NOT WONKが表す、現代のパンクとは「真面目に生きること」

苫小牧にいいバンドがいる。そんな噂からNOT WONKを知ったのが2015年のこと。今が何年かわからなくなる感覚に襲われた。陰りのあるUKメロディック、ポップパンク、そしてエモ。1990年代から2000年代中盤にかけて享受していた海外のインディバンドたちの、不器用だが鮮烈な息遣いが蘇ってくるようだった。もっとも、翌年に出た2作目『This Ordinary』のレビューを書いた直後から、私は加藤修平(Vo,Gt)への認識を改めざるを得なくなるのだが。

ライブを見るたびに発見があった。「わかる、懐かしい」だった印象は「なにこれ?」になり、次第に「これはバケモノじゃないか」に変化する。決定打が3rdアルバム『Down the Valley』だ。時代やジャンルの枠組みに囚われて考えている限り、彼らがこうも鮮やかに「最新」を更新していける理由はわからないだろう。NOT WONKが鳴らしているのは、攻撃性ではなく、この時代に必要な寛容性を掲げた、実にしなやかなパンクロックなのだ。

カラ元気のパンクじゃなくて、単純明快に歌のよさ。そこは今も基準にしてるかもしれない。

石井:私、「NOT WONKのライブ最高」とかツイートするたびに「セカンドアルバム酷評してなかった?」みたいな声を投げられることがあって、未だに(苦笑)。

加藤:ははは! いちいち飛んでくるんだ(笑)。

NOT WONK『This Ordinary』を聴く(Apple Musicはこちら

石井:そう。確かに『This Ordinary』が出た時、ライブを見ないまま「懐かしい」って音楽誌にレビューを書いたんですよね。それに対して、NOT WONKのレーベルオーナーの安孫子さんが激怒した。確かに理解のない書き方だったと思ってますけど、あれは加藤さんにとっても腹立たしいものでした?

加藤:……いや? もちろん作った時の自分の気持ちはあるから「同じこと感じてくれたら嬉しいな」とは思いますけど。でも、どんな人に聴いて欲しいとか、どう思って欲しいとか、作品を出した時点で言いだすのは緩慢な気がする。それこそNOT WONKの2ndアルバムを聴いて100人が同じ気持ちになるほうが気持ち悪いじゃないですか。むしろ100通り意見があるほうが僕は嬉しくて。

だから怒る筋合いはないし、それこそ「懐かしい」って言葉も新鮮でした。僕はいろんな音楽聴いてきたうえで「これが今、僕が思う一番最新のアルバム!」と思ってたから。どこがどういうふうに懐かしい要素だと感じられたんだろうって、そこは訊いてみたいなと思ってた。

NOT WONK(のっと うぉんく)
shuhei kato、kohei fujii、akim chanからなる北海道・苫小牧出身の3ピース。2015年5月に『Laughing Nerds And A Wallflower』でデビューし、新人ながら驚異的なセールスを記録。2016年には2ndアルバム『This Ordinary』をリリース、続けて放たれた『Penfield』では、パンクとオルタナティブロック、ネオソウルまでを一気に消化した新たな音像を提示した。

石井:単純に世代の違いですよね。私は1990年代のメロディック、あとハードコアやインディシーンからエモが生まれていくのをリアルタイムで見ていた。そのシーンもスクリーモとかに取って代わられて、いつの間にか縮小したり消えていったりして。だから、消えたはずの音が2010年代に苫小牧から聴こえてくるのは変な感じがしましたね。いきなりタイムトリップさせられたような。

加藤:あぁ、なるほど。

石井:もちろんこれは加藤さんが何を聴いてきたのかという話で。以前のインタビュー読んだら、最初はMEGA CITY FOURがきっかけだったとか。

加藤:そうです。なんかMEGA CITY FOUR好きな人、僕の周りにめちゃくちゃ多いんで。

石井:……どんな環境?(笑)

加藤:みんなの共通認識がそこなんですよね。MEGA CITY FOURって、多くの人にとってのGreen DayとかThe Get Up Kidsみたいなバンドというか一一。

石井:いやいや、Green Dayはわかるけど、そもそもみんな普通に知ってるようなバンドじゃない(笑)。UKメロディックって、SNUFFやLeatherfaceが有名だし、好きな人も多いと思うけど。それに比べるとMEGA CITY FOURはもう少しインディ寄りだった印象で。

