ネット系ベンチャー企業の矢野さとる氏(26歳)は、12日、ネット上での犯行予告書き込みを自動的に収集するサイト「予告.in」を公開した。
6月11日、秋葉原での無差別殺人事件を受け、総務相がネット上の犯行予告を検知できるソフトの開発費として、数億円を来年度予算の概算要求に盛り込むと発言した報道を受けて、佐野氏が2時間でつくり、すぐに公開をしたのがこのサイト。
2ちゃんねるやはてなブックマーク、一般のブログから「犯行予告」や「殺す」などそれらしき特定のキーワードが含まれる投稿を自動的に収集して一括表示させるというもので、その他にも犯行予告投稿をどこかで見つけたユーザーが投稿するための掲示板なども実装されている。
ネットからの「悪」は、ネットからの「善」で正す、という的を射た発想から生まれたサイトであることが、見て取れる。
こういった類いの投稿は、たとえ管理ソフトを数億円で開発したとしても、結局は何らかの暗号や隠語などにして行なわれるために、規則性を見いだして管理するのは難しい。一方「予告.in」は、0円で、2時間で作り上げられたサイトだ。さらにそれは、キーワードから紐づく自動収集だけでなく、ネットユーザーの良心を信じて、オープンに情報が共有・投稿できる場となっている。
実際どういったソフトを想定して数億円という費用を想定したのかはわからないが、いずれにせよその出所は国民の税金。だからこそ、何のためにどれくらいのお金が本当に必要で、それがどんな効果を生み出すかを、しっかりと吟味してもらいたいし、0円で2時間で作られたこのサイトのおかげで、実際に悲惨な事件が少しでも減っていくことを願いたい。
(投稿:CINRA杉浦)