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木梨憲武のジャンルに縛られない働き方。下の世代にも学ぶ理由

木梨憲武のジャンルに縛られない働き方。下の世代にも学ぶ理由

『木に梨はなる ~頭の中の大宇宙~』
インタビュー・テキスト
麦倉正樹
撮影:杉田裕一、中川容邦 編集:後藤美波(CINRA.NET編集部)

「いかにうるさいジジイにならないか」も模索する木梨が、いまの若者に思うこと

―とりわけ木梨さんは、そうやって忌憚なく話ができる友人が多いイメージがありますけど、最近は年下と交流する機会も多いんじゃないですか?

木梨:最近はもう、年下ばっかりですから。そういうとき、いかにうるさいジジイになって嫌われないようにするかっていう、新しいテーマがやってくるわけです(笑)。でも、やっぱり言いたいことは言いたいなって思ったり。ジジイの話、聞け! たまに役に立つ話あるぞ~! って。

―昔はこうだったとか、思わず語ってしまったり?

木梨:そうそう。だから、昔のメンバーと飲んでいるときは、もう昔の話ばっかりですよ。ただ、そこに若いメンバーがいたりすると、彼らには直接言わないようにして……。

でも、俺らがそうやって昔の話をしているところは、なるべく若いメンバーにも見せるようにしているんですよね。それも嫌だったら、二度と来ないから。まあ、そういうときは、「昔の話はしないから、もっかい飲もうよ」って泣きつくんだけど(笑)。

木梨憲武

―(笑)。相手の懐に入っていくコツみたいなものって、木梨さんなりに何かあったりするのですか?

木梨:うーん、別に相手の懐に入ろうと思って動いているわけじゃなくて、「たまたまのつながりからの流れ」みたいなものが大好きなんですよね。どこかで偶然会ったとか、この人と引き合わせたら面白いんじゃないかなとか、この仕事をお願いしたら受けてくれるかなとか。

もちろん、それを無理やりやったらロクなことがないので、タイミングを計りつつ、キョロキョロ相手の顔色を見つつなんだけど(笑)。

まあ、この歳になると、一般の方も含めて、みんな俺のことを知ってくれているから、そのへんは楽にはなりましたけどね。会っていきなり「こんちわ!」からスタートできるっていう。それは若い子たちに対しても同じかな。初対面でも「こんちわ! 木梨です!」って声を掛けたら、大体わかってもらえるので。

木梨憲武

―ちなみに木梨さんは、最近の若者たちを、どんなふうに見ているのでしょう?

木梨:や、みんなすごいと思う。俺らにはないマインドを持っているというか。それこそ、こないだゴルフの『マスターズ』で優勝した松山(英樹)くんじゃないけど、もはや世界レベルが当たり前だから。それはゴルフに限らず、野球だってサッカーだって……スポーツの世界だけではなく、クリエイティブの世界にも、いまはすごい若者がいっぱいいるじゃないですか。

俺はおっさんなのに、それを学びたいとか思っちゃうんだよね。どういう考え方をしているんだろうとか。もちろん若い芸人のみなさんからも。だから、「教えて! 教えて!」って、すぐに近寄っていっちゃう(笑)。

木梨憲武

―そうやって好奇心のままに、下の世代からも学ぼうと近づいていけるのが、木梨さんならではなんでしょうね。一般の若者たちについては、どうですか?

木梨:まあ、俺たちの頃はSNSなんてものはなかったからね。いまはSNSで自分を全面的に出す人がいて……もちろん、まったく出さない人もいて、これはどっちでもいいと思うんだけど、すべてのコミュニケーションをスマホのなかで完結させることができるようになったじゃないですか。

スマホがない時代の俺たちは、たとえば、気になる女の子がいたとして、その子の電話番号を聞くだけで、一段階気持ちが上がったんだよね。じゃあ、今度会おうよって言って、何時に待ち合わせて、どの洋服を着ていこうか考えて、待ち合わせの場所にちょっと早めにいって、ドキドキするみたいな。相手が来なかったとしてもそれが楽しかったような気がして。

木梨憲武

―「結果」だけではなく、そこまでの「過程」をもっと楽しみたい?

木梨:そう。それはいまでもあんまり変わってないですね。明後日ゴルフに行くってなったら、いまからゴルフの頭になって、もうドキドキし始めてる。8時スタートだったら、「朝ごはんは、家かな? 現地かな?」とか、いろいろ考えたりして。まあ、実際ゴルフが始まってみると、そんなに練習もしてないからヘタクソだし、それほど盛り上がらなかったりするんだけど。

あと、最近キャンプが流行っているじゃないですか。自分はもともと海派だったはずなのに、「山もいいねえ」なんつって、キャンプなんてほとんどしたことがないのに、キャンプグッズを買い漁ったりして。「これ、本当にいるのかな?」「でも、この本には絶対必要だって書いてあるから、やっぱり買っときますか」っていろいろ買いそろえて、いざキャンプにいったら、わりと淡々と過ごしているっていう(笑)。

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番組情報

『木に梨はなる ~頭の中の大宇宙~』
『木に梨はなる ~頭の中の大宇宙~』

2021年6月14日(月)20:00~隔週WOWOWにて配信・放送
※WOWOWオンデマンドでは無料トライアル実施中

プロフィール

木梨憲武(きなし のりたけ)

お笑いタレント、歌手、アーティスト、俳優、司会者。お笑いコンビ「とんねるず」メンバー。「オールナイトフジ」「ねるとん紅鯨団」「とんねるずのみなさんのおかげでした」等、数々のバラエティー番組を担当。とんねるずとして活躍する一方、アトリエを持ち、画家としても活動している。1994年に「木梨憲太郎」名義で愛知県名古屋市で開催した初個展『太陽ニコニカ展』から日本国内では9度の個展を開催。開催会場はのべ30会場。アメリカ・ニューヨーク(2015年)およびイギリス・ロンドン(2018年)での2度の海外個展でも成功を収める。

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