MEGA CITY FOUR『Soulscraper』を聴く(Apple Musicはこちら

加藤:僕は普通にみんなが知ってるバンドだと思ってた。僕らが活動してきた北海道の先輩とかもMEGA CITY FOURの話ができる人ばっかりなんです。それはどういう文脈かっていうと、札幌にはメロディックのバンドが多いんで。SNUFFY SMILEというレーベルがあって、Navel(SNUFFY SMILEから作品を出した愛知のバンド / MEGA CITY FOURのカバー曲がある)がいて、栄森さん(SNUFFY SMILE主宰者)が当時のUKメロディックをどんどん日本に紹介していった流れがあるから。その情報が札幌に溜まっているのは全然不自然じゃなかった。

情報が届く範囲って端に行けば行くほど薄れていくじゃないですか。東京ではいろんな情報を発信できる場所がたくさんあると思うけど、札幌や苫小牧まで届くものってたかが知れてるんですよ。そのぶん、それが熱狂的に残ってることはよくあって。

石井:昔、札幌のレコード屋の店長が若いバンドにFUGAZIを教え込んで、Bloodthirsty Butchersとかeastern youthがこぞってD.C.ハードコアを深掘りしていったという都市伝説みたいな実話があるんですけど。そういう局地的なアンテナが、札幌のシーンでは今も機能していると。

加藤:そうですね。MEGA CITY FOURに出会うまでFAT WRECKとかEPITAPHのバンドを聴いてましたけど、やっぱりそれとは違う感覚があって。ギターの音色が歪んでなかったり。あとはカラ元気のパンクじゃなくて、単純明快に歌がいいところが好きでした。そこは今も基準にしてるかもしれない。

初めて見たパンクのライブで、ボーカルの人が群衆を掻き分けてなぜか僕に抱きついてきたんです。誰でも受け入れてくれるところにパンクの精神を感じた。

石井:あと90年代当時の感覚でいうと、メロディックパンクって、いい歌であるだけじゃなく、新しい解放宣言という側面もあったんですね。革ジャン着てブーツ履かなきゃいけないそれまでのスタイルから離れて、あえて短パンで出ていく。そういうパンクの精神性に関しては?

加藤:あぁ、そういった意味では、僕、一番最初に観たのがパンクのイベントだったんです。当時中学校3年生で野球やってて、知ってる大人っていえばコーチとか監督、あとは先生ですよね。なのに、そこに行ったらデカい大人が暴れてる。あれは中学生にしたら衝撃で。ハードコアのバンドがいて、大人がめちゃめちゃモッシュしてて、そのボーカルの人は仕事終わりで来てるからスーツのままライブしてる。

普通に考えてまともじゃないし、めちゃくちゃだなぁと思って。で、お目当ての先輩のバンドはまた別でしたけど、そこでたまたま見たバンドにすごく惹かれて。2個上の、当時高校生のバンドで、もうめちゃくちゃカッコよく見えて。ボーッと見てたら、ライブ終わった後、そのボーカルの人が群衆を掻き分けてなぜか僕に抱きついてきたんです。

石井:へぇー!

加藤:その人が、僕にSEVENTEEN AGAiNとかMEGA CITY FOURを教えてくれた先輩になるんですけど。すごく衝撃的でしたね。あれがパンクなんだなって。

石井:見たことのない自由と、いきなり抱き締められる感覚。

加藤:そう。めちゃくちゃだけどちゃんと理知があって、マナーがあって、優しさも感じられて。そのイベントは今も続いてますけど、高校生以下は無料なんですね。初めて来た子にはちゃんと説明してくれるし。その感じもよかった。誰でもオッケーって受け入れてくれる。それもやっぱりカラ元気とは別の話ですよね。僕はそういうところにパンクの精神を感じたし、そこで一気に自分の中での基準が決まったというか。

石井:いい出会いだったんですね。東京でパンクのイベントだと、もっと形が決まりがちで。こんなふうに暴れてダイブするんだ、みたいな解釈になってしまうかもしれない。

加藤:モッシュやダイブできるのがパンクかっていうと、そうは思わないですね。僕、乱暴なチンピラはほんと嫌いだし、ルール守れないのも嫌だし。パンクって、真面目に生きることでしかないと思うんですね。

石井:それはどういう意味で?

