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ZOMBIE-CHANGが明かす、これまでの違和感と突き詰めたい表現

ZOMBIE-CHANGが明かす、これまでの違和感と突き詰めたい表現

ZOMBIE-CHANG『PETIT PETIT PETIT』
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:馬込将充 編集:川浦慧
2018/07/05

内側の表現はもうやり切ったから、今度は外側の、見える表現をしたいなと思いました。

—新作の制作は、メイリンさんが作ったデモを持っていって、メンバーとアレンジしていく方法で進めていったんですか?

メイリン:“レモネード”と“ときどき、わからなくなるの”と“WE SHOULD KISS”の3曲はトラックがまずあって、そこからみんなでアレンジして作ったんです。

メイリン:“なんかムカツク”は、まず健ちゃんにBPM180くらいの速いドラムを叩いてもらって、そこからパソコンでアレンジしていきました。パズルを作るみたいな感覚でしたね。それもいい意味でつまみ食いだなと思って。最高のドラマーと便利なパソコンを組み合わせたつまみ食いですね。

—全体を通して音を足しすぎないのは意識的だと思います。

メイリン:そうですね。私がリスナーとして繊細な音楽を聴いたときに、全部の音をちゃんと聴き取れなくて。それに、ライブでも再現できるサウンドにしたいと思ったんです。それを考えると、あんまり音を詰め込みすぎるのはよくないなって。

—より楽しく歌えてる感じが全面に出てますよね。

メイリン:ありがとうございます。前作までは自分を制御しつつ作品を作っていたところがあって。今は解放しつつも、自分をコントロールできるようになりたいと思っています。そういう意識が作品に出ているのかな。

—ライブのモードもどんどん変化しているんじゃないですか?

メイリン:変化してますね。今まで、ライブ中はお客さんをあまり見ないで自分の世界だけを押し通すような感じでやっていたんですけど、それじゃあどこでライブをしても自分の世界しか見えないと思って。本当はお客さんとコミュニケーションをとりたいし、みんなが楽しそうにしている顔を見たい。だから、自分を解放しないとダメだと思って。内側の表現はもうやり切ったから、今度は外側の、見える表現をしたいなと思いました。

—人とのコミュニケーションのとり方も変わってきましたか?

メイリン:だいぶ変わりましたよ。ずっと人見知りではあるんですけど、いろいろな人と出会っていくうえで、どうコミュニケーションをとったらいいかわかってきたというか。そうすると、人と話すのが楽しくなったし、人に興味が湧くようにもなってきて。

—相手を知ろうと思うようになったんですかね。

メイリン:そうですね。これまでは、その場しのぎという感じでした(笑)。仲のいい人とだけコミュニケーションをとっていればいいやと思っていたけど、今はいろんな人と話してみたいし、話すことの大切さを感じています。

メイリン

—歌詞も音と一緒に躍動する解放感があるんだけど、実はすごくセンシティブなことを歌っていて。それがとてもいいなと思いました。

メイリン:内なるものを内なる表現だけで出しても全然伝わらないから。ちゃんと現実とリンクさせたいという思いがありますね。

—メイリンさんが書く歌詞は女の子であることをすごく謳歌していると思うんですね。

メイリン:本当ですか! うれしいです。どんなところがそう思いますか?

—ちょっと傷ついているんだけど、それを愛らしいユーモアで包み込んでいて。この感じは男には出せないなぁと思いますね。

メイリン:言われてみれば、もともと感傷的なことが好きなんですよね。センチメンタルな感じが。木陰で好きな人を待ちわびたりするとか、雨に打たれたりとか(笑)。

—かなりセンチメンタルですね(笑)。

メイリン:それで「今、これ感傷的な気持ちだ……最高だ!」って思うんですよ(笑)。

—その感覚が最高だと思います。“オニオンスライス”とかまさにそういう感覚が顕著に表れていますよね。

メイリン:この曲は自分の性格がすごく出ているなと思います。すごく悲しかったとしても、誰かに「本当に悲しくてもう無理なんだ」とは言わないんですよ。ちょっとふざけてしまう。泣いていても「玉ねぎを切ったから涙が出ちゃったんだよね~」とか言って、ごまかしきれてないのがバレバレなんですよね(笑)。この曲はそういう感じを表現したくて。「ごまかしてるけど、あんたそれギャグになってるよ」っていう。

