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OKAMOTO’Sが大人と少年の間で語る、28歳で迎えた10周年の心境

OKAMOTO’Sが大人と少年の間で語る、28歳で迎えた10周年の心境

OKAMOTO'S『BOY』
インタビュー・テキスト
天野史彬
撮影:垂水佳菜 編集:山元翔一(CINRA.NET編集部)

今の若い世代の人たちは、いかに自分の好きなものをわがままに表現しようとしているかという姿勢のほうを評価してくれていると思う。(ショウ)

—たしかに後世に残る曲って、そういうものなのかもしれないですね。その曲が生まれた瞬間は、おそらく、その曲に刻まれているのは作者のパーソナルな心情なんだけど、そこに人々の気持ちが重ねられることで、20年後や30年後、時代や世代を象徴するものとして語られるっていう。

コウキ:今回の『BOY』で歌っていることは暗い心情だったり、不安感が刻まれているものも多くて、「これ、本当にわかってもらえるのかな?」って今もすごく心配なんです。「もっと派手なことを書いたほうがいいんじゃないか?」「わかりやすく盛り上がるテーマがあったほうがいいんじゃないか?」ということを考えたりもしました。「曲も歌詞も暗すぎるんじゃないか?」って。

オカモトコウキ
オカモトコウキ

ショウ:今回のアルバム制作において、俺とコウキはものすごく不安になる要素が多くて。何度もふたりで話し合いました。「もっと派手なフックを作らないとダメなんじゃないか?」とどちらかが言いはじめたら、もう一方が「いやいや、これで大丈夫」ってなだめる、というか……その繰り返しで。

でも、今の若い世代の人たちは、「メディアがプッシュしている音楽だから聴く」というスタンスではないですよね。いかに自分の足で立っていて、いかに自分の好きなものをわがままに表現しようとしているかという姿勢のほうを評価してくれていると思うんですよ。そういうところを信じながら貫いていったイメージです。

—でも、そこまで「暗さ」や「不安感」が曲に刻まれるのは、どうしてなのだと思いますか?

ショウ:ひとつは、28歳という自分たちの年齢感が要因としては大きいのかなと思います。

オカモトショウ
オカモトショウ

—それはきっと、『BOY』というタイトルが示唆している部分でもありますよね。この点に関しては、のちほど4人全員に語っていただこうと思っているんですけど。

ショウ:なるほど。あと、今回のアルバムは「サイクルの速さ」ってということもテーマとしてありました。ネットの普及が要因として大きい要素だと思いますが、今は流行りがどんどん次へ次へと移行していってしまう感覚があって。その「速さ」って、基本的には嘆かれていると思うんです。サイクルが速すぎて、本当にいいものが残っていかないというか。

でも、世の中がそういう速いテンポ感のサイクルになっていったことを、このアルバムでは肯定したかった。今の10代や20代前半ぐらいの人たちは、この速いテンポが当たり前のなかで生きているじゃないですか。前の時代のことなんて知らないし、関係ないと思うんですよ。

—まさにそうだと思います。ただ最初にも話に出ましたけど、これまでのショウさんは基本的に「昔から残ってきたものが好き」というスタンスがあるわけですよね。

ショウ:まさしく。だからこそ、個人的には勇気がいることでもあって。1曲目の“Dreaming Man”では、「自分たちにはヒット曲がない」という悲しみも含めて、「今の人が何かを作ってもムーブメントなんて起こらないし、俺たちがやっていることが認められる日なんて来ない。ただ、俺たちが俺たちでわかってやるしかないんだ」ということを歌いたくて。

でもそれ自体は、俺のような昔の音楽が好きで、レコードも大好きでという回顧的な人間が、自分の大好きなものがたくさんある「過去」を否定することでもあると思っていて。それはすごく勇気のいることでしたが、だからこそ、今の俺がこれを歌うことに意味があるなとも同時に思うことができたというか。

OKAMOTO'S『BOY』収録曲

「もう1回、シンプルなロックをやる」っていう選択肢が、自然と自分たちのなかから出てきた感じがあった。(コウキ)

—サウンド面でいうと、『NO MORE MUSIC』は目に見えてヒップホップ的な質感が強い部分もあったと思うんですけど、今作は土台にそうした質感を残しつつも、一聴して「ギターのアルバムだ」って思わせられる感覚がありました。

コウキ:たしかに、これまでで一番「ギターのアルバム」になったかもしれないです。「もう1回、シンプルなロックをやる」っていう選択肢が、自然と自分たちのなかから出てきた感じがあって。

ショウ:「ぶっ壊したい」という気持ちが、曲を作っているときに生まれてきて。整合性なんてつかなくていいから、とにかくぶっ壊したかった。この数年間で、「主張はないけど、スタイルはいい」といった音楽が流行った時期があったと思うんですよ。『NO MORE MUSIC』は、まさにそんな「主張よりもスタイル優先の時代」の真っ只中に出た作品という感じがします。

OKAMOTO'S『NO MORE MUSIC』収録曲

ショウ:俺らもスタイル優先の音楽は大好きなんですよ。むしろ、日本では「やっとスタイルのかっこいい音楽が評価されるようになった」という側面もあると思いますし。でも、今の自分が一番発したいエネルギーは、それではなかったんですよね。スタイルを破壊するような、刺激的で、冷たさよりも熱さのあるものを求めた。結果的に、すごく生身のサウンドになりましたし、これで正しかったなと思います。

コウキ:うん、正しかった。

—では、このブロックの最後に、ずっと訊いてみたかったことなんですけど、おふたりには、歌詞を書くうえで影響を受けた人などはいますか?