加藤:人を傷つけないっていう意味で。あと、優しくいないといけないけど、怒るべき時に一瞬でピークまで怒れるか。それが僕の思うパンクかもしれない。僕の弟、障がいがあって、骨の形成異常だから見た目で判断されてしまうことが多くて。それでやっぱり馬鹿にされるんですよ。小学生のときは毎日それにムカついて、追っかけ回すんだけど捕まえられなくて。めちゃくちゃ悔しいんですよ。

でもそれは弟が馬鹿にされて悔しいのか、自分が恥ずかしいから悔しいのか、今考えてもちょっとわかんないんですけど。そういうことをよく考えましたね。人が傷ついてるから怒るのか、自分が傷ついたから怒るのか。これは人の問題なのか自分の問題なのか、線引きがいつもわからなくなって。でも自分のことを棚上げしないでどれくらい人に優しくいられるか、みたいなことは今も考えます。

「いい歌」は、その人のハートから音になるまでに寄り道なくズパーンと出てるもの。「この人嘘言ってないな」みたいな。それはソウルを聴いても感じられた。

石井:そういう経験から、中3でパンクに出会って。音楽は加藤さんにどういう変化をもたらすんですか。

加藤:価値観がガラッと変わったんですね。野球もリタイアしてるんですよ。そのパンクのイベントは中学校の卒業から高校入学までの間だったから。野球やるつもりで高校入ったのに、新1年生が楽しそうに練習してるのを見て……ここに入っていけないなと思ってそのまま帰っちゃった(笑)。

石井:私が最初にNOT WONK見た日もMCでその話をしてました。「野球は辛くて辞めたのに、バンドだけはそんなふうに思ったことがない」って。

加藤:そう、辞めたくなったことが一回もないです。

石井:それも考えを改めるきっかけになったんですよ。2016年だったけど、今ここでこう言ってる22歳がいて、それに対して「懐かしい」ってなんだ? と。そんな判断をした自分がすごく恥ずかしくなったんですよね。そこでまずバンドに対する認識が変わった。で、さらに認識が大きく変わったのは次のEP(『Penfield』 / 2017年9月)。それまではポップパンクやエモに分類できる音楽だったけど、急にソウルが入ってきて。心底びっくりした。

加藤:でもなんか、エモとソウルってほとんど意味一緒じゃないですか。

石井:……あぁ、そっか! 初めての指摘だ。

加藤:っていうことは、やっぱり親和性があるんですよ。これは僕が思う「いい歌」の条件ですけど、その人のハートから音になるまでに寄り道がないというか、ズパーンと出てるもの。「あぁこの人嘘言ってないな」みたいな。それはソウル聴いても感じられたから。

「こういうものだ、こうやっていくんだ」と思っていること、全部1回「ほんとにこれでいいのか?」って疑い尽くした。

石井:エモとソウルの親和性って、前々から考えてたことですか。

加藤:いや。でも、ソウル聴けるなと思ったんですよ。それまで受け付けなかったけど、だんだんわかってくる音楽ってあるじゃないですか。ソウルもそうで、一回わかってしまえばすごく奥行きがあった。最初はコスモ・パイクとかKing Kruleとか、今のインディからソウルに寄っていった人たちを聴いて。

コスモ・パイクの“Chronic Sunshine”って曲、途中スカっぽいパートが出てくるんですよ。「あ、スカをここでカッコよくできるんだな」って。土着的な音楽を、その土地にいる若い人がサラッとやってるのがすごくカッコよく見えたんですね。で、僕もTHE SPECIALSとか好きだから、またスカを聴いてみようと思ったら、そのままソウルも聴けちゃった。

石井:何を聴きました? ソウルと言っても幅広いけど。

加藤:最初はメロウなやつにハマって。今度来日するパティ・オースティンとか、アラン・パーカーとマデリン・ベルの共作アルバムとか。あとハマったのはジャム&ルイスが高校生の時にやってたMind & Matterっていうバンド。そのアルバムはめちゃくちゃ疾走感があるんですよ。まだ10代で、高校を休んで録りに行ったThe Get Up Kidsの1stとまったく同じ匂いがする(笑)。だから「やっぱりソウルとエモって一緒だな!」と思って。

石井:そうやって作った“Of Reality”は実際に転機の曲になったと思うけど、こうも大胆に変化する必要ってあったんでしょうか。

加藤:なんか、バンドに関して頭が働いてない部分があるのが嫌で。曲や音についても、活動についても。なぁなぁのうちに決まってしまったこと、自分が「こういうものだ、こうやっていくんだ」と思っていること、全部1回「ほんとにこれでいいのか?」って疑い尽くして。演奏する時も「この4小節はほんとにエイトビートでいいのか?」みたいな。意味のない……いや、意図のない音をなくしたいと思ったんですね。

