2.5次元ミュージカルが世界で勝負できる理由とは?松田誠が語る

サンリオピューロランドが最近面白い。先日はハローキティのボーイフレンド・ダニエルがファンを「壁ドン」してくれる企画が催されるなど、「どうしちゃったのサンリオ…!?」という声も聞こえてきそうなほどの、攻めの姿勢を見せている。そんなピューロランドが、今回さらなる新たな一手を指した。それが新作ミュージカル『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』。アニメや漫画を原作に、男性俳優が歌い踊る2.5次元ミュージカルを多数手がけてきたネルケプランニングとピューロランドが手を組み、ねずみたちの社会を舞台にした友情と青春の物語を発表した。男性俳優のみのミュージカルも、2.5次元ミュージカルとのコラボレーションもピューロランドにとっては初の試み。攻めの姿勢を微塵も崩そうとしない理由が大いに気になるところだ。そこで今回、同作の制作に深く関わったネルケプランニング代表取締役の松田誠にインタビューすることにした。2.5次元ミュージカルを人気コンテンツに成長させた彼にとって、今回のコラボレーションが意味するものとは何か。2.5次元ミュージカルはどんな未来図を描いているのか。そして演劇の魅力とは何か。数々の疑問をぶつけてみた。

サンリオという巨大で不思議なエンターテイメント企業の秘密を悟ったんですよ。

―サンリオピューロランドと2.5次元ミュージカル(漫画、アニメ、ゲームを舞台化した作品)という意外な組み合わせに驚きながらゲネプロ(一般公開前に行われるプレ公演)を見せていただいたのですが、まず今回のコラボレーションに至った経緯からお伺いしたいです。『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』は、約4年をかけて実現したそうですね。

松田:サンリオピューロランドのご担当の方が以前から弊社の作品を見てくださっていて、一緒に作品を作りましょうとご提案いただいたのが4年前。サンリオさんはハローキティやマイメロディなど、良質なキャラクターと物語を長年作り続けているところですから、やるとなればそれなりの準備が必要ですよね。僕らとしてもピューロランドで新作公演ができるなんて夢のような話なんですよ。それでじっくり時間をかけてコンセプトや方向性を練り上げて、最終的にサンリオの社長である辻信太郎さんが書かれた『ねずみ物語』を原作にすることになりました。

『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.
『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.

―ねずみの男の子たちの友情と冒険の物語ですね。原作は2007年に本が刊行され、同年にアニメ映画にもなっています。

松田:そうです。僕らネルケプランニングが2.5次元ミュージカルの新作を作るとなれば、やっぱり男の子にスポットライトを当てるものが多いですから、その点でもぴったりでした。

―『ちっちゃな英雄』は、ピューロランド初の男性俳優のみが登場する作品ですね。マイメロディも登場しますが、ストーリーテラーという役割です。

松田:サンリオの世界観と言うと、メルヘンチックで色合いの淡い、親子で安心して見られるような美しい世界が多いんですよね。だからこそ、僕らだからやれることをすごく真剣に考えました。男の子らしいエネルギッシュさとスピーディーな展開。そして原作にもある「友情」や「優しさ」。それらを約40分という短い時間に凝縮して伝えないといけない。普段の作品とはまるで料理法が違いますから、演出家、脚本家、音楽家とも相談していろいろ戦略を練っていったんですよ。でもね、辻さんと直接お会いしてそれがいかに甘かったと痛感しまして……。

『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.
『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.

―厳しい意見をもらってしまったんですか?

