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箭内道彦×小杉幸一 かつての「憧れ」を取り戻す、広告界の戦い

箭内道彦×小杉幸一 かつての「憧れ」を取り戻す、広告界の戦い

パルコ「50年目の、新しいパルコ。」
インタビュー・テキスト
長嶋太陽
撮影:垂水佳菜 編集:中田光貴、久野剛士(CINRA.NET編集部)

パルコはたくさんの人格があって、いい意味で多重人格なんです。(小杉)

—これまでおふたりが一緒に手がけた広告について教えてください。

小杉:「ふくしまプライド。」という福島の農産物の魅力を伝えるプロジェクトが最初ですね。あとは、いまはまだ言えない仕事もあったり。

福島県「ふくしまプライド。」ロゴ
福島県「ふくしまプライド。」ロゴ

箭内:あと、一緒にプレゼンに負けたり。

一同:(笑)。

—いままでのお話を聞いていると、競合プレゼンだとしても、「勝つための提案」をされないんじゃないかな、と思いました。

箭内:そうなんですよ。勝つために提案するよりは、「こうしたほうがいいのに」っていうおせっかいの広告を提案するんです。だから勝率10割には絶対なれない。

箭内道彦

—パルコの広告の取り組みは、どういったきっかけではじまったんですか?

箭内:パルコって、やっぱり広告業界では憧れの仕事で、「いいなー」ってずっと見ていて、ある日「こんなCMを作るべきだ」というデモテープを送ってみたんですよ。そうしたらパルコの担当の方がすぐ電話をかけてきてくれて、「頼んでもないのに送られてきたのは初めてだ!」って感激してくれたんです。その2年後くらいに「やっと仕事を頼めるときになりました」って、広島パルコの新館オープンのお仕事をいただきました。それからはずっとやらせていただいています。

小杉:僕は「パルコアラ」ですね。博報堂として自主プレゼンをしました。自分にとっては大きなターニングポイントになる仕事でした。

小杉幸一が手がけた「パルコアラ」パルコ50周年ビジュアル
小杉幸一が手がけた「パルコアラ」パルコ50周年ビジュアル
小杉幸一デザインのパルコ50周年ロゴ
小杉幸一デザインのパルコ50周年ロゴ
パルコ「2017年夏のグランバザール×映画『怪盗グルーのミニオン大脱走』」。人気キャラクターとのコラボも。

箭内:昔パルコの担当の方に「パルコの仕事をすると会社をやめて独立するよ」と言われて、それで暗示にかかって実際に会社をやめたんですよ。小杉くんもそろそろですかね(笑)。

一同:(笑)。

—それはどうしてなんでしょう?

箭内:パルコはちゃんと頼りにしてくれて、ちゃんと褒めてくれて、ちゃんと輝かせてくれるから、ですかね。

小杉:僕はパルコに育ててもらって箭内さんともつながったし、いろんなカルチャーにつなげてもらったな、と思っています。

—パルコという会社は、クリエイターに対するリスペクトがあるんですね。

箭内:そうですね。パルコという会社は広告の捉え方も独自です。ポスターを作れば、隅っこに「Not For Sale」って文言が入っている。広告ではなく商品に近い感覚なんですよ。そういう姿勢で広告を作っている会社って、ほかにはないですね。

—百貨店・ファッションビルの広告って独特なものですよね。機能訴求ではないからこそ、表現が試されるというか。

小杉:企業ってひとつの人格で表現することが多いんですけど、パルコはたくさんの人格があって、いい意味で多重人格なんです。いろんな側面を持っている魅力的な人。「パルコアラ」で僕は親しみやすい側面を任されたのかなと。そういう顔を分けることで奥行きのあるブランドを作っているのかなとも思います。

小杉幸一

箭内:「パルコはからっぽだ」ってパルコの方が言っていたんですけど、僕もそう思っていて。パルコって新しいものが入る空洞なんですよ。僕自身、自分のことをからっぽでなんでも入ると思っているから、そこに共感できるんです。

2011年以降、パルコはクリエイターの活動をサポートする意思を示す「インキュベーション」という言葉を理念に掲げているんです。それまで続いてきた広告の作り方が、この10年近くで変わっていっているんですよね。「なんでもいいからドカンと当ててよ」じゃなくて、企業の意志や夢とか、社会に対する願いをパルコは持っているから、それを僕と小杉でイタコのように形にしているんです。

左から:箭内道彦、小杉幸一
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サイト情報

『パルコ50周年キャンぺーンサイト』
『パルコ50周年キャンぺーンサイト』

2019年1月1日からスタートしたパルコの50周年キャンペーン「50年目の、新しいパルコ。」の特設サイト。同サイトでは、インタビュー企画や謝恩企画など、随時情報が更新される予定。

プロフィール

箭内道彦(やない みちひこ)

クリエイティブディレクター。タワーレコード「NO MUSIC, NO LIFE.」、リクルート「ゼクシィ」等、数々の話題の広告をディレクション。「SPECIAL IN YOU.」「Last Dance_」他、パルコの宣伝クリエイティブを長く手掛けている。「月刊風とロック」発行人、福島県クリエイティブディレクター、渋谷のラジオ理事長、2011年大晦日のNHK紅白歌合戦に出場した猪苗代湖ズのギタリストでもある。東京藝術大学准教授・学長特別補佐。

小杉幸一(こすぎ こういち)

クリエイティブディレクター / アートディレクター。ブランディング、イベントのほか、空間、テクノロジーを使った従来の型にはまらない広告のアートディレクション、アパレルブランドとのコラボレーションなど幅広く活躍。主な仕事に、PARCO「パルコアラ」、福島県「ふくしまプライド。」、資生堂「50 selfies of Lady Gaga」、SUNTORY「特茶」、SUZUKI「HUSTLER」「XBEE」、STARFLYER「輝く人へ、」、ジャニーズ事務所「CI デザイン」、YMO「YMO40」、築地玉寿司「もじにぎり」、B&B「CI デザイン」などがある。主な受賞に、東京ADC賞、カンヌライオン国際広告祭デザイン部門<GOLD>、JAGDA新人賞、JAGDA賞、D&AD、NY ADC、ONE SHOW<GOLD>、ACC賞<GOLD/SILVER>、ギャラクシー賞、ADFES<GRANPRIX>など国内外多数受賞。多摩美術大学非常勤講師

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