森村泰昌が偉人姿で紙幣に、経済と芸術をユーモアで考察する『肖像 経済、その他』

自らの身体を使い、世界的著名人などを表現するポートレイト作品で知られるアーティスト森村泰昌による個展『肖像 経済、その他』が、東京・銀座のBLD GALLERYで4月17日まで開催されている。

森村泰昌は、1985年に『肖像・ゴッホ』を発表して以来、一貫して名画の登場人物や女優、革命家などに自ら扮するというユニークな手法でセルフポートレート作品に取り組み、国際的にも活躍している現代芸術家だ。

シリーズ作品『なにものかへのレクイエム』で森村が扮した、レーニン、ゲバラ、毛沢東、アインシュタインらなど20世紀の偉人たちは、奇しくも紙幣の肖像画となっている。革命家達の肖像をもって、高度資本主義社会の血液のごとく流通している紙幣自体に森村自身が入り込むことは、ユーモアを含みつつ、資本主義経済そのもののポートレイト化とも言えるだろう。

同展では、経済と芸術にまつわる価値について考察したシリーズを中心に展示。また、美術史シリーズ以外であまり知られることのなかった、森村曰く「その他」とされるジャンルの作品の中から、切手シリーズ、レンチキュラーの技法を使用した新作マルチプル作品『だぶらかし』シリーズなども展示される。

会期中は、LEDを用いた作品を特徴とする現代美術家・宮島達男との対談イベントが行われるほか、3月末には関連書籍『肖像 経済』が刊行される。

森村泰昌
『肖像 経済、その他』

2011年3月5日(土)~4月17日(日)
会場:東京都 銀座 BLD GALLERY
時間:11:00~19:00
協力:ShugoArts

『対談 森村泰昌×宮島達男(美術家)』

2011年3月5日(土)15:00~
会場:東京都 銀座 BLD GALLERY会場内
料金:1,000円(定員50名)

『肖像 経済』

2011年3月末刊行予定
著者:森村泰昌
発行:Akio Nagasawa Publishing, 2011

(画像上:「 肖像経済/元」©Yasumasa Morimura、画像下:「切手の自画像/フリーダ・カーロ」©Yasumasa Morimura)

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