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大谷ノブ彦×柴那典が語る、ミスチル、ワンオク、エルレの2018年

大谷ノブ彦×柴那典が語る、ミスチル、ワンオク、エルレの2018年

『NEWTOWN 2018』
テキスト
柴那典
撮影:CINRA.NET編集部 編集:中島洋一、山元翔一

僕の今年の夏のハイライトはELLEGARDENの復活ライブだったんですよ。(柴)

:で、僕の考えとしては、そういう感謝の25周年が終わったから、今度はロックスターとして背中を見せることを選んだんだと思うんです。だって、インタビューを読んだら、普段のトレーニングとか栄養管理について語っていて、スポーツ選手みたいなんですよ。

大谷:ははははは! めっちゃサッカーやってるしなあ。

:スポーツ選手とも交流も多いですし、彼らのメンタリティーはアスリートに相当近いんだと思います。

大谷:歌うことは身体を消費することですしね。そう考えると『重力と呼吸』ってタイトルも、アスリート的な発想の言葉なのかもしれない。

:たしかに! ともかく、このアルバムを作ったことでMr.Childrenは確実に蘇生したと思います。

大谷:『深海』以来の最高傑作ロックアルバムだと思いますね。

大谷ノブ彦

:ONE OK ROCKの話が出たから言いますけど、僕の今年の夏のハイライトはELLEGARDENの復活ライブだったんですよ。

大谷:おお! どうでした?

:めちゃくちゃ感動して、久々に泣いちゃったんです。こっちはMr.Childrenとの横浜アリーナとは逆で、ONE OK ROCKがオープニングアクトでELLEGARDENがトリだった。というか、そもそも、これはONE OK ROCKがいたからこそ実現したステージだったんです。

Takaさんが2年前くらいから細美武士さんに「ELLEGARDENの復活ライブをやってください、そのために必要なことは俺が全部やります」って言って、いろんな方面を口説き落としたそうなんです。だって、ELLEGARDENの復活はトップシークレットなわけですよ。だけど、発表と同時にマリンスタジアムが決まっていたわけで。

ONE OK ROCK・TakaのInstagramより。マリンスタジアム公演直後のELLEGARDENとONE OK ROCKのメンバー

大谷:そういうことか! あそこは相当前からじゃないと押さえられなかったはずだ。

:つまりこれは僕の推測ですが、そもそもあの日のマリンスタジアムは、ONE OK ROCKのワンマンライブが行われる予定で押さえていたんだと思うんです。それが実はELLEGARDENの復活ライブであることを知っているのは、本当に限られた人たちだけだった。細美さん自身、インタビューでONE OK ROCKがいなかったら実現しなかったって言ってるんです。実際、何度か復活ライブの話は持ち上がったんだけど、うまくいかなかったみたいで。

大谷:なるほど。まあ、いろいろあるでしょうね。

:これも僕の推測ですけど、たとえば「うちのフェスでELLEGARDEN復活を」みたいな話だってあったと思うんです。けれど、きっとそれはやりたくなかった。10年前に新木場STUDIO COASTで活動休止のライブをやったときに「きっと戻ってくるからな」ってファンと約束をしたから。つまり余計な第三者が混じるとファンと自分たちの物語じゃなくなっちゃう。

ELLEGARDENのオフィシャルInstagramより

大谷:なるほど。ファンの物語とどう対峙するか。

:だけど、ONE OK ROCKはピュアにELLEGARDENのファンなんですよ。だからファンである彼らがお膳立てしたなら、その物語に余計なものが混じらない。Takaさんが当日のMCで言っていたんだけど、「俺らはELLEGARDENの復活を待ち望んでた君らと一緒だから。もし復活ライブがあったときにその場にいれないのが絶対イヤだから前座で出ることにしたんだ」って。

大谷:いい話だなあ。ずっと覚えてるんだけど、Takaは最初に武道館やったときにも「俺がここに立てるってことは君もできるから」って言ったんですよね。青臭いこと言うなって思ったけど、そこからずっと変わってない。

日本が、ロックが元気な国であるっていうのは、単なるトレンドの話じゃなくて、ロックスターを引き受ける気概と肉体を持った人がいるってこと。(柴)

:つまりこれがどういうことかって言うと、2018年、ONE OK ROCKという誰よりもシビアな戦いを世界でやっている日本のロックバンドが、ELLEGARDENという2000年代の日本のロックシーンを代表するバンド、そしてMr.Childrenという1990年代以来のJ-POPを代表するバンドを、それぞれのやり方で蘇生させたってことなんです。

大谷:おお! そう考えると本当におもしろい!

