河合優実がNHK2028年度前期連続テレビ小説『ほんのモキチ』の主演を務めることが発表された。
第118作目の連続テレビ小説は歌人・斎藤茂吉とその妻・輝子をモデルにした「朝ドラ」史上「最も不仲な夫婦」の物語。宮藤官九郎が15年ぶりに連続テレビ小説を執筆する。
河合優実が演じる杜テル子のモデルとなった斎藤輝子は、斎藤茂吉の妻として献身的に夫に尽くすわけでもなく、「悪妻」と呼ばれながらもひたすら自分に正直に自由に生き、晩年にはエベレスト登山をはじめ、世界108か国を旅し、「痛快ばあさん」として名を馳せた人物。
モデルとなる人物について
【斎藤輝子(1895〜1984)】
大病院を経営する斎藤家の娘として、将来の「院長夫人」を宿命づけられ育つ。学生時代に、婦人誌の「令嬢特集」で表紙を飾ると、奇抜なファッションと“緋牡丹”のキャッチコピーで一躍時の人となる。
結婚後は、震災、大火事、戦争と激動の時代を生き、病院を守ることに腐心する。一方で、妻の立場に縛られず、自分を貫き自由に生きた。
晩年には、南極、エベレスト登山など世界各地を冒険し、その破天荒な生き方が注目を集め、テレビ番組にも多数出演、再び時の人となった。
【斎藤茂吉(1882〜1953)】
山形県金瓶村の農家に生まれる。幼少期から優秀で、同郷の斎藤紀一の目に留まり、上京して養子となる。正岡子規に傾倒して短歌を作り、1913年刊行の歌集『赤光』が高評価を得て、広く文壇に影響を与えた。
歌人として活躍する一方で、輝子の婿として大病院の跡を継ぐことに。実直な人柄から、苦悩多き日々の中でも、最大の悩みは、愛する輝子との夫婦生活が上手くいかないことだった…。
輝子・茂吉夫婦を取り巻く世界
・息子は芥川賞作家・北杜夫 ~斎藤家三代の群像劇~
輝子の父・紀一の明治から、息子・北杜夫(斎藤宗吉)の昭和まで、斎藤家三代を描く壮大な群像劇。北杜夫の自伝小説・『楡家の人びと』でも描かれた「斎藤家の“愉快な”人びと」が次々と登場、令和の視点から新たな物語をオリジナルで紡ぐ。
・精神科医・斎藤茂吉 ~「心の病」と向き合う~
紀一が開業したのは、精神科の草分けとなる病院。茂吉は、歌人としてだけでなく精神科医としても様々に葛藤する。また息子の北杜夫も精神科医となり、自らも双極症(双極性障害)を患う。同じ「精神科医」を選んだ親子三代のドラマを通し、現代にも通ずる「心の病」と向き合う。
・斎藤家のルーツ ~山形・蔵王~
茂吉と紀一は同じ山形の金瓶村(現・上山市)出身。蔵王の雪深い田舎町で少年時代を過ごした茂吉は、上京してからも生涯山形弁を貫く。疎開先には風光明媚な最上川河畔を選び、多くの歌を残した。斎藤家のルーツである山形の魅力を随所に描いていく。
【物語】
東京・青山にある大病院の令嬢、テル子。
病院の跡取りに選ばれ、婿養子としてやってきた山形の神童、モ吉。
理想の夫婦の誕生と思いきや、これが悲劇の始まりだったー。
1895(明治28)年。病院を経営する杜紀一の家に女児、テル子が生まれます。紀一は、テル子の婿候補として全国から書生を集め、競わせようと計画。その一人が、山形県金瓶村のモ吉少年(15)でした。中学生のモ吉は、級友の勧めで文学に目覚め、歌人を志します。
その後、東京帝国大学医科大学に進んだモ吉は、紀一のお眼鏡にかない、テル子の婿養子として入籍します。この時、モ吉は23歳、テル子はなんと9歳でした。
やがて病院の一角で、新婚生活を始めた2人でしたが、テル子は一切の家事をせず、女中たちにすべてを任せ、長男が誕生しても育児は乳母に任せっきり。見兼ねたモ吉はたびたびテル子を叱責、日々繰り広げられる夫婦喧嘩が、病院中の名物となっていきます。
以降も、テル子とモ吉は、関東大震災や、病院の大火事、東京大空襲など激動の人生を共にしますが、一向に気が合うことはありません……。
「全くソリの合わない夫婦は、なぜ離婚に至らず40年以上も連れ添ったのか―」
戦時中ですらお互い決して歩み寄らず、我が道を行く男女の本音のぶつけ合いは、みっともないを通り越して爽快で溜飲が下がるでしょう。そしてお茶の間の心を解きほぐし、ストレス社会を生き抜くヒントがそこに隠されている…はず?
家族のため、夫のためではなく、ただ自分のために生きることが、図らずも周囲を明るく、元気にする…こともある? という現代人へのメッセージでもあります。
【タイトルの由来】
「ほんのキモチ……」、と思ったら「ほんのモキチ・・・」?!
