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映画『わたしの知らない子どもたち』の新キャスト、予告編、ポスタービジュアルが公開された。
10月16日に全国公開される同作は『すばらしき世界』『永い言い訳』の西川美和が原案・脚本・監督を務めるオリジナル最新作。9月10日からカナダ・トロントで開催される『第51回トロント国際映画祭(TIFF)』のコンペティション部門となる「プラットフォーム部門」のオープニング上映作品に日本映画として初めて選出された。
オーディションを勝ち抜いて主人公・琴子役に抜擢された小八重葵美と善悪では割り切れない人物像を体現する教師・曽根役を演じる二階堂ふみがダブル主演を務め、音楽家として戦争前まで文化的で幸せな家庭を築いていた琴子の父・茅野孝一役を竹野内豊、琴子の兄役を櫻井海音、琴子の靴磨きの仲間役を花瀬琴音が演じる。
新キャストとして、戦争で親を亡くし、孤児となった子どもたちの矯正施設・水上寮から逃げ出した子どもたちに寝床を与え少しの間、面倒をみる漁師の山井甚平とけいの老夫婦役に役所広司と田中裕子、孤児として闇市で暮らすことを余儀なくされた子どもたちを父親のような大きな愛で受け容れる新興ヤクザの組長・菊沢徹役に岡田准一、散り散りになった子どもたちを迎え入れる孤児院「隣相館」の館長・鷹間乃生役に吉田羊、矯正施設にいる子どもたちの相談役として仕事を超えて理解者になろうとする新聞記者・諸積京一郎役に坂東龍汰、日本と朝鮮の抗争を焚き付ける刑事役に北村有起哉がキャスティング。
さらに赤間麻里子、岩谷健司、つみきみほ、マキタスポーツ、プチ鹿島、サンキュータツオ、井上肇が共演する。
予告編は「わたしは、わたしの生徒を棄てました」というセリフで始まり、戦争で孤児となり、少年として生きる琴子を探すため奔走する曽根の姿や、同じ境遇の少年たちと生きる琴子の姿、菊沢、山井夫婦、鷹間、琴子の父らの姿が映し出されている。
ポスタービジュアルは、映画ポスターの撮影に初めて挑戦したというフォトグラファーのレスリー・チャンによる撮り下ろし。
音楽は『国宝』など数々の音楽賞を受賞した原摩利彦が担当。ラストシーンでの主題音楽を坂本龍一が立ち上げた東北ユースオーケストラの子どもたちが演奏する。原が音楽の視点からも子どもたちとともに作り上げるのはどうかと提案し実現したという。主題音楽以外の部分はイタリア・ローマで録音。原は「イタリアの指揮者や奏者が真剣に映画や音楽に向き合ってくださる驚きと演奏を通しての気づきがあった」、同席した西川監督は「音楽的な歴史の厚みを感じる演奏」と語っている。
【役所広司のコメント】
心からこの映画を観て欲しいと思います。
子どもたちの眼差しをしっかり受け止めて欲しい。
彼らは、戦争孤児という役を演じる中で、当時の孤児たちに思いを馳せた瞬間があったに違いない。
主人公、琴子をはじめ子どもたちの眼差しが胸に刺さります。
日本映画史の中で、大切な作品が生まれたと思います。
この作品に参加された全ての皆さん、お疲れ様でした!
そして、おめでとうございます!
