のなかに「これが私の一番見せたいところだ!」って思える部分が1個でもあれば、それだけですごく素敵だし、自信になるということ。なんでもいいから、1個だけでも自信を持つことができれば、前を向いて歩いていけると思うから。

CHAI“Center of the FACE!”(Spotifyを開く

—誰にでも1個は誇れるものがある。裏を返せば、1個だけでもあればいい。以前のインタビューでも同じことを話してくれましたけど、この視点は、やっぱりすごく優しいなって思います(参考記事:CHAIインタビュー USツアー後に日本人コンプレックスを大肯定)。THE BLUE HEARTSの“リンダ リンダ”の歌詞にある<決して負けない強い力を僕は一つだけ持つ>というフレーズを思い出すんですよね。

CHAIが伝えようとしていることって、ある意味、THE BLUE HEARTSくらいストレートで力強いことなんだなって。でも、やっぱり伝え方は違うんですよね。CHAIの表現にはユーモアが常にあるし、身体的なワードや食べ物が歌詞に入ってきたりするから(笑)。

ユウキ:うん、伝え方は大事だと思う。やっぱり、ユーモアはほしいなって思うんだよね。ユーモアがあると、表現に隙間ができるから。

「頑張って!」とか「傍にいるよ」みたいな応援ソングってあるじゃん。それはそれでいいと思うんだけど、私は、距離のある人からそういう言葉を投げかけられても響かないんだよね。逆に、自分に向けられていると思っていた言葉が不特定多数の人に向けた漠然としたものなんだって気づいた瞬間に、「自分はひとりなんじゃないか?」って、変に不安にもなっちゃったりするし。

—なるほど。

ユウキ:だから、“Center of the FACE!”はたまたま「鼻」だったけど、自分も確実に持っていて、相手も確実に持っているものをモチーフとしたほうが、信じられると思ったの。

マナ:やっぱり、お客さんとは「近いようで遠い」がいいんだと思う。本当の距離は遠いかもしれないけど、聴いている間は近くに感じるっていう。「同じ人間なんだ」ということが伝わって、見ているものや見たいものが共有できるのがいいんだよね。

左から:ユナ、カナ、マナ、ユウキ
左から:ユナ、カナ、マナ、ユウキ

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リリース情報

CHAI『わがまマニア』
CHAI 『わがまマニア』(CD)

2018年5月9日(水)発売
価格:1,728円(税込)
CHAI-006

1. We Are Musician
2. アイム・ミー
3. フューチャー
4. FAT-MOTTO
5. Center of the FACE!

イベント情報

『Because ウィーアー・CHAIトゥアー ~ワンマンだよ~』

2018年6月22日(金)
会場:大阪府 Music Club JANUS

2018年6月23日(土)
会場:愛知県 名古屋 JAMMIN'

2018年6月29日(金)
会場:宮城県 仙台 LIVE HOUSE enn 2nd

2018年7月1日(日)
会場:北海道 札幌 BESSIE HALL

2018年7月7日(土)
会場:福岡県 DRUM Be-1

2018年7月12日(木)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

2018年7月14日(土)
会場:東京都 渋谷 CLUB QUATTRO

プロフィール

CHAI
CHAI(ちゃい)

ミラクル双子のマナ・カナに、ユウキとユナの男前な最強のリズム隊で編成された4人組、「NEO - ニュー・エキサイト・オンナバンド」、それがCHAI。誰もがやりたかった音楽を全く無自覚にやってしまった感満載という非常にタチの悪いバンドで、いきなりSpotify UKチャートTOP50にランクイン、2017年SXSW出演と初の全米ツアーも大成功、FUJI ROCK FESTIVAL“ROOKIE A GO GO”超満員を記録など、破天荒な活動を繰り広げる。そして期待値最高潮のなか2017年10月に1stアルバム『PINK』をリリースし、オリコンインディーチャート4位、iTunes Alternativeランキング2位にランクイン。また日本テレビ系『バズリズム02』の「コレはバズるぞ2018」では1位にランクイン、『第10回CDショップ大賞2018』に入賞など、注目度が更に増す中、2月に『PINK』US盤をアメリカの人気インディーレーベルBURGER Recordsよりリリースし、3月にはアメリカ西海岸ツアーと2度目のSXSW出演を大成功に収める!彼女たちに触れた君の21世紀衝撃度No.1は間違いなく『NEOかわいいバンド』、CHAIだよ!

関連チケット情報

2019年4月14日(日)
SLOW DAYS
会場:服部緑地野外音楽堂(大阪府)

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