家庭で絶大な存在感を示すテル子に対し、大黒柱で偉人なのに、「ほんの」小さな立場のモ吉。そんな夫婦の物語であることと、「キモチ(心)」の健康をテーマにしたドラマであること。二つの意味をかけた笑い溢れる連続テレビ小説、「ほんのモキチ」ですが、どうぞお受け取りください。
【宮藤官九郎のコメント】
二度目の連続テレビ小説です。まずはこの機会を与えて頂いた幸運に感謝します。せっかくだから前回とは全く違うアプローチで、半年間お茶の間を賑やかに盛り上げたい。不穏なニュースや日々のストレスで塞ぎがちな現代人の心=キモチを解きほぐす、そんなドラマにしたいと考えました。
そして辿り着いたのが〝猛女と呼ばれた淑女〟こと斎藤輝子さん。
良妻賢母が賞讃された時代に、家事も育児も一切せず、権威をものともせず自由奔放に生きた方。夫は歌人にして精神科医の斎藤茂吉。二人の息子も精神科医。そしてご自身は…元祖グラビアモデルにして、元祖バックパッカー、そのうえ元祖インフルエンサー? なんかすごい。いたんだ、そんな人が、あの時代に。
真っ先に河合優実さんが思い浮かびました。あのキレ味の良さ。醒めた目つき。佇まい。ピッタリだ。支えたり、寄り添ったりしない。むしろ夫の前に立ちはだかるヒロイン。朝ドラ史上、最も不仲な夫婦の物語。夫婦ゲンカの場面をたくさん書くことになる。でも大丈夫。河合さんなら辛くない。見てられる。まだ書いてないけど、すでに楽しい。
痛快で奔放な夫婦ゲンカを半年間お届けします。ほんのモキチです。
・発表会見コメント
15年ぶりに“朝ドラ”をやらせてもらうということで、できれば実在の人物がいいなと考えました。いまは女性が活躍する時代なので、自由に言いたいことを言う女性のキャラクターで、そして夫婦の話をコメディーで描きたいと思いました。
モデルとなる斎藤輝子さんは、斎藤茂吉という偉大な人にまったく尽くしていないということで、これを朝からドラマで見たら楽しいだろうなと。また、輝子さんはとにかく奔放な方だったのでやりがいがあっていいんじゃないかと思いました。
この夫婦の話を描くにあたり、夫婦げんかのシーンを書くことになりますが、そこはしっかりと喜劇になっていないと難しいなと感じました。その時に真っ先に河合さんが浮かびました。河合さんのセリフやお芝居のキレ、思い切りが一番大きかったですね。
【河合優実のコメント】
たいへん大きな役目を任せていただくことになり、日々関わってくださる全ての方々に心から感謝しています。
斎藤輝子さんという人の人生をお借りして、いまどんなことを描けるだろうかと考えています。ご本人とその周囲の人びとについて知っていく中で、激動の家族史を強靭なすまし顔で駆け抜けた輝子さんの生き方に、図らずも笑いが漏れてしまいます。人生にはとんでもないことが起こりますが、遠くから見れば喜劇、ということだと思うので、まず至って真剣に向き合いたいです。
また、たくさんの感動をもらってきた宮藤官九郎さんとこのような大舞台でご一緒できることも、幸運に思います。ともに真実からたくさんのものを受け取って、『ほんのモキチ』というまだ見ぬ物語をつくることができるのが楽しみです。
すでに、晴れやかな気持ちというよりは、やってやるぞという気概のほうに胸を膨らませています。愛をもって走ります!どうぞご贔屓に!
・発表会見コメント
「ほんのモキチ」の主演・杜テル子役を務めることになりました、河合優実です。このような場所に立たせていただけることになり、関係者の皆様といつも支えてくださっている家族と友人、そしてこれまでの作品を見てくださった視聴者・観客の方々、すべてのご縁がつながっていまここに立っていると思います。
本当に“朝ドラ”は特別な作品だと思います。主演としてその真ん中に立たせていただくのは手放しにうれしいだけではなく、オファーを受けたときは心臓がバクバクしてしまい、そのことしか考えられなくなるような魔力がある番組だと思います。
いまは覚悟が決まってやる気満々です。よろしくお願いします!
【制作統括・板垣麻衣子のコメント】
ほんのキモチ、見た人の心が明るくなるといいな。ほんのキモチ、日本の朝が楽しくなるといいな。そんなことを思いながら、これまで連続テレビ小説を制作してきました。
そして、このたび、「ほんのモキチ」です。
常に第一線で活躍されている宮藤官九郎さんに15年ぶりに連続テレビ小説を書いていただけること、大変光栄で嬉しく思っています。笑いに溢れた明るいタッチの宮藤さんの作風は朝のドラマにとてもマッチしていると思い、オファーしました。
そして、ヒロイン・テル子を演じていただくのは、並外れた演技力を持つ河合優実さん。モデルの斎藤輝子さんは、エネルギーに満ち、自分を貫く強さがあり、まわりを振り回すこともあるけれどなんだか憎めない、そんな不思議な魅力をもった人物です。その多面的な役柄を演じられる人は?と想像した時に、河合さんしか思い浮かびませんでした。河合さんと一緒に新しいヒロイン像に挑戦するのがとても楽しみです。
日々辛いことがあっても、テル子を見ると笑っちゃう。そんなドラマを、キモチを込めて、お届けします。
- フィードバック 1
-
新たな発見や感動を得ることはできましたか?
-