:これ、ONE OK ROCKを真ん中に置いて、ELLEGARDENとMr.Childrenをその左右に置いて考えるとわかりやすいんです。Mr.Childrenは「スタジアムバンド」で、ONE OK ROCKは「スタジアムロックバンド」。ELLEGARDENは「ライブハウスのロックバンド」なんですよ。

大谷:なるほど、たしかに。

:あの日、細美さんがMCで「今まで一度も思ったことなかったけど、今日だけはスタジアムに立つようなロックスターをやってみてもいいかなって思えた」って言ったんですけど、それは間違いなくONE OK ROCKに触発されてそう思ったんだろうなと。

大谷:だって、今、ELLEGARDENが復活するって言ったら、スタジアムでやるしかないですもんね。チケットだって即完だったし、入れなかった人が周りにすごい集まってたんでしょ? みんなに求められるものを引き受けてハッピーにやるならスタジアムロックバンドになるしかなかった。

:そうそう。で、一方のMr.Childrenはスタジアムバンドなんです。さっき大谷さんが言ったように、ホールツアーよりもスタジアムが似合うポップスをやってきた。でも、今までみたいにみんなの期待を背負うことじゃなくて、ロックバンドとしての肉体性でやれるんじゃないかと奮い立たされた。だからMr.Childrenも「スタジアムロックバンド」になった。これ、「ONE OK ROCKすげえぞ」っていう結論なんですけど。

柴那典 

大谷:いやあ、ほんとだわ。日本のロック、まだまだいけますね。

:そうなんです。日本が、ロックが元気な国であるっていうのは、単なるトレンドの話じゃなくて、ロックスターを引き受ける気概と肉体を持った人がいるってことなんですよ。細美さんは45歳だし、桜井さんは48歳だし、2人ともめっちゃ身体を鍛えてる。そこに火をつける30歳のTakaさんがいる。こんな関係性、他の国にはないんじゃないかな。

大谷ノブ彦と柴那典による「心のベストテン」は、11月10日(土)に『NEWTOWN 2018』にて公開トークを行う
大谷ノブ彦と柴那典による「心のベストテン」は、11月10日(土)に『NEWTOWN 2018』にて公開トークを行う(詳細を見る
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イベント情報

『心のベストテン 公開放談――平成が終わっても音楽は鳴り止まない』

2018年11月10日(土)
会場:東京都 多摩センター デジタルハリウッド大学 八王子制作スタジオ(旧 八王子市立三本松小学校)
時間:17:30~19:00
教室:2A
出演:大谷ノブ彦、柴那典
料金:無料

「音楽についてパァッと明るく語りたい! なぜなら、いい音楽があふれているから!」。ハートのランキングを急上昇しているナンバーについて、熱く語らう音楽放談の公開トークをお届け。cakesの人気連載『心のベストテン』が、CINRA.NETでリブート。邦楽から洋楽、芸能から時事まで『NEWTOWN』でも、縦横無尽に語り尽くします。

プロフィール

大谷ノブ彦(おおたに のぶひこ)

1972年生まれ。1994年に大地洋輔とお笑いコンビ・ダイノジを結成。よしもとクリエイティブ・エージェンシー所属。音楽や映画などのカルチャーに造詣が深い。相方の大地と共にロックDJ・DJダイノジとしても活動。著書に『ダイノジ大谷ノブ彦の 俺のROCK LIFE!』、平野啓一郎氏との共著に『生きる理由を探してる人へ』がある。

柴那典(しば とものり)

1976年神奈川県生まれ。音楽ジャーナリスト。ロッキング・オン社を経て独立、雑誌、ウェブなど各方面にて音楽やサブカルチャー分野を中心に幅広くインタビュー、記事執筆を手がける。主な執筆媒体は「AERA」「ナタリー」「CINRA」「MUSICA」「リアルサウンド」「ミュージック・マガジン」「婦人公論」など。日経MJにてコラム「柴那典の新音学」連載中。CINRAにてダイノジ・大谷ノブ彦との対談「心のベストテン」連載中。著書に『ヒットの崩壊』(講談社)『初音ミクはなぜ世界を変えたのか?』(太田出版)、共著に『渋谷音楽図鑑』(太田出版)がある。

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