植物由来の「レザー」を使用したアイテムが続々登場 Allbirdsや日本企業も

植物を原料とし、レザーのような質感を持った素材「ヴィーガンレザー」の一般化が進んでいる。動物愛護や自然環境保護の観点から、クリーンな素材として注目されているヴィーガンレザー。マッシュルームやパイナップルといった植物由来の繊維を素材としたヴィーガンレザーは、ステラ マッカートニーやアディダスといったブランドに採用され、ファッション業界からも脚光を浴びている。

昨年、原宿駅前に日本1号店がオープンしたスニーカーブランド「Allbirds」は、100%植物由来を謳う「プラントレザー」を開発したことを先日発表。アメリカ・カリフォルニア発のAllbirdsは、ウール素材やユーカリの木の繊維、サトウキビ由来の素材などを使用したスニーカーを販売しているブランドで、プラントレザーはアメリカの企業「ナチュラル・ファイバー・ウェールディング」とのパートナーシップによって生まれた素材だ。植物油や天然ゴムなどのバイオ素材を原料とし、二酸化炭素による環境への影響を指す「カーボンインパクト」は従来の天然皮革に比べて40分の1、石油由来の合成皮革と比べて17分1に抑えられているという。

なおAllbirdsでは、製品を作るために排出されたCO2排出量を指す「カーボンフットプリント」の表示を、全製品に対して表示させており、食品のカロリー表示のように「地球のためにCO2e排出量を知る」ことが当たり前の世の中を作ることを目指しているという。

ジョーイ・ズウィリンジャー(Allbirds共同創業者)のコメント

多くのファッション企業は、環境より生産スピードとコストを優先させるために、環境に悪影響な石油由来の合成素材やサステイナビリティに欠けるレザーを長く使用し続けてきました。NFW社はスケーラブルかつサステイナブルなプラントレザーを開発しており、これらの素材は二酸化炭素排出量を98%も抑えられるポテンシャルを秘めています。今回のパートナーシップ及びそのテクノロジーによって開発されるプラントレザーは、ファッション業界から石油系素材を失くすための大きな一歩となるでしょう。

ルーク・ハヴェラール(NFW創業者)のコメント

今、社会に蔓延している欠乏感。これはプラスティックや石油系製品に頼り続けてきた結果なのです。しかしサステイナブルで再生可能な手法に基づいたテクノロジーは、この問題を解決し、まったく新しい時代を生むでしょう。新しい時代に向けた取り組みを牽引するAllbirds社とパートナーシップを結ぶことは、 私たちにとっても大きな意味があり、大変喜ばしいことであると感じています。

日本では草ストローを輸入販売する合同会社HAYAMIが、サボテン由来のヴィーガンレザーを使用した新ブランド「Re:nne」の立ち上げを本日3月1日に発表。HAYAMIは東京農業大学の学生・大久保夏斗を代表とする企業だ。サボテンレザーの素材はメキシコ全土に存在するノパルサボテン。殺虫剤や除草剤を使用せずに加工・製造され、生産過程での二酸化炭素の排出量は、同量の革に比べると約80%削減されるという。このサボテンレザーを使用する「Re:nne」の第1弾アイテムとして、ウォレット「Chitose」を予約販売。Chitoseは日本で約90年以上続く老舗メーカーの職人によって手作りされるという。

 

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