松田:そうじゃないんです。僕らが普段作品を作るときには、初めに必ず戦略を立てるんですよね。こういう風に演出したらファンは盛り上がるだろうということを常に計算しているんです。でも、辻さんから言われたのは「とにかくお客さんを喜ばせてくれ!」ということだけでした。もっとビジネス的な要望を求められると思っていたんですよ。例えば男の子を出演させることで、お母さん層をターゲットにしてほしいとか。でも、そんな話は1つもなく「とにかく面白いものをよろしく!」と。

―エネルギッシュですね。

松田:エネルギーの塊みたいな人ですね。打ち合せ中に、最近作った新しいバースデイカードの話をしてくださったり。人を楽しませる気持ちに溢れていて、「このカードを開くと車になるんだぞ! しかもブッブーって音が鳴るんだよ、面白いだろ!」と辻さんに熱弁されて(笑)。そういう子どもみたいなシンプルなエネルギーを真っ正面からぶつけられて、ガーンっと殴られた感じがしたんですよ。

松田誠
松田誠

―目を覚まさせられた。

松田:実は最初に「40分の上演時間に4回は泣ける作品を作ってほしい」と言われていたんです。それを聞いたとき、正直難しいと思いました。漫画原作のようにファンに馴染みのあるキャラクターもいない内容で、40分に4回泣かせて、歌や踊りのシーンも入れるというのは到底無理だろうと。もちろん僕らも、ものを作る立場だから本気で取り組んでますよ。手を抜いてもいいやなんて思ったことはない。でも、辻さんに会って「頼むぞ!」って言われたときに「やらなきゃ!」って反射的に思いました。翌日に演出家のきだつよしさんを呼んで、緊急会議を開いて「今みたいな向き合い方ではだめだ。もっと本気で、真摯に向き合い必ず面白いものにしないと」って。その後、脚本も演出も大幅に変更し、稽古のたびに試行錯誤を繰り返しました。

―一気に場の空気が変わった。

松田:年の離れた大先輩から「面白いもの作ってくれよな、若人たち!」って言われたら当然ワクワクするじゃないですか。そのときにサンリオという巨大で不思議なエンターテイメント企業の秘密を悟ったんですよ。ビジネス的な採算性を考えたら、こんなとてつもないエンタメ空間は作れない。辻さんの純粋で熱い、「人を喜ばせたい」という想いがあるからこそ、サンリオのキャラクターたちやサンリオピューロランドが生まれたんだなって。

演劇ってなんだろう? と考えると、最終的に文化祭、学芸会なんですよ。それを大人になった今も続けているようなものです。

―「人を喜ばせたい」という精神は2.5次元ミュージカルにも感じますし、『ちっちゃな英雄』にも強く現れていると思います。「人を信じ続けること」というテーマのもと、歌と踊りと演技が三位一体に融合している。

松田:兄弟愛、自分が認められないことの悔しさ、壁にぶつかったときの困難さ……いくつもの要素が入っていますよね。原作の『ねずみ物語』にそういうテーマがいっぱい散りばめられていて、それをかたちにするときに何を大切にするべきかは、かなり議論したところです。演劇の最大の武器ってやっぱり生のライブでやることなんです。そして僕らが辿り着いたのは、劇中のねずみ君たちと、それを演じている若い俳優たちの頑張っている姿をリンクさせることでした。ご覧いただいたとおり、みんなすごく熱を持って、頑張っているじゃないですか。

―ほんとに頑張ってましたね! ゲネプロなので客席には関係者の大人たちばかりじゃないですか。でも全力で走って、ブンブン手を振って盛り上げて。

松田:そこはライブだからこそ面白いところで、これを映像で切り取ってもどうしても100%は伝わらないんですよ。距離があると、視聴者は冷静に見ちゃうから。生々しいエネルギーはライブでしか体感できない。だからポイントを「生で体験できること」に置いたんです。お話はわかりやすいし、難しいギミックやトリックがあるわけではない。それよりも重要なのは、彼らの熱量や汗を流して踊る姿、お互いにニコっと笑ってハイタッチする、そういうものを伝えようと。

『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.

『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.
『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.

