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三浦直之とEMCによるファミレス感漂う「ポップカルチャー」談義

三浦直之とEMCによるファミレス感漂う「ポップカルチャー」談義

ロロ『四角い2つのさみしい窓』
インタビュー・テキスト
ヒコ(『青春ゾンビ』)
撮影:もてスリム 編集:川浦慧(CINRA.NET編集部)

「これが「エモい」っていうものか、みたいな感じだったもんね」(C)

C:音楽ならどう? えもちゃん、名盤教えて。

江本:前野健太『さみしいだけ』(2009年)かな。すげぇ聴いたし、今でも聴く。ほぼ1人で作っていて生活感もあるけど、気の効いたアレンジもあって、あと歌詞がとにかくいいですよね。

松本:めちゃめちゃ聴いたなぁ。前野健太もエピソードなかった?

C:好きだった女の子に、前野健太のCDを貸してもらって、一緒にライブ行って、前野健太きっかけで付き合いましたね。恥ずかしい……。

江本:あと、曲なら“Local Distance”ですね。EMCをはじめるときに松本さんに教えてもらって。

三浦:聴いてた、聴いてた。めちゃめちゃ好き。

松本:「今夜が田中」っていうインターネット上の謎のTwitterアカウントがあったんです。それがめちゃめちゃセンスよくて、ヒップホップもめっちゃ詳しいんだけど、誰もその人に会ったことない、みたいな。

C:これが「エモい」っていうものか、みたいな感じだったもんね。インターネットの現実の距離とかもテーマにしつつ。

C
C

ヒコ:映画はどうですか?

松本:「日本で一番おもしろい映画」とかで検索すると出てきたりするから、ちょっと恥ずかしいんですけど、『桐島、部活やめるってよ』(2012年)はやっぱり入れたいな。

三浦:『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』(2009年)がちょうど10年前だわ。めちゃめちゃ感動したんだよな。“翼をください”使うの、すぐ舞台で真似したもん。あと、『君の名は。』(2016年)はすごかった。細部にすごく演劇っぽさを感じたんですよ。

C:漫画はどう?

三浦:漫画でみんなが文句なしで共通で挙げるのは田島列島さんの『子供はわかってあげない』(2014年)だよね。あと、『ザ・ファブル』(2014年)ね。あれは珍しく全員読んでるんじゃない?

ヒコ:僕、読んでないですねぇ。どんな内容なんですか?

C:最強の殺し屋のファブルってのがいて、普通の日常生活を強いられるんだけど、やっぱどうしてもトラブルに巻き込まれてスキルを出してしまうみたいな……この作品、上手くおもしろさを言葉にできないんだよな。

江本:キャラがみんないいのと、台詞のやりとりがいい。

松本:そう! 会話のセンスがいいんだよ。アクションとかもめちゃめちゃ上手いし、画力もある。

ヒコ:へぇ! 読んでみます。

「みなさんが愛し、表現するポップカルチャーは、生活と密接に結びついているということなのかもしれないです」(ヒコ)

三浦:なんか抽象的なのも選びたいんだよね。現象とか概念とか。たとえば、サウナブームとか。

江本:コンビニのコーヒーマシンはどうですか?

三浦:たしかに。俺もあれがきっかけでコーヒー飲むようになって生活が変わった。

C:三浦さんの好きな「いきなり!ステーキ」は?

松本:店名が秀逸なんだよなぁ。「いきなり!ステーキ」って。あと、1人で行くといいんですよね、友達と行ったりしないで。雑に食うのがいい。

三浦:初めて行ったとき、感動したんだよなぁ。今でも行くたびにワクワクします。

松本:日清カップヌードルのシンガポールのラクサ食べた? あれマジで美味くないですか? もうあんまり売ってないですよね。

松本壮史
松本壮史

C:俺はトムヤムクンが衝撃だった!

三浦:へぇ~、めっちゃ食ってみたいな。しかし、カップヌードルまで出てくると、ポップカルチャーとは? ってことになるじゃん(笑)。

江本:セブンイレブンのたまごコッペパンは? あれ美味いですよね。セブンはリニューアルしてパンが美味くなったんですよ。

松本:セブンのたまごサンドは、『マスター・オブ・ゼロ』のアジズ・アンサリも絶賛してたらしいですよ。

ヒコ:じゃあ、たまごサンドもポップカルチャーか。

C:俺はセブンのお好み焼きパンかな。

三浦:もう、ただの好きな食べ物話じゃん!(笑)

三浦直之
三浦直之

ヒコ:(笑)。今日の対談、深夜のファミレスで気の合う仲間で集まって夜通し駄弁り合っている感じになりましたね(笑)。このインドアボンクラ企画を通して、みなさんが愛し、表現するポップカルチャーは、生活と密接に結びついているんだなと感じました。好きなカルチャーを挙げるとき、必ずそのときの暮らしぶりのエピソードが付随して思い出されていく感じ。

三浦:たしかに、好きなものを言い合っているうちに、そのときに感じたいろんなことも同時に思い出していました。だから、僕らがポップカルチャーを表現に引用するのって、すごく自然な感覚なんですよね。ヒコさんがブログを書き続ける理由と同じように、自分の好きなものを伝えたいっていう感覚もありますし。

ヒコ:まさに、好きなものがあれば<未来はいつも100%楽しいから>ですね。ロロとEMCにはこれからも、どこかの見知らぬ誰かの未来を明るく照らすような作品を作り続けていってほしいです。

