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『京都国際映画祭』、なのに映画だけじゃない。その全容に迫る

『京都国際映画祭』
テキスト
木薮愛
編集:石澤萌
『京都国際映画祭』、なのに映画だけじゃない。その全容に迫る

映画祭なのにアートも盛りだくさん。京都全体を巻き込んだ『京都国際映画祭』をレポート

日本映画発祥の地・京都にて、10月11日から14日の4日間に渡り、『京都国際映画祭2018』が開催された。市内各所にて、映画上映やアート作品の展示、トークショー、さまざまなワークショップなどが行われ、今年で5回目の開催となる本イベント。今年は開催場所を京都市内37か所に広げ、さらにコンテンツも映画、アートから、テクノロジー、伝統工芸まで拡大された。

「映画もアートもその他もぜんぶ」というサブタイトルの通り、まさに「なんでもあり」といっても過言ではないほど、華やかで型破りなフェスティバル。約20万人が参加し、まさに京都全体を巻き込んだ『京都国際映画祭』とは、どんなイベントなのか?

チャンバラに愛を注ぐ、巨匠・中島貞夫。「殺陣」の魅力が詰まった、20年ぶり最新作も上映

「京都上映中。」というキャッチフレーズで展開された今年の注目の映画作品は、なんといっても『極道の妻たち』シリーズを監督したことで知られる、中島貞夫監督の20年ぶりとなる長編最新作『多十郎殉愛記』だ。

 ©『多十郎殉愛記』製作委員会
©『多十郎殉愛記』製作委員会

10月14日には、よしもと祇園花月でクロージング上映が行われ、中島貞夫監督、主演の高良健吾、木村了が舞台あいさつに登壇。京都市が新設した『京都映画大賞』を中島貞夫監督が受賞するという展開に至った。

「殺陣の魅⼒を存分に⾒てもらうこと」をコンセプトにした『多十郎殉愛記』は、現代における「チャンバラ映画」と言える。完成まで5年を要し、中島監督の「チャンバラ」への美学が詰まった本作は2019年春に公開される予定だ。

左から:京都市会議長の寺田一博、高良健吾、中島貞夫監督、木村了、京都市長の門川大作。 ©京都国際映画祭
左から:京都市会議長の寺田一博、高良健吾、中島貞夫監督、木村了、京都市長の門川大作。 ©京都国際映画祭

ほかにも、10月20日より公開されている、千原ジュニア主演のヒューマンドラマ『ごっこ』や、声優陣にココリコ田中直樹、田口トモロヲを迎え、世界初の長編ゲキメーションアニメとして制作された『バイオレンス・ボイジャー』(2019年公開予定)など、ジャンルにとらわれない刺激的な作品がラインナップされた。

くっきー、増田セバスチャンが、「1万円」の予算でアートを作るとどうなる?

映画だけではなく、アート展示も見逃せないのが『京都国際映画祭』の特徴だ。創立147年の趣のある廃校「元淳風小学校」には、子どもから大人まで楽しむことができるアート作品を展示。「京都伝統産業ふれあい館」では真田紐ストラップや京友禅ブックカバーを作る伝統工芸ワークショップも行われた。

京友禅ブックカバーを作るワークショップの様子。 ©京都国際映画祭
京友禅ブックカバーを作るワークショップの様子。 ©京都国際映画祭

中でも興味深かったのは、総勢31名の芸人、タレント、アーティストが参加した『1万円アート in 京都国際映画祭 1万円で作るテディベア・アート』展。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』などに携わる放送作家、高須光聖によるアートプロジェクトが、今回京都に上陸したのだ。野性爆弾くっきー、増田セバスチャンなど、芸人から台湾を代表するアーティストまでさまざまな著名人が、原材料1万円で「100人が見た際に、3人だけの心に深く突き刺さるであろうテディベア」を作り展示した。

『1万円アート』会場の入り口には、参加者たちの顔パネルが設置されていた。 ©京都国際映画祭
『1万円アート』会場の入り口には、参加者たちの顔パネルが設置されていた。 ©京都国際映画祭
教室内に、円を描くように作品が展示されている。 ©京都国際映画祭
教室内に、円を描くように作品が展示されている。 ©京都国際映画祭

野性爆弾くっきーの1万円アートは、もはや普段の私たちが想像する「テディベア」ではない。『Teddy Bear』と冠されたZINEは、くっきーの持つカオスぶりが隅々まで表れたものとなっていた。これも、彼の思うテディベアのひとつなのだろう。

くっきー作の『Teddy Bear』(写真は台湾で展示されたときのもの)
くっきー作の『Teddy Bear』(写真は台湾で展示されたときのもの)

格闘家・小比類巻貴之の画鋲800本で作られた、抱くと血だらけになってしまうテディベアは、他者を愛することの難しさを示唆しているようだ。

小比類巻貴之による作品。テディベアの全身に画鋲が取り付けられている。(写真は台湾で展示されたときのもの)
小比類巻貴之による作品。テディベアの全身に画鋲が取り付けられている。(写真は台湾で展示されたときのもの)

「Kawaii文化」を築いた増田セバスチャンは、「いつもは1万円では作れませんが、」というコメントを残しつつ、彼らしい、カラフルで鮮やかな作品を見事作りあげた。個性的でアイロニーを含んだベアたちの、決して「可愛い」の一言では表現できない魅力に釘付けになる。

毛糸やビーズが使われたカラフルなテディベア(写真は台湾で展示されたときのもの)
毛糸やビーズが使われたカラフルなテディベア(写真は台湾で展示されたときのもの)

ほかにも元淳風小学校には書家・山内美鳳と天才アートKYOTO所属アーティストによるコラボレーション大作や、山本麻紀子の巨大な「歯」の彫刻作品、閉校した学校の教室に染み渡る記憶を辿るような洋画家・かずこの作品など、さまざまな作品が展示されており見ごたえ抜群だった。

山内美鳳によるライブペインティングが行われた ©京都国際映画祭
山内美鳳によるライブペインティングが行われた ©京都国際映画祭
山本麻紀子『巨人の歯』 ©京都国際映画祭
山本麻紀子『巨人の歯』 ©京都国際映画祭
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イベント情報

『京都国際映画祭2018』
『京都国際映画祭2018』

期間:2018年10月11日(木)~14日(日)
会場:
よしもと祇園花月
元淳風小学校
岡崎公園
京都伝統産業ふれあい館
岡崎公園 野球場
大江能楽堂
TOHOシネマズ二条
T・ジョイ京都
イオンシネマ京都桂川
京都大学稲盛財団記念館
ロームシアター京都 ローム・スクエア
京都市図書館
京都市中央市場
藤井大丸
京都タワーサンド
京都マルイ
立誠図書館・トラベリングコーヒー
京都美術工芸大学
ゼスト御池 河原町広場
崇仁新町
島原地区カフェ3店舗
京都競馬場
ワコールスタディホール京都
庵 Iori 美濃屋町町家
イオンモール京都五条
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