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『AKIRA』を愛するThe Taupeが鳴らす、未来の理想の東京

『AKIRA』を愛するThe Taupeが鳴らす、未来の理想の東京

The Taupe『NEO TOKYO帝国』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:伊藤惇 編集:山元翔一
2018/11/21

赤を基調に、ドギツイ色彩に染められた街の風景。そのなかのひとつの看板に描かれた「MAD」という文字。そして、周りの色彩に今にも埋もれてしまいそうに、真ん中に書かれた「NEO TOKYO帝国」という言葉……。4ピースバンド、The Taupe(トープ)の1stミニアルバム『NEO TOKYO帝国』のジャケットは、これを描いたバンドのフロントマン、かわもトゆうきの脳内で生み出されたであろう、東京という街の未来、そのひとつの理想像を表しているようだ。毒々しい色彩に彩られたその街の景色は、見るだけで狂気的で、享楽的で、エナジェティック。これがきっと、かわもトの夢想する「東京」という街の未来なのだろう。

ガレージ、サイケ、ポストパンク……様々なエッセンスを昇華したフリーキーなサウンドに乗せて、The Taupeは呼びかける。「踊ってみろ」「笑ってみろ」「とにかく、お前の感情を剥き出しにしてみろ」と。そして、この音に身を任せているうちに思う。「こんな最高にバカげた熱狂に未来を照らされるのも、悪くはないな」と。歌詞ではワケのわからないことばかり歌っている、かわもトゆうき(Vo,Gt)の脳内をちょっと覗きにいってみた。

東京では、もう毎日のように人身事故で電車が遅れるじゃないですか。

—The Taupeは、これまで中国やカナダでツアーをおこなっているんですよね。そういった場所に音楽を鳴らしに行くことによって、東京という街を再発見することはありましたか?

かわもト:そうですね……中国もカナダも、回った場所はすごく都会だったので、そこまで東京との違いは感じなかったんですけど、強いて言うなら、やっぱり東京は便利な街だと思いました。

あと、特にカナダは、人が自由に生きている感じはしましたね。僕の東京のイメージでは、街を歩いている人たちが、みんな窮屈そうなんですよ。でもカナダには窮屈な感じがなくて、みんなストレスフリーで生きているような印象を受けました。

The Taupe(左から:ニール・パティ パティ パティ、かわもトゆうき、おのてらえみ、しょーへい先生)
The Taupe(左から:ニール・パティ パティ パティ、かわもトゆうき、おのてらえみ、しょーへい先生)

—なるほど。なぜ、最初にこんなことを訊くのかというと、1stミニアルバム『NEO TOKYO帝国』は、そのタイトルからして、「街」というものに対してのThe Taupeなりの明確な意思表示として作られた作品なのかなと思ったんです。

かわもト:「街」というものに特別な想いがあるわけではないんですけど、僕、アニメとか日本のサブカルチャーが好きで。そのなかでも『AKIRA』(1988年公開。原作・監督ともに大友克洋)の映画がめちゃくちゃ好きでなんですよね。そこからインスピレーションを受けて、『NEO TOKYO帝国』っていうタイトルにしたんです。

僕は生まれが岐阜なんですけど、東京って、日本のなかでもめちゃくちゃ異質な都市だと思うんですよ。自分が東京に対して感じている異質さを表現できるような言葉を、タイトルにできればいいなと思って。

—「ネオ東京」は『AKIRA』に登場するワードですし、1曲目“EXPLOSION1975”にも<AKIRA最高かよ>という歌詞もありますよね。『AKIRA』に関しては、どういう部分に惹かれたのでしょう?

かわもト:僕はリアルタイムの世代ではないので、1~2年前に初めて映画を見たんですけど、30年近くも前の時代に作られた作品なのに、クオリティーの面で今の時代に見ても見劣りしないことに衝撃を受けて。それに『AKIRA』は、僕の持っている感覚とフィットしていたというか……とにかく、どストライクだったんですよね。

The Taupe『NEO TOKYO帝国』を聴く(Apple Musicはこちら

—どういった部分で、『AKIRA』とご自身の感覚が一致したのでしょうね?

かわもト:う~ん…………(熟考)。これに関しては、説明するのが難しいですね。自分の頭のなかを言葉にするのが難しい(笑)。

—わかりました(笑)。かわもトさんが上京されたのはいつですか?

かわもト:5年前ですね。その前は名古屋でバンドをやっていたんですけど、そのときのバンドメンバーが東京の学校へ行くことになって。「自分はどうしようかなぁ」って思ったんですけど、名古屋に固執する必要もないなって思ったし、そもそも東京に行きたいっていう憧れもあったので、それで出てきました。

—先ほども「窮屈」というワードが出ましたけど、かわもトさんが思う「東京の異質さ」ってどんなものでしょう?

かわもト:僕が東京に出てきて一番衝撃的だったのが、毎日のように人身事故が起こることなんです。岐阜や名古屋に住んでいた頃は、人身事故に遭遇することなんて1か月に1回あるかないかくらいだったけど、東京では、もう毎日のように人身事故で電車が遅れるじゃないですか。それだけ、人は東京という都市に精神を飲み込まれているのか……って、衝撃でした。

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リリース情報

『NEO TOKYO帝国』
The Taupe
『NEO TOKYO帝国』(CD)

2018年11月14日(水)発売
価格:1,500円(税込)
CMI-0045

1. EXPLOSION1975
2. ヨガ=フレイム
3. サイコキネシス
4. メアリー
5. RIOT ROOM
6. CITY EYE

プロフィール

The Taupe(とーぷ)

自らをバンドではなく妖怪と称す東京の男女4人組オルタナティヴ集団。ソリッドかつダイナミックなオルタナ感をベースに、ノイズ、ポストロック、ニューウェイブ等、変幻自在に唯一無比の世界観を炸裂。『FUJI ROCK FESTIVAL'16 ROOKIE A GO-GO』出演。2018年11月、ミニアルバム『NEO TOKYO帝国』をリリースした。

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