石井:なぜです? 「好きだから」でバンドやってても全然いいと思うけど。

加藤:……「好きだから」だとしたら、むしろそれはちゃんと理由になってます(笑)。でも「なんかカッコいいから」とかでただ作っていたフレーズじゃないか? って疑い直したんですよね。どういう曲にしたいか、目的があるんだったらそこに至るまでのプロセスは丁寧にすべきだと思って。そうしないと僕が気持ち悪かった。金太郎飴みたいなアルバムは作りたくないし、同じことを2回やりたくない前提もあったし。なにかのために変えたというより、意識しながら変わること自体がその時の目標だったから。

石井:結果、ストレートなパンクが逆に新鮮っていうぐらい変わりましたね。アルバムにも入ってるけど、昨年配信された『Count / Elation』の2曲。

加藤:そうですね。でも『Count / Elation』もちゃんとソウルにしたかった。ここ2年くらい、ソウル聴きながらTHE JAMもよく聴いてて。まぁ前から好きですけど、なんか絶妙にハマったというか。

石井:うん、THE JAMからソウルというのはよくわかります。

加藤:そう。でもひとつテーマがあって。ポール・ウェラーはTHE JAMの後にThe Style Councilをやるじゃないですか。めっちゃオシャレで。でもあれをTHE JAMのメンバーのまま、THE JAMの音のままやってたらどうなんだろうなって。ドラムとベースが下手なことを諦めずに(笑)、THE JAMの気持ちを引き継いだままThe Style Councilみたいな方向にシフトしていったらどうだったんだろうって。

石井:面白い! それをNOT WONKでやってみようと。

加藤:ソウルとパンクの繋ぎ目をなだらかにするっていうのは、今回唯一テーマにありましたね。フレーズがバンバン入れ替わるように出てくるんじゃなくて、同じコップの中で混ざっていくような。そこは上手いことできたんじゃないかなって。

去年、Cigarettes After Sexのライブを見に行ったら超退屈だったんですよ(笑)。「いつ盛り上がるのかな?」って。

石井:確かに。宗旨変えの作品だとは思わないし、ましてやブラックミュージックが流行りだから色目使ってみました、なんてことも全然感じない。さっきからソウルソウル言ってますけど、これ結局「エレキギターのディストーションがどえらいカッコいいぞ!」というアルバムだと私は思っていて。

加藤:はい。

石井:爆音のギターには、やっぱりこだわりたい?

加藤:そうですね。今はSpotifyだとギターが鳴った瞬間にスキップされるみたいな話もありますけど。でも僕、ギター鳴らすことの興味ってもう尽きることがなくて。去年、Cigarettes After Sexのライブ観に行ったんですけど……超退屈だったんですよ(笑)。

アルバムすごく気に入って聴いたけど、ライブはなんか退屈で。「いつ盛り上がるのかな?」って待ってる自分がいる。やっぱり静かなところって、結局はブチ上がる前段階なんだなっていう感覚が自分の中にありますね。NOT WONKの曲って一回どっかで爆発するし、そこに向かう前に我慢することを今回やってみた感じ。

石井:焦らしますよね。だから感触がエロい(笑)。最終的な爆発に向けて、ソウルをヒントにいろいろできるようになったアルバムというか。

加藤:確かに。ヒントっていう言葉が正しいかもしれないです。頭から「ソウルをやるぞ」って決めて始まったわけじゃないし。今のシーンがどうだからっていうのは意識してないですね。

世界中で明確に不安があるだろうし、どういうふうに前を向くのかがすごく重要で。どんなふうに前を向くか。それをずっとパンクはやってきたと思うんです。

石井:最後に、歌詞についてはどうですか。言葉にすることで自分を理解することも多々あると思うけど。

加藤:そうですね。英語なんで一聴してわかんないところもあると思うけど、わりと素直にそのまま書いてます。僕がどういう人間であるとか、どういうことを気にしながら生きているのかとか、わかってもらいたいなと思うし。ただ、物語とかドラマはないですね。毎日の雑感って感じ。自分のルールというか。それ以外はあんまりないので。

石井: ルールを守りたいって、さっきパンクの話で言ってましたね。

加藤:そうですね。いろんなことがまかり通っているし、そこは「どうしてなんだろう?」って思います。今、日々暮らしてて「悠々自適に生きてるぜ!」とはなかなか言えないっちゅうか。でもそれは人のせいにしたくないし、揶揄しててもどうしようもなくて。

あの……若い世代、みんなカネないじゃないですか。遊ぶカネもないって絶対ダメだと思うんですね。いまやライブ来れたりレコード買ったりできるのって金持ちじゃないですか。1,000円でストリーミング聴き放題なのに、一枚のLPに3,800円とか払えるって……。