―それこそ2.5次元ミュージカルの魅力だと思います。今日ハッとした瞬間があって、報道向けのフォトセッションで、俳優の皆さんと松田さんが並んでいましたよね。そのときの俳優さんとのやり取りが非常に自然で、垣根がないんだなと感じました。

松田:そうですね。2.5次元ミュージカルの現場は誰もが新しいことにチャレンジしているという意味で一緒なんです。

―男同士の信頼関係が、この座組みですごく強くできているんだなと思いました。

松田:『テニミュ』(ミュージカル『テニスの王子様』)なんて、完全に学校ですよ。スタッフもキャストも公演を重ねるごとに「成長」がある。お客さんもそこを楽しんでくれています。演劇ってなんだろう? と考えると、最終的に文化祭、学芸会のような一瞬のお祭りだなと。それを大人になった今も続けているようなものです。徹夜で企画を考えたり、山車や看板を作ったり、ケンカして衝突したり。でも最後にお客さんや父兄が来て「がんばったじゃん!」って言われるとすごく嬉しい。あの感情が忘れられずに、ずーっとやっているんです。

お芝居の世界にのめり込んで見る面白みと、俳優やカンパニーの成長を俯瞰的に見る面白み。2.5次元ミュージカルにはその2つがあるんです。

―だからこそ、見た後にエモーショナルな体験の残り火が心に残るんでしょうね。演劇にリピーターが多いというのも、その体験を何度も味わいたいという心理が働いている。

松田:例えば『レ・ミゼラブル』が好きな人は、毎年何回も見るんですよ。これって、他のエンタメにはなかなかない現象だと思います。リピートされるとしたら、ピューロランドのようなテーマパーク。当たり前ですけど、映画や小説って何回見返しても物語は変わらないじゃないですか。でもピューロランドに来たときの体感は毎回違うし、そこで起こることは前に来たときとは違っている。同じことは絶対に2回は起きない。そこには体験の希少性があるんですよね。そのエモーショナルな熱量を体感したくてお客さんたちは何度も足を運ぶのだと思います。例えば、俳優がちょっと滑って転んだ瞬間に「大丈夫!?」ってドキっとしたりする。そんな些細なことでも面白い。

―それも希少性ですね。

松田:そうですね。もちろん安全は大切ですから、アクシデントは起きないほうがいい。でも、その瞬間に生まれる出演者とお客さんとの双方向な感じは、映画やテレビのようなワンウェイのメディアでは起こらない。そこが演劇の勝負どころだと思います。

松田誠

―2.5次元ミュージカルの魅力をファンに聞くと、作品としての面白さだけでなく、舞台上のライブ感に魅かれるという声をよく耳にします。

松田:それが2.5次元ミュージカルの大きな特徴だと思います。筋立てしながらお話すると、日本の演劇っていわゆるスターシステムが主流なんですよ。人気役者を見るのが目的で、有名な人が主演しているから見に行くという動機が圧倒的に強い。でも欧米の場合は作品やテーマを見に行く層が非常に大きい。劇団四季さんがやっていることがまさにそれなんですが、例えばお客さんは『ライオンキング』を見たくて集まります。

―劇団四季は、海外の演目を日本版に翻案して上演する形態を主にとっていますね。

松田:2.5次元ミュージカルの場合は、特定のスターは必ずしも必要ではないんです。演目によっては人気のある俳優が出演することもありますが、あくまでもスターは俳優が演じる「キャラクター」だという考え方。ミュージカル『テニスの王子様』もミュージカル『美少女戦士セーラームーン』も、有名な俳優はほぼ出ていない。つまり無名の若い子たちがやるということは、技術的に未熟な子が多いんですよ。未熟であるがゆえに熱で見せるしかない。技術よりもエネルギー。そうすると、自ずとお客さんの気持ちにシンパシーが湧いてくるんですよ。「この子はどう成長していくんだろう?」といった、親の気持ち、母性が生まれる。

―たしかに「見守っている」という感がありますよね。

松田:全ての2.5次元ミュージカルがそうであるわけではないですけど、成長を楽しむというのが特徴の1つではあると思います。だから『NARUTO-ナルト-』や『テニスの王子様』のような成長物語の漫画が原作になっている。リピーターが多いのも、若い俳優が変化する姿を見続けたいからだと思います。『ちっちゃな英雄』もそれに近いと思ってます。お客さんが彼らのことを見守って、3か月後にもう一度やってきて変化を楽しむみたいな。もしも代替わりして新しいメンバーになったら、「あ、こんな子が加入したんだ」っていう風に。お芝居の世界にのめり込んで見る面白みと、俳優やカンパニーの成長を俯瞰的に見る面白み。その2つがあるんです。

