NHK2028年大河ドラマ『ジョン万』の主演を山﨑賢人が務めることが発表された。
大河ドラマ第67作の主人公は「ジョン万次郎」こと中濱万次郎。19世紀の日米と太平洋を舞台に、命がけのサバイバルの連続と遥かなる再会のロマンを描く。脚本は連続テレビ小説『カムカムエヴリバディ』などの藤本有紀。
山﨑賢人が演じる中濱万次郎は、歴史に名が残るはずなどなかった貧しき漁師だったが、漂流の末、救出されてアメリカに渡り日本を救う「知と技」を得た一流の船乗りとなる。異国の友からは「John Mung(ジョン マン)」と呼ばれた。
2027年初夏にクランクイン予定。
【藤本有紀のコメント】
ご依頼を最初にいただいた時に、私からまず「ジョン万次郎さんの物語を書きたいです」とお伝えしました。その念願がかなって、今とてもうれしいです。そして、山﨑賢人さんが演じてくださるというのも、本当に光栄なことだと感じています。ジョン万次郎さんというと、私の中ではまず「ロマン」という言葉が浮かびます。14歳で土佐の一漁師に過ぎなかった万次郎さんが、その後歩んだ人生は、本当に心が躍るような夢と冒険にあふれています。一方で、夢や冒険が大きかった分、挫折や悩み、苦しみもとても大きかったと思います。そうした万次郎さんの人生そのものが、非常に稀有な物語性を持っていて、それを自分の手で物語として描いてみたい、という気持ちが強くあります。今の時代の若い人たちに、ジョン万次郎さんの人生を知ってもらい、そこから何かちょっとでも「挑戦してみよう」と思ってもらえたらうれしいです。
・執筆によせて
いつかこの人のことを書くかもしれない、と思う瞬間があります。日常の中でふれた本の1ページ、映画の1シーン、たわいない会話のひとこと。どこかで出会って、でも追いかけることはしない。ただ心の中に存在し続けて、そのときを待ってくれている。ジョン万次郎さんは私にとって、まさにそんな人でした。
彼を知っている人は、その名前を聞いただけでわくわくすると思います。彼を知らない人も、その名前を聞いただけでわくわくすると思います。ジョン万次郎。その名前がすでに物語っています。彼の人生がいかに数奇で波瀾万丈だったか。彼がいかに大胆かつ繊細にその波を乗りこなしていたか。彼がいかに幕末の日本において稀有な存在であったか。
海、船、鯨、英語、アメリカ。万次郎さんを取り巻く言葉からは、突き抜けるような明るさ、雄大さ、ロマンと冒険が感じられます。その一方で、漂流、飢餓、差別、死罪、暗殺といった不穏な単語にもつきまとわれており、常に緊張を強いられていた彼の立場が窺えます。そんな起伏の激しい人生を軽やかに生き抜いた万次郎さん。その知恵と胆力がいかにして培われ、役立てられたのかをひとつひとつ紐解き、ときに思い切って飛躍させながら、物語ってゆきたいと思っています。
大河ドラマを書くことは、まさに大海原に漕ぎ出すようなものです。初めは航海図も羅針盤もありません。ただ書くという決意だけを携えて乗船し、おそるおそる出航します。あっという間に陸地は見えなくなり、目的地まで進航し続けるしかないのだと思い知ります。けれど不安はありません。この船には優秀な船長と、頼りになるたくさんの航海士たちが乗っています。そしてこの船は幸運にも、山﨑賢人さんという光り輝く星を見つけることができました。ジョン万次郎を心に宿した山﨑さんは、冬の夜空に燦然ときらめいて航海の指標となるオリオン座のように、大河ドラマ『ジョン万』号の冒険を導いてくださることでしょう。
ジョン万次郎のことを書くときが来ました。どうかみなさんの心に届きますように。
【山﨑賢人のコメント】
ジョン万次郎さんのことを知れば知るほど、その魅力に惹かれています。14歳で漂流してから、今では考えられないような冒険を重ねてきた万次郎さんの根底にあるタフさや好奇心はとても魅力的です。また、ゆかりの地であるアメリカ・フェアヘーブンを訪れ、彼が実際に歩いた町を自分の目と足で感じることができました。その体験は、これから万次郎さんを演じる上で、とても大きなものとして心に刻まれました。
大河ドラマの主演を務めることは、もちろんプレッシャーもありますが、それ以上に「この船に乗って、航海に出たい」というワクワクした気持ちのほうが勝っています。これから1年以上の時間をかけて、皆さんと一緒に彼の人生を描いていけることを本当に幸せに感じています。ぜひ楽しみにしていてください。
【制作統括・家冨未央のコメント】
「自分は今、どこにいるのか」。漂流した時から、万次郎さんはその問いに常に向き合ってきたのではないでしょうか。地球で最も広い海の上を、どこにいるかわからない鯨を追いながら、3年近くも航海して港に帰るのは驚異的な技術です。名もなき庶民が途方もない努力の末に「位置を知る」技を得て、迷わずに大海を進んで行ける感覚に出会った…私はそこに壮大なロマンを感じました。
万次郎さんは、過去に多くの人によって小説やテレビ、歌舞伎で描かれてきましたが、一般的なイメージは、「名前が不思議な人」「英語が話せる人」にとどまり、謎に包まれたものかもしれません。そして、あれだけ歴史的な現場や偉人たちのそばに居た可能性があるのに、残る彼の言葉は控えめです。漁師の出の身分では言葉を残せなかった、あるいは残すと命が危なかったのかもしれません。一方で、万次郎さんは「数字」を書き残しています。細かく書かれた数字の羅列や計算。「自分は今、どこにいるのか」を残した航海の足跡なのではと思われます。私には、それは彼が生き抜いた証しにも思えました。
英語名の「ジョン」、日本語名の「万」の、二つの名前を一つに込めた大河ドラマ「ジョン万」。日米をまたぐ人生の荒波を生き抜いた万次郎さんを、脚本家の藤本有紀さんが描き、俳優の山﨑賢人さんが演じてくださることは「最高の冒険だ」とワクワクしています。見てくださる全ての世代の方の胸を熱くさせるようなドラマを、誰かの人生の「羅針盤」になるようなドラマを、心を込めて届けたいと思います。
【物語】
1840年、ぜい弱な日本の船が、おびただしい数の漂流者を生み出していた頃。土佐の貧しい少年だった万次郎は、母と離れ、先輩漁師と初めての遠洋漁へ出る。それは彼の運命を変える旅の始まりだった―。
生きるか死ぬかの格闘の末に、万次郎たちはアメリカの捕鯨船「ジョン・ハウランド号」に救出される。初めて触れる英語、荒々しい異国の船乗りたち、富を生む捕鯨の仕事。万次郎は好奇心を膨らませる。鎖国の国に万が一帰れたとしても死罪かもしれない。ならば、生きて、もっと何かを知りたい。そうして、ホイットフィールド船長の誘いを受けて、アメリカへ単身渡る決意をする。
産業革命真っただ中のアメリカ。船長の支援で学校に通い、友情に、恋に、青春を駆け抜ける万次郎。人種差別に遭いながらも、腕があれば認められる世界を知っていく。そして彼は、皆が認める船乗りへ―。
しかし、次第に耳に入る日本の悪評。自分が生きている意味は何かを考え、万次郎は再び決意する。
「帰ろう」。母に再会するために、自分の人生をひらいた“知と技”を日本に伝えるために。
いつか船長に恩を返すと心に決めて、万次郎は荒波だらけの人生の冒険を突き進んで行く―。
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