石井:富豪ですよね(笑)。確かにレコードは贅沢だなと思う。

加藤:だから音楽好きなやつ、自分の時間とカネを作るのに相当頑張ってると思う。僕もそういうことをやってるひとりで。好きなことやるっていうのは大変ですよね。仕事すんのも大変だけど。

石井:だから「真面目に生きる」っていう言葉も出てくる。それって、カウンターでありたいパンクとは違いますよね。

加藤:今の世の中、パンクとか、もともとカウンターだったものが、もうカウンターじゃいられなくなってると思う。世界中で明確に不安があるだろうし、前を向くのが前提だとして……どういうふうに前を向くのかがすごく重要で。後ろ向きなこと、暗くなっちゃうことは置いといて、どんなふうに前を向くか。それをずっとパンクはやってきたと思うんです。カラ元気なのか体制批判なのか、時代によっていろいろありますけど。

でも、これから僕や僕らがどういうふうに前を向くか、それは考えたいんですね。個人的にも前向きたいですし、じゃないとどこにも行けないし、落ち込んでらんないっていうか。それは自分の役割というか、やりたいこと、ですね。

石井:えぇ。活動を見ていればその意思は伝わります。

加藤:僕、自分からオルタナティブって名乗ったことはないんですよ。これは言葉の揚げ足取りになっちゃうけど、パンクとオルタナティブが違うのって、オルタナティブはなにかメインとなる対象があって、そうじゃない代わりのものとして成立しますよね。それって本当は弱いんですよ。倒す対象がいないといけない、嫌うものを探さなきゃいけないから。もし身の回りが好きなものばかりで溢れた瞬間、オルタナティブはどうするんだろうって。

石井:満ち足りて、存在理由を失ってしまいますね。

加藤:そう。その時にそれは終わるのか、っていう話ですよね。だからカウンターであるよりは、自分が考えたこと、こうだって思ったことをやりながら、他の対象を用意せず、そのまま自分であり続けられるかどうか。

もちろん世の中の流行とか僕にはまったく関係ない話ですけど、それを嫌いたくもないんですね。僕だって人から嫌われたくないし。傷つける言葉は論外ですけど、どういうふうに人を赦し、赦してもらうのか。お互いを認め合いながら、自分は自分でどう存在し続けられるか。そういうことが大事なんだと思いますね。

リリース情報
NOT WONK
『Down the Valley』初回限定盤(CD+DVD)

2019年6月5日(水)発売
価格:3,240円(税込)
CTCR-14963B

1. Down the Valley
2. Subtle Flicker
3. Of Reality
4. Shattered
5. Come Right Back
6. Count
7. Elation
8. I Won’t Cry
9. The Bare Surface, I’ve Longed For You
10. Love Me Not Only In Weekends

【DVD】
[DVD]
「『HERE FOR GOOD』24th March 2019 LIVE HOUSE FEVER」

1.Down the Valley
2.Subtle Flicker
3.Of Reality
4.Shattered
5.Come Right Back
6.Count
7.Elation
8.I Won't Cry
9.The Bare Surface, I've Longed For You
10.Love Me Not Only In Weekends
11.Landfall
12.Not All
13.Laughing Nerds And Wallflower
14.This Ordinary
15.Give Me Blow

NOT WONK
『Down the Valley』通常盤(CD)

2019年6月5日(水)発売
価格:2,700円(税込)
CTCR-14964

1. Down the Valley
2. Subtle Flicker
3. Of Reality
4. Shattered
5. Come Right Back
6. Count
7. Elation
8. I Won’t Cry
9. The Bare Surface, I’ve Longed For You
10. Love Me Not Only In Weekends

ツアー情報
『Down The Valley TOUR』

2019年6月15日(土)
会場:北海道 札幌BESSIE HALL

2019年6月29日(土)
会場:大阪府 十三FANDANGO

2019年7月6日(土)
会場:福岡県 小倉Cheerz

2019年7月7日(日)
会場:福岡県 public space YOJIGEN

2019年7月13日(土)
会場:愛知県 名古屋HUCK FINN

2019年7月14日(日)
会場:東京都 渋谷 WWW X

プロフィール
NOT WONK (のっと うぉんく)

shuhei kato、kohei fujii、akim chanからなる北海道・苫小牧出身の3ピース。2015年5月に『Laughing Nerds And A Wallflower』でデビューし、新人ながら驚異的なセールスを記録。2016年には2ndアルバム『This Ordinary』をリリース、続けて放たれた『Penfield』では、パンクとオルタナティブロック、ネオソウルまでを一気に消化した新たな音像を提示した。



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