【田中裕子のコメント】
映画「ゆれる」を観て、凄い作品だなぁと思っていました。
その西川組に出れるなら、是非出たいと思って参加させていただきました。
琴子に会えてよかった。
【岡田准一のコメント】
西川監督の作品を心待ちにしていた一人として、この作品には映画としての面白さだけではなく、社会への問いが込められていると感じます。
この作品は主人公・琴子を演じた小八重さんを含め、子どもたちが本当に素晴らしく魅力にあふれています。
大人の責任を考えさせられ、問いがあるこの作品が多くの人の心に残り、語り続けられる作品になってほしいと思います。
「火垂るの墓」の後継作はこの作品。今観るべき作品かと思います。
【吉田羊のコメント】
尊敬する西川監督の作品に参加させていただき、大変光栄に思います。私が演じたのは、主人公琴子が辿り着く戦争孤児救済施設の館長。撮影時は蝉鳴きしきる真夏、クランクインから既に3ヶ月が経っており、現場は朝から、小八重葵美さん演じる琴子が生き抜いてきた先の"今日この瞬間"をクルー全員でじっと見守っている、そんな温かさに満ちていました。一方で、西川監督は大人、子ども、キャリアの区別なく一人一人を尊重し、エキストラの子どもたち含め俳優全員に目を届かせておられるのが印象的でした。恥ずかしながらこの作品に関わらせていただいて初めて、戦争孤児について学びました。戦争体験者が年々少なくなる中、映画もまた、その役割を引き継いでいけるようにと願ってやみません。平和への祈りをこめて、この映画が沢山の方へ届きますように。
【坂東龍汰のコメント】
西川美和監督の作品に触れるたび、その人間をまっすぐ見つめる眼差しと、心を深く揺さぶる物語に何度も感動してきました。西川監督の作品に、諸積という役で参加させていただけたことを心から光栄に思います。
諸積は、戦後を生きる戦争孤児たちの現実を目の当たりにし、自分に何ができるのかを必死に問い続ける若い新聞記者です。子どもたちの置かれた過酷な状況や、その小さな希望に触れるたび、諸積の正義感や葛藤を自分自身のことのように感じながら、一つひとつの場面に向き合いました。
西川監督は、常に作品を真ん中に置き、キャストやスタッフ一人ひとりを深く信頼して現場をつくってくださいました。その空気の中で、役と誠実に向き合い、自分に何ができるのかを考え続けられた時間は、俳優としても大きな財産になりました。
この作品は、戦後の物語でありながら、今を生きる僕たちにも問いを投げかけてくれる映画です。ぜひ劇場の大きなスクリーンで、この作品が持つ熱量や息遣いを受け取っていただけたら嬉しいです。
【あらすじ】
あの日を生きた子どもたちの煌めきーその時代を生きた誰もが、未来をつないでいた。
1945年、終戦。音楽家の父のもとで育ち、ごく普通の暮らしを送っていた12歳の少女・茅野琴子は戦争によって家も家族も失い、焼け野原となった東京で、たったひとり生きることになる。
女性であることが生きる危険につながる現実を知った琴子は、少女という性を隠し、少年として生きることを決意する。
やがて将吉をはじめ、同じように家や家族を失った少年たちと出会い、「吉田茂男」と名乗って彼らと行動をともにする。
闇市を束ねる菊沢組の親分・菊沢徹から仕事をもらい、ともに支え合う仲間との日々は、戦後ひとりぼっちだった琴子が初めて見つけた「居場所」となっていく。一方、担任教師だった曽根文美子もまた、敗戦によるイデオロギーの転換と、婚約者を失った中で教師としての誇りも生きる意味も見失っていた。しかし、父の友人から「琴子を探している」という知らせを受け、琴子を探す旅に出る。曽根もまた、自らも失っていた人として生きる意味を少しずつ取り戻していく。やがて子どもたちは東京湾上の孤島の隔離施設へ送られる。そこでの過酷な環境の中で生かされている子どもたちの実態を知った新聞記者・諸積は、脱走すると決意する琴子たちを海苔漁師・山井甚平と妻・けいへ託す。
山井夫妻は、突然現れた子どもたちを煙たがりながらも生きる術を教えながら、その命を明日へとつないでいく。これは、戦争によって人生を変えられながらも懸命に生きた子どもたちの命の輝きと、その命を信じ、それぞれの選択で未来へつないだ人々の姿を描く物語。
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