4人が選ぶ、この10年のベストポップカルチャー

■三浦直之
『SMAP×SMAP』「はじめての5人旅」(テレビ)
ジュノ・ディアス『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』(書籍)
新海誠『天気の子』(映画)
今石洋之『天元突破グレンラガン』(アニメ)
阿部和重『ピストルズ』(書籍)
宮藤官九郎『あまちゃん』(ドラマ)
小川哲『ゲームの王国』(小説)
清野とおる『東京都北区赤羽』(漫画)
タナカカツキ『サ道』(漫画)
蜷川幸雄『海辺のカフカ 再演』(演劇)

■江本祐介
メイヤー・ホーソーン『A Strange Arrangement』(音楽)
スカート『エス・オー・エス』(音楽)
坂本慎太郎『幻とのつきあい方』(音楽)
オノマトペ大臣『街の踊り』(音楽)
トロ・イ・モワ『Anything in Return』(音楽)
stillichimiya『死んだらどうなる』(音楽)
PIZZICATO ONE『わたくしの二十世紀』(音楽)
宇多田ヒカル『Fantome』(音楽)
『ゼルダの伝説 ブレスオブ ザ ワイルド』(ゲーム)
『ザ・ノンフィクション』「たま平、しっかりしろ!」(テレビ番組)

■松本壮史
『マスター・オブ・ゼロ』シーズン2(ドラマ)
『レディ・バード』(映画)
PSG『David』(音楽)
『アルコ&ピース オールナイトニッポン(ZERO)』(ラジオ番組)
オードリー(人物)
『とにかく金がないTVとYOU』(テレビ番組)
Donnie Trumpet & the Social Experiment『Sunday Candy』(MV)
ECD『ホームシック 生活(2~3人分)』(書籍)
田島列島『子供はわかってあげない』(漫画)
ロロ『父母姉僕弟君』(演劇)

■C
『アメリカン・スリープオーバー』(映画)
『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(映画)
ケン・リュウ『紙の動物園』(書籍)
『極楽とんぼの吠え魂』10年越しの最終回(ラジオ番組)
稲川淳二『怪談・生き人形』(オカルト)
石黒正数『それでも町は廻っている』(漫画)
『まっすぐに智華子、夢へ ~全盲の少女、18歳の軌跡~』(テレビ番組)
宇多田ヒカル活動再開(出来事)
チャカ・カーン『Like Sugar』(MV)
Superorganism『Superorganism』(音楽)

■ヒコ
藤子・F・不二雄『藤子・F・不二雄大全集』刊行(書籍)
『オードリーのオールナイトニッポン10周年全国ツアーin 武道館』(ライブ)
『三四郎・浜口浜村・ドリーマーズの3組のライブ(仮)』(ライブ)
cero『武蔵野クルーズエキゾチカ / good life』(音楽)
ayU tokiO 『遊撃手』(音楽)
岩本ナオ『町でうわさの天狗の子』(漫画)
堂園昌彦『やがて秋茄子へと至る』(書籍)
岸政彦『断片的なものの社会学』(書籍)
坂元裕二『それでも、生きてゆく』(ドラマ)
ロロ『LOVE02』(演劇)

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リリース情報

『東京で考え中』
Enjoy Music Club
『東京で考え中』

2019年5月9日(木)配信

イベント情報

ロロ新作本公演『四角い2つのさみしい窓』

2020年1月30日(木)~2月16日(日)
会場:こまばアゴラ劇場
脚本・演出:三浦直之

プロフィール

三浦直之(みうら なおゆき)

ロロ主宰/劇作家/演出家。10月29日生まれ宮城県出身。2009年、日本大学藝術学部演劇学科劇作コース在学中に、処女作 『家族のこと、その他たくさんのこと』が王子小劇場「筆に覚えあり戯曲募集」に史上初入選。同年、主宰としてロロを立ち上げ、全作品の脚本・演出を担当する。自身の摂取してきた様々なカルチャーへの純粋な思いをパッチワークのように紡ぎ合わせ、様々な「出会い」の瞬間を物語化している。2015年より、高校生に捧げる「いつ高シリーズ」を始動。高校演劇のルールにのっとった60分の連作群像劇を上演し、戯曲の無料公開、高校生以下観劇・戯曲使用 無料など、高校演劇の活性化を目指す。そのほか脚本提供、歌詞提供、ワークショップ講師など、演劇の枠にとらわれず幅広く活動中。2016年『ハンサムな大悟』第60回岸田國士戯曲賞最終候補作品ノミネート。

Enjoy Music Club(えんじょい みゅーじっく くらぶ)

2012 年結成。「エンジョイミュージック」を合言葉に集まった3人組ラップグループ。2015年11月に1st アルバム「FOREVER」発売。NHK E テレの子ども番組「シャキーン!」やテレビ東京系「モヤモヤさまぁ~ず 2」、日本テレビ系深夜ドラマ「住住」に楽曲提供。テレビ東京『ゴットタン』内企画「マジ歌選手権」ではバカリズム氏とコラボ。同番組ライブ企画『マジ歌ライブ2018in横浜アリーナ』では12000人を前にグループ初のコール・アンド・レスポンスに挑戦した。2018年には中国ツアーも敢行し、日本国外にも活動の幅を広げている。

ヒコ

ポップカルチャーととんかつを愛するブログ『青春ゾンビ』の主宰。

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