ショウ:俺は、チャールズ・ブコウスキーかな。『くそったれ!少年時代』(1982年)なんかは、邦題も最高だと思う(笑)。ブコウスキーと、あとは、中島らも。それにルー・リードも好きですね……。破滅的で孤独な人が好きなんだと思います(笑)。

コウキ:僕は、作家だったらポール・オースターが好きです。ロマンチックな物語を多く書く人で。将来結婚する人が、実は10代のときに隣のマンションに住んでいた人だった、みたいな……そんな話ばっかり書いている作家なんですよね。彼の『偶然の音楽』(1980年)っていう小説は、今回のアルバムの“偶然”の歌詞の元ネタです。

オカモトコウキ
オカモトコウキ
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リリース情報

『BOY』初回生産限定盤
OKAMOTO'S
『BOY』初回生産限定盤(CD+DVD)

2019年1月9日(水)発売
価格:4,104円(税込)
BVCL-951/2

[CD]
1. Dreaming Man
2. Hole
3. FOOL
4. Higher
5. ART(FCO2811)
6. 偶然
7. NOTHING
8. Animals
9. DOOR
10. Dancing Boy
[DVD]
レコーディングドキュメンタリー

OKAMOTO'S
『BOY』通常盤(CD)

2019年1月9日(水)発売
価格:3,564円(税込)
BVCL-953

1. Dreaming Man
2. Hole
3. FOOL
4. Higher
5. ART(FCO2811)
6. 偶然
7. NOTHING
8. Animals
9. DOOR
10. Dancing Boy

OKAMOTO'S
『BOY』完全生産限定アナログ盤(12インチアナログ)

2019年1月9日(水)発売
価格:4,860円(税込)
BVJL-30

イベント情報

『OKAMOTO'S 10th ANNIVERSARY LIVE “LAST BOY”』

2019年6月27日(木)
会場:東京都 九段下 日本武道館
料金:メンバー直筆サイン入りオリジナルチケット5,500円 一般5,400円

『OKAMOTO’S 10th ANNIVERSARY LIVE TOUR 2019 "BOY"』

2019年4月6日(土)
会場:神奈川県 横浜BAY HALL

2019年4月13日(土)
会場:静岡県 浜松窓枠

2019年4月14日(日)
会場:三重県 松阪M'AXA

2019年4月20日(土)
会場:長野県 長野CLUB JUNK BOX

2019年4月21日(日)
会場:石川県 金沢EIGHT HALL

2019年5月16日(木)
会場:青森県 青森Quarter

2019年5月18(土)
会場:北海道・札幌PENNY LANE 24

2019年5月19日(日)
会場:北海道・札幌PENNY LANE 24

2019年5月23日(木)
会場:京都府 京都磔磔

2019年5月25日(土)
会場:香川県 高松MONSTER

2019年5月26日(日)
会場:滋賀県 滋賀U☆STONE

2019年6月1日(土)
会場:広島県 広島CLUB QUATTRO

2019年6月2日(日)
会場:鳥取県 米子AZTiC laughs

2019年6月8日(土)
会場:群馬県 高崎club FLEEZ

2019年6月9日(日)
会場:宮城県 仙台RENSA

2019年6月13日(木)
会場:鹿児島県 鹿児島CAPARVO HALL

2019年6月15日(土)
会場:福岡県 福岡DRUM LOGOS

2019年6月16日(日)
会場:熊本県 熊本B.9 V1

2019年6月22日(土)
会場:愛知県 名古屋DIAMOND HALL

2019年6月23日(日)
会場:大阪府 なんばHatch

プロフィール

OKAMOTO'S
OKAMOTO'S(おかもとず)

オカモトショウ(Vo)、オカモトコウキ(Gt)、ハマ・オカモト(Ba)、オカモトレイジ(Dr)による、中学校からの同級生で結成された四人組ロックバンド。2010年、日本人男子としては最年少の若さでアメリカ・テキサス州で開催された音楽フェス『SxSW2010』に出演。アメリカ7都市を廻るツアーや豪州ツアー、香港、台湾、ベトナムを廻ったアジアツアーなど、海外でのライヴを積極的に行っている。2019年1月6日には8枚目となるオリジナルアルバム「BOY」の発売が決定。さらには6月27日に自身初となる東京・日本武道館でのワンマンライブの開催が発表された。

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