
箕輪厚介×國光宏尚対談 終わりが見える「SNS社会」の次を語る
FiNANCiE- インタビュー・テキスト
- 黒田隆憲
- 撮影:豊島望 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)
「ここから中国がどんどん盛り上がっていく」という瞬間に立ち会えたのは、僕にとってものすごく大きかった。(國光)
箕輪:國光さん、やっぱりすごいですよね。世の中には「とりあえず海外へ行く」って言うやつが結構いて、旅立つときは盛り上がるけど、大抵は伸び悩んで帰ってくるじゃないですか。「海外へ行く」というだけで満足しているやつが9割なのに(笑)、なんで國光さんはそうならずにちゃんとブレイクしたんだろう?
國光:やっぱり、それまでずっと悶々としていた上に、きっかけが震災だったから、「変わんなきゃ」という思いは人一倍強かったのかも知れないですね。
ただ、基本的にカタチから入る人間なので(笑)、行く前にまず坂本龍馬の自伝を読んだんですよ。龍馬が脱藩して江戸に上がっていくみたいな、そんな気持ちで行く。「男子志を立て郷関を出ず。学もし成らずんば死すとも帰らず」みたいな気分で。
箕輪:(笑)。
國光:飛行機も、カッコ悪いじゃないですか? 男が人生をかけて旅するならやっぱり船路だろと。船で行くと、2日くらいかかる上に料金は飛行機より高いんですけどね。
箕輪:(笑)。でもなんで、いきなり中国へ行こうと思ったんですか? 当時はまだ中国って、そんなに魅力的な国ではなかったですよね?
國光:その頃から、「21世紀は中国の時代」というフレーズが飛び交っていたんです。最も強大な国はアメリカでしたけど、「将来有望な中国か、それとも現在最強のアメリカか」の二択で考えたとき、やっぱり行くなら中国だなと。お金もなかったですしね。当時、中国人の初任給が1万円くらいで。僕が南京へ行ったときは、初めて南京にマクドナルドが上陸するというので、若者たちの一番のオシャレスポットになった時代だったんですよ(笑)。
当時、大学進学率も1割なかったくらいで。上海では復旦大学に行っていたんですけど、やっぱり面白いやつらがいっぱい集まってくるんですよね。あちこちの田舎から「地元の天才」と言われた連中が、期待を一身に背負って来ている感じ。経済発展の黎明期だったから、将来の夢とかをみんなで話していると、「俺はトヨタを超える会社を作る」「俺はソニーを超える会社を作る」みたいなことを真面目に言っているんです。「中国はな、お前の国より10倍もでかいんだぞ。そこで俺たちが会社を立ち上げれば10倍でかくなるだろ」って言ってきて(笑)。
箕輪:(笑)。
國光:結果的に、HUAWEIのような企業が生まれているわけですからね。そういう、「ここから中国がどんどん盛り上がっていく」という瞬間に立ち会えたのは、僕にとってものすごく大きかった。
箕輪:話を聞いていると、やっぱり國光さんは波が起きそうな場所にいるのが好きだし、そこを見つけるのが得意なんだなって思いますね。「なにをやりたい」ということよりも、「どこで大きな波が起きるか?」ということを大事にされているということですよね。
<後編「箕輪厚介×國光宏尚 10年後は暇だらけな『一億総老後社会』になる」へ続く>
サービス情報

- 「FiNANCiE」
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FiNANCiEは、夢がみんなの共有財産になる、ドリームシェアリングサービスです。夢を持つ人(ヒーロー)と夢を支援する人(ファン)が出会い、その実現に向けて、一緒に活動していくコミュニティです。
プロフィール
- 國光宏尚(くにみつ ひろなお)
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2004年、カリフォルニアのサンタモニカカレッジを卒業後、株式会社アットムービーへ入社し、同年取締役に就任。映画やドラマのプロデュースを手掛ける一方で、様々なインターネット関係の新規事業を立ち上げる。2007年、株式会社gumiを創業し、代表取締役に就任。2015年、VR/AR関連のスタートアップを支援する100%子会社Tokyo XR Startups株式会社を設立し、代表取締役に就任。2016年、主に北米のVR/AR企業への投資を目的としたVR FUND,L.P.のジェネラルパートナーとして運営に参画、また韓国にてSeoul XR Startups Co., Ltd.を設立し取締役に就任。2017年、北欧地域のVR/AR関連スタートアップを支援するNordic XR Startups Oy.を設立し、代表取締役に就任。2018年、gumi Cryptos匿名組合を組成し、ブロックチェーン事業に参入。2019年3月、ブロックチェーン技術を活用したドリーム・シェアリング・サービス「FiNANCiE」を手がける株式会社フィナンシェを創業。
- 箕輪厚介(みのわ こうすけ)
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幻冬舎・編集者。2010年双葉社に入社、ファッション雑誌の広告営業として4年間、タイアップや商品開発、イベントなどを企画運営、『ネオヒルズジャパン』与沢翼創刊。2014年から編集部に異動し『たった一人の熱狂』見城徹 / 『逆転の仕事論』堀江貴文 / 『空気を読んではいけない』青木真也を担当。2015年7月に幻冬舎に入社。東洋経済オンラインやアドタイで自身のコラムを持ち、オンラインサロンの運営、堀江貴文大学校で特任教授も務める。『多動力』堀江貴文・『ネオヒルズジャパン』与沢翼・『悪意とこだわりの演出術』藤井健太郎の3冊でアマゾン総合ランキング1位を獲得。他に『日本3.0』佐々木紀彦、『空気を読んではいけない』青木真也、『まだ東京で消耗してるの?』イケダハヤト、『新企画』鈴木おさむなど。堀江サロン教授、渋谷のラジオ、ニューズピックスブック創刊。2017年10月合同会社波の上商店を設立。株式会社CAMPFIREと株式会社幻冬舎の共同出資会社、株式会社エクソダス取締役に就任。