芝居だけではなくて、歌ったり踊ったりすることによって世界が広がる。歌と踊りと芝居の全部を含んだミュージカルはすごい表現だと思いますね。

―松田さんはもともと俳優をやってらっしゃって、「下北沢小劇場命!」みたいな青春時代を送っていたそうですね。一時期の小劇場界隈もある種のスターシステムがあって、オルタナティブだけれども、構造としては昔からの日本の演劇形態を踏襲する部分もあった。それが現在のかたちに変化した理由というのは?

松田:やはり2.5次元ミュージカルに出会ったことが大きいです。もともとはそんなにミュージカルが好きではなかったんですよ。欧米の作品を日本人が演じることにはやはり違和感を覚えました。ですが、ブロードウェイやロンドンで本場のミュージカルを観てミュージカルに対する考えが変わっていく中で、転機になった作品との出会いが、舞台版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』なんです。

―イケメンが主役じゃない作品! 意外です。

松田:舞台版『こちら葛飾区亀有公園前派出所』はラサール石井さんが作・演出・主演でやってたんですけど、いわゆる下町ミュージカルだったんですよ。下駄を履いてタップダンスするみたいな。

―大衆性の強い芝居だったんですね。

松田:そうですね。ラサールさんは早稲田大学のミュージカル研究会出身で、ミュージカルにとても詳しいんですよ。だから歌の技術も高いんですけど、両津勘吉が「そこはあぶないぞー!」って歌ったりするんです(笑)。すごく可愛らしい日本語のミュージカルで、例えば孤児の女の子が「私のことなんか誰も知らない」という歌をソロで歌うんです。街なんてなくなっちゃえばいいんだ、って爆弾を仕掛ける内容なんですけど、それにジーンと来て。そのときに初めて「日本人がミュージカルをできるんだ」と思って一気にミュージカルの側にシフトしたんです。『ちっちゃな英雄』を見てもらえばわかりますけど、芝居だけではなくて、歌ったり踊ったりすることによって世界が広がるじゃないですか。途中、主役のジョージと親友のブックスが歌うシーンがありますよね。

―星空の下で、英雄になりたいという想いを伝えるシーン。『ちっちゃな英雄』は、ジョージが何度も裏切られて、そのつど傷つきながらも持ち前の明るさで前に進んでいく話です。

松田:そうですね。ホテルをねぐらにする家ネズミと、森をねぐらにする森ネズミがいて、ジョージはそのコミュニティー間を行き来するわけですが、必ずそこに理解者がいてくれる。ブックスはその象徴で、どんなことがあってもジョージを信じている。英雄はけっして1人ではないし、1人では英雄になれないことを観客に伝える大切な役です。だからこそジョージとブックスの歌は感動的だし、舞台の上をまるで夜の街のように変えてしまう。そこにはやっぱり歌の力があるんですよ。普通の話し言葉で「俺はいつか英雄になる!」なんて言っても、なかなか客席には届かない。それから、単にバタバタと走り回るだけでは生まれない躍動感が、全員で踊ることによって生まれてくる。歌と踊りと芝居の全部を含んだミュージカルはすごい表現だと思いますね。

『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.

『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.
『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』 ©2015 SANRIO CO., LTD.

日本のアニメ、漫画、ゲームのキャラクターは世界に通用する。僕らは2.5次元ミュージカルで、日本から世界に出ていく。

―だから2.5次元演劇ではなく、2.5次元ミュージカルと名付けて活動されているんですね。最近のニュースとして『刀剣乱舞-ONLINE-』の2.5次元ミュージカル化が発表されましたよね。日本刀を男性に擬人化したことで有名な人気ゲームの舞台化で、松田さんたちのネルケプランニングがミュージカル担当、舞台『弱虫ペダル』、舞台『東京喰種トーキョーグール』など知られるマーベラスがストレートプレイ(歌唱を伴わない演劇、つまりミュージカル以外の演劇のこと)担当と、2種類の異なる演目を上演されるそうです。これにはどのような狙いが?

