2004年モントリオール世界映画祭でグランプリを受賞した『シリアの花嫁』が、2009年2月21日(土)より岩波ホール他全国順次公開される。
イスラエル占領下のゴラン高原。花嫁モナは最高に幸福なはずの結婚式の日を迎えていたが、花嫁一家には「境界線」の壁が存在した。一度「境界線」(現在の軍事境界線の意)を越えて花婿のいるシリア側へ行ってしまうと、二度と愛する家族のもとへは帰れない。国、宗教、伝統、しきたり・・・あらゆる境界に翻弄され、人々はもがいていた。モナは決意を胸に、家族とともに「境界線」へと向かうが・・・。クライマックスでの、高まる家族愛、未来へ踏み出そうとする姉妹の姿、そしてモナの驚くべき行動に、私たちの目と心が奪われる―。
実力派監督のエラン・リクリスは、複雑な中東情勢を背景に、時に美しく、時にコミカルな、観る者の心を惹きつける感動作を誕生させた。俳優陣や脚本もパレスチナ人を多く起用し、花嫁モナの姉アマルを国際的高い評価を得ているヒアム・アッバスが演じ、迫真の演技で圧倒的な存在感を誇る。そのみごとな構成力、演出力などが称えられ、世界中の観客から圧倒的な支持を得て、10以上もの賞に輝き、喝采を送られている。
どんなに翻弄されようとも、未来を信じ希望を胸に生きていく女たちの姿が、私たちの心の琴線をふるわす。
『シリアの花嫁』
2009年2月21日(土)より岩波ホール他全国順次公開
監督:エラン・リクリス
脚本:スハ・アラフ、エラン・リクリス
キャスト:
ヒアム・アッパス
マクラム・J・フーリ
クララ・フーリ
配給:シグロ、ビターズ・エンド