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コムアイ×Yogee角舘健悟 東京も好い、でも海外は発見に満ちている

コムアイ×Yogee角舘健悟 東京も好い、でも海外は発見に満ちている

パルコ「50年目の、新しいパルコ。」
インタビュー・テキスト
三宅正一
撮影:永峰拓也 編集:矢島由佳子(CINRA.NET編集部)

「ショービズ」は、自分ががんばって張り合う世界じゃないなと思った。(コムアイ)

―日本人である自分の歌唱表現、そのアイデンティティについて今のコムアイさんはどう考えてますか?

コムアイ:私、日本の信仰の形って、なにか外から訪れたものを大事にすることだと思うんですよ。神様が座っていた椅子を拝んで気配を認める感覚。外から来たものが恵みや災害をもたらし、やがてそれも去っていく。私はそういう表現がしたくて。自分が器のように機能する表現を日本人、というか東洋人、そして島民としてやりたい。

左から:角舘健悟、コムアイ
左から:角舘健悟、コムアイ

コムアイ:そのためには、そのうち基礎を身に付けなきゃいけないと思い始めました。今までは勘に頼って「あれやりたい、これやりたい」ってやってきたけど、もっとしっかりぶち当たっていきたい。ぶち当たって「やっぱり無理だな」ってなって、きっと音楽の基礎を身に付けなきゃいけないタイミングが来るんですよ。その基礎というのはインドのラーガかもしれないし。

そのときは自分のアイデンティティやオリジナリティを全部忘れたいんです。基礎を取り入れるということを今までの人生でやってきたことがないから、それを経て残るものはなにかということがこの先のステップだと思います。

―基礎を取り入れるのはどれくらいのタイミングだと見据えているんですか?

コムアイ:ん〜、5年以内くらいかな。その前にもうちょっと崖っぷちまで立たされないとなって思ってる。

―今はショウビズ然としたエンターテイメントには興味がない?

コムアイ:ないですね。

角舘:前まではあったんだ。

コムアイ:あった、あった。

水曜日のカンパネラ、武道館ライブ(2017年3月8日)の様子

コムアイ:最近、何回か完璧な人のライブを観て。そのときに「ああ、私はこっちの人じゃないんだな」って思ったんだよね。

角舘:誰のライブ?

コムアイ:たとえばセヴダリザというオランダの背の高いお姉さんのアーティストがいるんだけど。その人はすごく鍛練して自分というものを表現するショーを作る人で。観客を楽しませるために妥協したところも見当たらず、即興のスペースもあって、素晴らしいライブだった。それを観て「本当に最高!」って思ったんだけど……。

どんなに最高のショーを観ても「いずれこれに勝てるかもしれない」とか、だからこそ「悔しい!」って思うわけじゃん? でも、そのときはあまりそう思えなくて。自分ががんばって張り合う世界じゃないなと思った。自分にしかできなさそうで、一番やってみたいことって、全部計算して準備していろんな人が関わるショーというより、自分の体の声の即興的広がり、東洋の発声で豊かな声を鍛えることかなって思ったんだよね。

角舘:自分の声という楽器に意識が向いたんだ。

コムアイ:そう。特に私はそこに対する意識が希薄だったから。普通はそっちが先じゃん?

俺はここ(心)にしか意識がいってない。それで口が勝手に動いてる感じなんだよね。(角舘)

角舘:俺が最近改めて気づいたのは、自分は人の営みとか、価値あるものがなぜ価値があるかに興味を持っているということで。そのものをディグる場所によって価値が違うじゃないですか。

撮影中、工事現場の人とも楽しく接する角舘健悟
撮影中、工事現場の人とも楽しく接する角舘健悟
撮影中、工事現場の人とも楽しく接する角舘健悟

角舘:コムは昔よく日本の文化とか調べてたじゃない? すごく勤勉だなと思ってた。

コムアイ:全然勤勉じゃないよ。

角舘:いや、偉いなと思ってたの。でも、俺にできることは日本人であることを忘れないことくらいで、あとは自然とそのときに年齢に身を任せて追い風に乗れたらいいなと思っていて。

―ずっと日本語で歌っていくだろうし。

角舘:うん、その通り。日本語で歌っていきます。

コムアイ:その確信があるんだね。

角舘:俺には日本語じゃないと乗せられない気持ちがたくさんあるから。

Yogee New Waves『BLUEHARLEM』を聴く(Apple Musicはこちら

コムアイ:私は20年後くらいに日本語で歌謡曲を歌える人になりたい。今はできないから、日本語というより、言葉からも離れてるけど。

角舘:正直、コムは歌ってるときよりもこうやって話してるときのほうが、気持ちが伝わってくる感じがする。

コムアイ:話してるみたいに歌いたいよね。

角舘:それが一番いいと思うな。前にコムから「歌を教えて」って言われたことをすげえ覚えていて。そのときは「マジ!? 俺に教えることなんてないよ」って言ったんだけど。

コムアイ:教えてよ! 今度スタジオに入ろうよ。たとえば「お」をどういうふうに発音して響かせてるのか知りたい。それは文字の書き方みたいに人によって違うから。

角舘:そうだね。(胸に手を当てて)俺はここにしか意識がいってないかも。それで口が勝手に動いてる感じなんだよね。

コムアイ:そのセッティングが上手くいかないときもあるでしょ?