松田:それは原作であるニトロプラスさんのアイデアです。2つを競わせて、相互に盛り上げようという。だから役者も内容もまったく違う。これだけ2.5次元ミュージカルが注目されている中で『刀剣乱舞』が普通のことやっても面白くないですよね。2.5次元の先端でやっているマーベラスさんと弊社が、お互いの得意とする路線で競い合うわけで、キャラと俳優との関係にまた違う魅力が付与されると思います。

―そういった新しい試みも含めて、2.5次元ミュージカルには、アニメや漫画、ゲームという平面的な表現の立体化だけに留まらず、日本発のオリジナルなミュージカルになりえる、という狙いもあるんでしょうか?

松田:まったくそのとおりです。実際に既に作れているし、これからさらに洗練されていくと思います。日本のアニメ、漫画、ゲームのキャラクターは世界に通用する。だから東京オリンピックの開会式は絶対にキティちゃんがいいと思ってますからね。

―認知度で言えばハローキティは世界標準ですよね。

松田:日本の素晴らしいコンテンツを世界に発信するにあたって、僕らは2.5次元ミュージカルで、日本から世界に出ていく。もしくはそれを見るために海外の人たちに日本に来てもらう。欧米のミュージカルに勝てるのはそこですよ。『ウエストサイドストーリー』のマネをして、日本人が勝てるわけがない。でも日本のオリジナルコンテンツだったら、欧米人がマネするよりも、日本人が作るほうが絶対に強い。

松田誠

―そうすると今後のターゲットは全世界ですね。

松田:それも辻さんと話していて感じたことで、辻さんのターゲットは全人類らしいんですね。実際、面白いものはみんなにとって面白いと思うんですよ。大人だろうと子どもだろうと。だから、僕らのターゲットも全人類です。全人類が面白いと思ったものを作る!

―今日の話を総合すると、演劇の魅力はスポーツに似てると思いました。『ちっちゃな英雄』は、若いねずみたちが彼らのコミュニティーをより豊かにするという目標に向けて、協力していく物語です。若さが原動力になり、集団としてのエネルギーを生んでいくのはスポーツの特徴でもあります。その意味では、女性向けでも男性が楽しめるし、その逆もしかりで。

松田:絶対にそうだと思います。サッカーに興味がない人でも、みんなが盛り上がっている喧噪を見れば、心が動くと思うんですよ。人間は生きている以上、猛るし、昂る。まだ俳優としては未知数な連中が、若いねずみの姿を借りて走って歌って踊る『ちっちゃな英雄』も、ピューロランドの場所が持つ巨大なエネルギーもお借りしながら、見に来た人全員が熱くなって「ちょっと走って帰ろう!」といった気分になるような作品に育てていきたいですね。

イベント情報
『ちっちゃな英雄(ヒーロー)』

2015年6月27日(土)から上演中
会場:東京都 サンリオピューロランド フェアリーランドシアター
脚色・演出:きだつよし
原作:辻信太郎
音楽:大石憲一郎
作詞:うえのけいこ
振付:EBATO
製作協力:ネルケプランニング
※サンリオピューロランドのパスポートで鑑賞可

プロフィール
松田誠 (まつだ まこと)

株式会社ネルケプランニング代表取締役。演劇プロデューサー。代表作は、ミュージカル『テニスの王子様』、劇団EXILE、『ロミオ&ジュリエット』、『ロックオペラ モーツァルト』、ミュージカル「黒執事」、ミュージカル「美少女戦士セーラームーン」、ライブ・スペクタクル「NARUTO-ナルト-」他。演劇以外にも多方面で新しいエンターテイメントを仕掛けている、日本のステージコンテンツビジネスのトップランナーの一人である。日本2.5次元ミュージカル協会代表理事。



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