—その状況も、すごく切ないんだけど、シンセのリフとタムで回していく、いい意味でジャンクなバンドサウンドも相まってカラッとしているというか。

メイリン:そうですね。この曲はドラムが特徴的だと思う。健ちゃんに叩いてもらったときに「ちょっと今っぽい感じで気持ち悪い! 無理だ!」ってなったので、スネアを使うのをやめて全部タムだけでお願いしたんです。

「音楽をフリー素材だと思っている人」が作ったものばかりを子どもに見せたくないなぁと思うんですね。

—ZOMBIE-CHANGの曲は子どもが聴いても楽しく感じると思うんですよ。

メイリン:うれしいです。そうなれたらいいなと思って作った作品なので。楽しく口ずさんでほしいなって。今回はアートワークも全部自分でやったんですけど、小さい子にも触ってもらいたいと思ってデザインしました。

ZOMBIE-CHANG『PETIT PETIT PETIT』ジャケット</p>
ZOMBIE-CHANG『PETIT PETIT PETIT』ジャケット(Amazonで見る

メイリン:『おかあさんといっしょ』みたいに、小さい子がいっぱいいる中でライブもしてみたいですね。うたのおねえさんみたいなこともやってみたい! 小さいころに『ポンキッキーズ』が大好きだったので、ああいう子ども向け番組を作ってみたいんですよね。

—確かに『ポンキッキーズ』は、出演者もコンテンツも、今考えてもめちゃくちゃおもしろいですよね。

メイリン:今思えば、『ポンキッキーズ』を見ながら、無意識にいろんなカルチャーに触れられたなと思って。今はユーチューバーの方とかが子どもに人気だと思うし、それを否定するつもりはないんですけど、「音楽をフリー素材だと思っている人」が作ったものばかりを子どもに見せたくないなぁと思うんですね。

—メイリンさんが子ども向け番組のアイコンになったらかなり痛快ですね。

メイリン:なりたいです、本当に! 「誰か立ち上がって作ってくれ!」と思ってるんですけど、やっぱり番組を作るのってお金がかかるし、フリーのものが多く出回ったりするんだろうなって。難しいですね。

子どもたちが大人になったときに、文化的なおもしろいものに興味を持たなくなってしまうのは怖いじゃないですか。だから、心の広い大きな会社の方が、子どもたちにいろんな文化を伝えられる『ポンキッキーズ』のような場所を作ってくれたらって思うんですよね。そしたら、ぜひ私がうたのおねえさんになって、子どもたちにおもしろい文化を伝えていきたいです(笑)。

メイリン

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リリース情報

ZOMBIE-CHANG『PETIT PETIT PETIT』
ZOMBIE-CHANG
『PETIT PETIT PETIT』(CD)

2018年7月4日(水)発売
価格2,160円(税込)
ROMAN-016

1. レモネード
2. イジワルばかりしないで
3. ときどき、わからなくなるの
4. モナリザ
5. 愛のせいで
6. WE SHOULD KISS
7. なんかムカツク
8. オニオンスライス

イベント情報

『ZOMBIE-CHANG「PETIT PETIT PETIT」Release Tour』

2018年8月25日(土)
会場:福岡県 福岡 Kieth Flack

2018年9月17日(月・祝)
会場:大阪府 南堀江 socore factory

2018年9月22日(土)
会場:東京都 渋谷 WWW

プロフィール

ZOMBIE-CHANG
ZOMBIE-CHANG(ぞんびーちゃんぐ)

メイリンのソロプロジェクト。作詞作曲、トラック、リリック全てを彼女が手掛け、2016年に配信「恋のバカンスE.P.」でデビュー。その後、1stアルバム『ZOMBIE-CHANGE』をリリース。2017年3月には2nd アルバム『GANG!』をリリースし、リリースパーティーを青山のPIZZA SLICEで開催。また、SUMMER SONIC 2017、WORLD HAPPINESS、コヤブソニックなどのフェス出演や、TAICOCLUB主催のサンリオ43周年パーティー、sacaiとUNDERCOVERによるPartyへのライブ出演など、活動範囲は多岐に渡る。2018年からは3ピースバンド体制で始動。音楽プロジェクト以外にも、執筆業、ラジオMCなどとしても活動。ジャンルに捉われないオリジナリティ溢れる音楽性と、独自の世界観を放つライブ・パフォーマンスは中毒性が高く、今最も注目される女性アーティストのひとり。

関連チケット情報

2019年5月18日(土)〜5月19日(日)
CIRCLE '19
会場:海の中道海浜公園 野外劇場(福岡県)

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