角舘:めちゃくちゃあるね。でも、そういうときは仲間が補完してくれるんだよね。

コムアイ:ああ! いいな、バンドは!

角舘:マジでバンドはそれがあるんだよね。それが本当に最高。以心伝心って絶対にあって。うちのメンバーは全員、ライブ毎に絶対違う演奏するのね。フレーズも変えるし、ソロも違う。俺も歌い回しを変えちゃうし。それで打ち上げも盛り上がるんだよ。「あのときのスネア、ヤバかったね!」みたいな。

コムアイ:すごく自然だね。

左から:コムアイ、角舘健悟

角舘:最近ハンドマイクで歌うときもあるんだけど、自然体でいたいだけ。「角舘健悟です、歌います」みたいな。

コムアイ:自分自身の変化を全部自然に出してるのかもね。

角舘:そうだね。その変化や進化を全部メンバーにも見てほしいから気を遣うのをやめた。ギターソロがバーン! って鳴ってるときは「はい、任せた。バトンタッチ!」って感じ。今はライブが超楽しい。

コムアイ:自然体の歌、面白いね。

角舘:面白いと思うよ。よし、今度スタジオに入って歌で遊ぶか!

コムアイ:遊びたい!

左から:角舘健悟、コムアイ
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サイト情報

『パルコ50周年キャンぺーンサイト』メインビジュアル
『パルコ50周年キャンぺーンサイト』

2019年1月1日からスタートしたパルコの50周年キャンペーン「50年目の、新しいパルコ。」の特設サイト。同サイトでは、インタビュー企画や謝恩企画など、随時情報が更新中。

リリース情報

水曜日のカンパネラ, オオルタイチ『YAKUSHIMA TREASURE』
水曜日のカンパネラ, オオルタイチ
『YAKUSHIMA TREASURE』

2019年4月3日(水)配信リリース

イベント情報

YAKUSHIMA TREASURE
『LIQUIDROOM 15th ANNIVERSARY とうとうたらりたらりら』

2019年8月22日(木)
会場:東京都 恵比寿 LIQUIDROOM

リリース情報

Yogee New Waves『BLUEHARLEM』通常盤(CD)
Yogee New Waves
『BLUEHARLEM』通常盤(CD)

2019年3月20日(水)発売
価格:3,240円(税込)
VICL-65136

1. blueharlem
2. Summer of Love
3. CAN YOU FEEL IT
4. Good Night Station
5. Suichutoshi
6. emerald
7. Bring it Home
8. past song
9. Bluemin' Days(Album Ver.)
10. SUNKEN SHIPS

イベント情報

Yogee New Waves
『5th Anniversary Paradis? 〈HOW DO YOU FEEL ABOUT PARAISO?〉』

2019年9月10日(火)
会場:東京都 渋谷 WWWX

『Yogee New Waves ASIA TOUR 2019』

2019年9月12日(木)
会場:台湾 台北 THE WALL

2019年9月14日(土)
会場:マレーシア クアラルンプール Live Fact

2019年9月15日(日)
会場:タイ バンコク Lido Connect

2019年11月21日(木)
会場:中国 北京 Omni Space

2019年11月22日(金)
会場:中国 上海 MODERN SKY LA

2019年11月24日(日)
会場:中国 西安 Core Space

2019年11月26日(火)
会場:中国 杭州 MAO Livehouse

2019年11月27日(水)
会場:中国 南京 DMO Music Space

プロフィール

コムアイ
コムアイ

アーティスト。1992年生まれ、神奈川育ち。ホームパーティで勧誘を受け歌い始める。「水曜日のカンパネラ」のボーカルとして、国内だけでなく世界中のフェスに出演、ツアーを廻る。その土地や人々と呼応して創り上げるライブパフォーマンスは必見。好きな音楽は民族音楽とテクノ。好きな食べ物は南インド料理と果物味のガム。音楽活動の他にも、モデルや役者など様々なジャンルで活躍。2019年4月3日、屋久島とのコラボレーションをもとにプロデューサーにオオルタイチを迎えて制作した新EP『YAKUSHIMA TREASURE』をリリース。

Yogee New Waves
Yogee New Waves(よぎー にゅう うぇいぶす)

2013年に活動開始。2014年4月にデビューe.p.『CLIMAX NIGHT e.p.』を全国流通でリリース。その後『FUJI ROCK FESTIVAL』《Rookie A GoGo》に出演。9月には1stアルバム『PARAISO』をリリースし、年間ベストディスクとして各メディアで多く取り上げられる。2017年1月にBa.矢澤が脱退し、Gt.竹村、Ba.上野が正式メンバーとして加入し再び4人編成となり始動。5月に2ndアルバム『WAVES』をリリースし、『CDショップ大賞2018』前期のノミネート作品に選出。11月には映画『おじいちゃん、死んじゃったって。』の主題歌に“SAYONARAMATA”が起用される。2019年3月20日には約2年振りとなる3rdアルバム『BLUEHARLEM』をリリースし、全14公演の国内ツアーと、台湾、マレーシア、タイ、中国の4か国8都市を巡るアジアツアーを開催。

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