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広告に冷めた時代のアプローチ。Hondaは「フラット」を提示する

広告に冷めた時代のアプローチ。Hondaは「フラット」を提示する

Honda『Life Sound Player』
インタビュー・テキスト
金子厚武
撮影:鈴木渉 編集:柏井万作(CINRA.NET編集部)

「今の人たちの普通」=「個性的」

―今回作られたクリエイティブは「音」がテーマになっています。ここに辿り着くまでには、どんな過程があったのでしょうか?

:在宅の時間が増えて家で友人と映画を見るようになったんですけど、ある日自分たちでポップコーンを作ってみたんです。その時に家の中で普段は聞かない音を体験して、鮮明に記憶として残ったんですよね。この長い自粛期間を多くの人が共有している中で、より身近になった「生活」と、世界中の様々な場面で使われているHondaプロダクトの接点を、「音」を通じて作れるのではないかと考えました。

水谷:今どきというポイントでも、ワイヤレスイヤホンとかスマートスピーカーとか、ダサくないガジェットが普及してきたおかげで、PodcastやClubhouseなど音声コンテンツが注目を浴びるようになっていたり、「音を聴く」という行為がまた復活してきていますよね。「フラット」というコンセプトとしても、音はノンバーバルで、人種や国籍も関係ないので、かなり発展性のあるテーマなんじゃないかと思ったんです。

水谷正紘

―ムービーは普段の生活音がHondaプロダクトの音に変化することによって、主人公の心情に変化が起こるという展開になっていますね。

水谷:はい、主人公の変化を通じてコンセプトがわかるよう意識して作っています。

Hondaのブランドムービー『Life Sound Player』

水谷:ただ、これを企業目線で作って、企業が言わせたい台詞を言わせるようなものになってしまうと、「こんなこと言う人いないだろ」という動画になってしまうので、ムービーの中で起こる出来事はファンタジーですけど、リアルな感覚を重視して作っていきました。

:特にこだわったのは「どんな部屋にするのか?」という部分ですね。最初に「派手じゃなくて、普通の部屋でいい」という話をしたんですけど、そもそも「普通」の感覚が人によって全然違って、「じゃあ、普通って何?」という議論になって。

それでいきついたのが、今の人たちは個性を持ってるのが当たり前で、部屋にしても、身に着けるものにしても、「今の人たちの普通」=「個性的」なんじゃないかと思ったんですよね。なので、部屋の中にこけしのコレクションがあるんですけど、そこは今どきの「普通」を意識した結果なんです。結局、使われたシーンにこけし映ってないんですけど(笑)。

郭春佳

水谷:この主人公は、おそらく収集癖がある人なんですよね。エキセントリックな一匹狼みたいな個性にしちゃうと、見てる側と距離ができてしまうし、インスタ映えするような、教科書的に作れるオシャレな部屋も違う。何かしらその人なりの人間性が見えるような部屋であるべきだと思って。

作り込まれた部屋の様子
作り込まれた部屋の様子
作り込まれた部屋の様子

―「音」が中心にありつつ、部屋を隅々まで見てもらうことでも、いろいろな発見がありそうですね。

水谷:もちろん、音自体が面白くないとこの企画は成立しないので、そこはすごくこだわってます。生活の音がHondaプロダクトの音に置き換わって、その変化に気付き、だんだん楽しくなっていって、体を揺らし出す。その子の心境に合わせて音も変わっていくというのはかなりこだわりました。

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ウェブサイト情報

『Life Sound Player』
『Life Sound Player』

日常は、音であふれている。暮らしに少しだけ耳のピントを合わせてみたら、どんなことが感じられるだろう。
暮らしの音とHondaの音を楽しむムービーとともに、実際に音を自分なりに組み合わせて遊んでいただけます。

プロフィール

水谷正紘(みずたに まさひろ)

伊藤忠インタラクティブ株式会社 Creative Director / Copywriter。1984年、長崎生まれ。東京大学 機械情報工学科卒業。大手シンクタンクで金融系のシステム開発に携わる中、ふと頭に降ってわいた「コピーライターってなんか面白そう」という直感を信じ、2015年より現職。ウェディングサービスのブランドステートメント開発、大手精密機器メーカーのWebプロモーション企画、製薬関連企業のインナーブランディング、オンライン書店企業の企業理念策定など、コトバを使ったコミュニケーションデザインの実績多数。

郭春佳(かく はるか)

伊藤忠インタラクティブ株式会社 Art Director / Designer。1995年、東京生まれ。多摩美術大学にて、プロダクトデザインを専攻。インテリアメーカーのWebサイトデザイン、大手機械メーカーや総合大学のWebコミュニケーション戦略策定・クリエイティブ監修の他、大手シンクタンクとの合同事業コンソーシアム・実証実験など多くの事業創出を牽引。最近は『呪術廻戦』にはまっていて、人生で初めてマンガの単行本を大人買いした。

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